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猫可愛がりしていたら、喰われました。 - 17
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猫可愛がりしていたら、喰われました。  作者: 不知火螢


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17

お待たせしました、更新再開します!

「あ、あ、ああああああ兄上ー!?」

「兄上!? じゃない、お前何やってんだ!!」


 ノックもなしに突然ドアが開いたと思ったら、兄上がそこにいて、確実に怒っているとわかる表情で部屋の中に入ってきた。

 リートとリンデが目に入っているのかいないのか、そんなことよりも、この愚昧に一言申さねば! と顔に大きく書いてある。


 ちらっと兄上の後ろに目をやれば、姉様がぽかーん、とした表情で私を見ながら、それでも部屋に入ってドアを閉めて、更にはおそらく遮音の魔法と思われるものを部屋全体に施した。

 そのなんだかんだで冷静に対応する当たり、姉様である。


「な、な、なに、と言われましても……」

「……その子供たち、ミハエルの子供だな」

「えっと、えぇっと……」


 まずいまずいまずい、とりあえず隠す方向で考えていたから、言い訳らしい言い訳が全く頭に浮かんでこない。

 疑問形ではなく、断定している以上、兄上はこの子達が殿下の子であることを確信しているらしい。まさか、すでにばれていたとは思っていなかったので、つい、視線を逸らす。


「あの、その……」

 

 もはや誤魔化すことなんて不可能であるとわかっているのだが、それでも往生際の悪い私は、何とかこの場を切り抜けようと悪あがきをするしかない。

 とにかく何かを言わなければ、と必死に頭を動かして言葉を探すが、口から出てくるのは、意味をなさない音だけだ。


「……はぁ。白銀の髪に、紫水晶の瞳。現在、この組み合わせの色を持つのは、国王陛下とミハエル殿下しかいない。どう言い繕うとも無駄だ」

「……はい、そうです、ミハエル殿下の子供です……」


 予想通り、認識阻害の魔法なんて何のその。兄上は二人の本当の髪と目の色を正式に把握している。私の子供、というだけでは髪と目の色は黒と蒼玉の瞳の可能性だってある。もちろん、単なるカマかけの可能性だってあるが、兄上の口調からして、確実に認識阻害を物ともしていない。


「あらほんと、見事にミハエル殿下と同じ色ね。……そう、だから、出奔なんてしてたのね」

「この色だ。ラヴィニア一人で出産していたのなら、少なからず落胤の噂が流れていたはず。しかし全くその様子はなかった……母上か?」

「……はい、そうです……母上に、助けてもらいました……」


 もはやここまで。

 こうなった以上、素直に白状するしかあるまい。そもそも、私が言わなくても、母上に聞けばばれてしまう。

 もちろん、母上が口を割らない、という可能性もあるけれど、兄上がここまで確信している以上、母上だって無駄な隠し事はしないだろう。

 母上が黙っていてくれたのは、知っている人は少ない方がいい、という判断からだ。すでに知ってしまった以上、黙っている必要はない。


 籠の中で並んでこちらを見上げているリートとリンデ。紫水晶の瞳が、きょとん、と私を見上げている。

 よし、腹をくくれ、ラヴィニア・フォン・オルトマン。バレたくはなかったけれど、最悪、姉様にはバレる覚悟をしていたじゃないか。兄上にもバレることまで覚悟はしていなかったが、今更だ。していなかったのなら、今、覚悟すればいいだけだ。

 それに、私には二人を守る責任がある。産んだときに、この二人を守ると決めたじゃないか。

 

 そもそもの話、姉様が一緒にいるということは、兄上は一角兎の件でここに来たはずだ。二人のことをすでに知っていたようだから、これ幸いと私を問い詰めるつもりだったのかもしれないが、それは今ではなくてもいいはずで。


 よし、と覚悟を決めて、兄上と向き合う。

 こちらを射抜かんばかりに見据えている二つの蒼玉と対峙する。


「兄上、この子達の話は、後ででもいいですか。姉様から、一角兎の件を聞いているかと思いますが」

「――あぁ、そうだったな。話は聞いている」


 話を逸らす、のではなく一度先送りにして、より重要、より優先して話さねばならないことがある。

 兄上は、次期辺境伯だ。自領ではないとはいえ、何の罪もない人々が無為に傷つくことを良しとする人ではない。

 兄上は一つ、盛大なため息をついてから、私の話先送り案に乗ってくれたようだ。


「姉様、イルヴィッツ伯爵宛ての書状はどうなりましたか?」

「父上に頼んでいるわ。今日中に書いてくれるそうだから、明日の朝には動けるはず。先に兄上に事情だけ説明しておいて、明日一緒に来ようと思ったのだけど……」


 姉様の視線が、リートとリンデに向けられる。まぁ、二人とみて、なぜ兄上が書状を待たずに一緒に来たのか、合点が付いた、というところだろう。

 私だって、もし姉様が一年も連絡が取れず、ある日突然どうやら子供がいるらしい、という情報を得たのなら何が何でもついていく。


「イルヴィッツ伯爵は、ハイヒラー侯爵夫人の実兄だ。マリーナ、ラヴィニア、よくやった。勝手に動くことなく、筋を通そうとしたのは正解だ」

「ハイヒラー侯爵!」


 イルヴィッツ伯爵は全く聞いたことなかったけれど、ハイヒラー侯爵はさすがにわかる。何せ、現王妃の実家だ。敵対派閥のいない我が家における、敵対視してくる唯一の家なのだから、分からないわけがない。

 よりにもよって、面倒な、と思いはしたが、これはいい機会だ。ハイヒラー家に貸しを作るチャンスであるし、現王妃に瑕疵をつけるチャンスでもある。

 現王妃と第一王子、第二王子の瑕疵は、ミハエル殿下の安全に直結する。もちろん、直接的な原因はイルヴィッツ伯爵だし、現王妃から見たら伯父のやらかしなので、大失態、とは言えないが。それでも、何事もなかったかのように、見過ごせる事態ではない。


「父上からの書状と俺がいれば、いかにイルヴィッツ伯爵のバックにハイヒラー侯爵がいようとも、強気にはでれまい。もし勝手に動いていれば、それこそ『領内において無断で大規模討伐を行った』などと言いがかりをつけてきたかもしれないからな」


 あっぶなー!! 姉様に相談してなかったら、足を引っ張りたくないのに殿下の足引っ張るところだったーー!!

更新お休みしてる間にたくさんの方に読んでいただけたようで、とても嬉しいです。

ブクマ、評価ありがとうございます!

これからものんびりと、お付き合い頂けましたら幸いです。

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