25話 崩壊、偽りの愛を前に
side:ラブメア
「ふふっ……」
皆、アタシに夢中。
顔を出すだけで、恐れながら頭を下げる姿は見ていて滑稽。
最高。このために生きてると言っても過言じゃない。
(王家の人間が城下町を一周するパレード……側室であるアタシも参加できるなんてラッキーね)
威厳や存在感をアピールするため、王家の人間は定期的にパレードを行う。
アタシは民衆にチヤホヤされるのが大好きだから喜んで参加している。
(けどディゼは何故アタシに会おうとしないのかしら? ここまで純粋で愛らしい女の子、世界中を探しても見つかりませんわ)
愛してくれる人はいっぱいいる。
けど、どれもつまんない男ばかりで暇つぶしにしかならない。
ディゼくらい高貴で頼もしい人に出会えたら、もう少し楽しめると思うのに。
(ま、いいわ。今は今で楽しみましょう)
護衛に命令して民衆の顔を上げさせる。
「ラブメア様だ!!」
「あぁ、この顔を拝むことができるとは」
「なんて慈悲深い……」
ちょろすぎ。
アタシの顔を見ただけで喜んじゃって。
まるでエサを与えられたペットみたい。
侯爵家以上になると平民は顔を見る事すら許されない。
だけどアタシは皆から崇められたいから、敢えて顔を上げさせている。
アタシって本当に可愛いから。
この美貌を生かす手はないでしょう?
(何しても許されるなんて本当に幸せ。ずーっとこのままでいたいわ)
側室としてアタシの出番が来ることはないだろうし、実質王家の後ろ盾が貰えたようなもの。
王家はみーんな元気ですからね。
ハメを外しても部下が揉み消してくれる。
ディゼ以外の貴族の男子からは愛されまくり。
あぁ、もっと満たして。
アタシを愛でいっぱいにして。
愛されたくて仕方ないの。
だから……
「ラブメア!!」
「っ!?」
その時、遠くの方から荒々しい声が聞こえた。
「マゼン!? どうしてここに!?」
「ずっと君に会いたかったんだ。愛する君に伝えたいことが山ほどあって!!」
なんでここに!?
このパレードには王家とその関りを持つ者しか参加しないハズ。
他の男を呼ぶと面倒だし、全員こないよう通告したのに!!
「愛してるぞラブメア!! いつまでも君の隣にいたいんだ!!」
「やめて!! ちょっとこっちにこないで!!」
「何故だい!? あれだけベッドで激しく交じり合った仲じゃないか!!」
ほんと品のない男!!
顔だけはまあまあいいから相手にしたけど、それ以外の言動や仕草が子供すぎて嫌なのよね。
「誰だあの人は?」
「ラブメア様とベッドで?」
「けど、確かあの人って王家と……」
マズい。
王家と民衆にアタシの裏事情が知られるわけには。
「あいつをひっとらえなさい!! この無礼で愚か者のゴミを早く始末して!!」
今日に限ってこんなトラブルが起きるなんて。
折角、チヤホヤされていい気分になっていたのに!!
誰なの!? アタシにこんな事を仕掛けた愚か者は!!
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