Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
航宙軍士官、冒険者になる - 047. 旅の準備3
[go: Go Back, main page]

表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/95

047. 旅の準備3

誤字、脱字、御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。



 朝食を食べながら、クレリア達と話していると今日の予定を訊かれた。


「魔術ギルドの支部長からちょっとした仕事を頼まれてね。それを午前中にやろうかと思う」


 魔法陣の下書きの仕事だ。一人でやっても二、三時間だろう。


「私達でも手伝える仕事ですか? 出来るなら手伝いますが?」とセリーナ。


「もちろん出来るとも。じゃ、手伝って貰おうかな」


 三人でやれば、一時間もかからずに終わるだろう。


「では、私達はいつもの通り中庭で剣の鍛錬をしよう」とクレリア。


 俺の部屋で魔法陣を描く作業をしていると、ノックされた。


「アランさん、お客さんですよ」とサラちゃん。


 誰かと思ってドアを開けるとドライヤーの筐体を依頼している工房の親方だった。


「あれ? 親方。納品は明日ではなかったですか?」


「そうだったんだが、昨日、カーラさんが工房に来て急ぎの仕事を頼みたいから今抱えている仕事は早急に片付けろと言われてな。昨日から大わらわで仕事を片付けているんだ。物は出来たんでここに荷を運びこんでいいか?」


 あぁ、昨日の支部長は気合入っていたからなぁ。あの様子じゃ無理もないかもしれない。


「いいですよ。ではお願いします」


 荷物が弟子達によって速やかに運び込まれた。ドライヤーの部品だけではなく、ドライヤーを入れる木箱もお願いしていたのでかなりの量だ。検品作業をして支払いをおこなうと親方達は帰っていった。


「凄い量ですね。これが魔道具の部品なんですね?」とシャロン。


「かさばっているのはドライヤーを入れる木箱だけどな。よし、これで今日から組立も始められるな」


 セリーナとシャロンは微妙な顔をしている。あぁ、手伝わされると思っているのかな?


「組立作業は俺一人でやるよ。さすがに組立ぐらいは俺が責任を持ってやらないといけないからな」


 作業自体は一台につき十五分もかからないし、大した作業じゃない。


「いえ、お手伝いはしたいんですけど、多分、今日から魔法が使えると思うので魔法の練習もしておきたかったんです」とシャロン。


「そうか、魔力センサーが出来たのかな?」


「そうなんです! やっと! レアメタルを多めに飲んでナノムに急がせました」とシャロン。


 ほう、レアメタルを多めに飲むとナノムの作業スピードが上がるのか? それは知らなかったな。


「そうか、では是非とも魔法の練習もやってくるといいよ。さっきも言った通り組立作業は俺一人で十分出来る。でも、魔法の練習は十分気を付けるんだぞ。あれは物凄く危険なものだ」


「分かりました。そうします」


 午前中で、魔法陣の下書きは余裕で終わり、さらに二人に組立作業も少し手伝ってもらった。


 昼食を食べに出掛けようと皆で一階に降りていくとサラちゃんに呼び止められた。


「アランさん、お父さんがピザを作っているんです。是非、お昼はウチで食べてください」


「そうか。じゃ、悪いけど御馳走になるよ」


 席につくと早速ピザが六枚も運ばれてきた。バースが作ったのは昨日作ったピザと同じ二種類のものだ。これは美味そうだな。おぉ! 今朝渡したレシピにホットペッパーソースのレシピも付けていたが、ホットペッパーソースも作ってくれたようだ。


 みんな、初めて見る料理に歓声をあげた。


「これはピザという料理なんだ。早速作り上げるとはさすがバースだな」


 まずはホットペッパーソースを掛けずに食べてみよう。うん、よく出来ている。焼き加減も完璧だな。


「お好みでこの調味料を掛けてくれ。物凄く辛いので注意してくれよな」


 うん、ホットペッパーソースの味も完璧だ。やっぱり、ピザにはホットペッパーソースがなくちゃな。


「これも凄く美味しいですね! いくらでも食べられそうです」とシャロン。


 クレリアは俺の真似をしてタップリと掛けたホットペッパーソースに身悶えている。物凄く辛いってちゃんと言ったのに。同じように掛けたエルナは全然平気な顔をして食べているので、やはりクレリアがお子様なだけだな。


 周りの客の評判も上々のようで、それも納得の味だった。


 食後の御茶をバースが運んできた。


「アラン、ピザはどうだったよ?」


「完璧だよ! ホットペッパーソースの出来も見事だった。完全にものにしたな」


「そうか、最初はホットペッパーソースの味はさすがにどうかと思ったが、ピザにかけると癖になる味だよな」


「だろう!? 慣れるとピザを食べる時の必需品になるよ。そうだ! パスタにもバッチリ合うから試してみろよ」



 クレリア達は昨日と同じく剣と魔法の練習に出掛けるらしい。俺は一人で魔道具の組立だ。


 午前中に二人が手伝ってくれたこともあって、夕方前にはドライヤー三十台の組立を終えることが出来た。


 今から納品に行くには時間が少し遅すぎるから、明日の午前中に納品に行こう。あぁ、支部長に納品する一台は今から持っていこうかな。魔法陣の下書きも出来ているし早めに渡しておきたい。


 魔術ギルドに着き、リリーに支部長がいるかと聞くと居るらしい。治療院のアルバイトはどうしたのだろうか? 早速、出てきた支部長に聞いてみる。


「バイト? 重症患者が出た時だけ、呼んでもらうことにしました。今はこの支部の運命がかかっている時です。バイトなんてしている場合じゃありませんよ」


 支部長の気合が尋常じゃないな。


「そうですか。魔法陣と注文頂いていた魔道具一台の納品に来ました」


「あら、もう出来たのね。拝見しましょう」


 支部長が拡大レンズのようなもので魔法陣を確認している。魔法陣は細かいから確認が大変だ。


「いいでしょう。どれも寸分違わずよく描けています。次は魔道具のほうですね。この木箱は…」


 支部長はドライヤーの入った箱に興味津々だ。この木箱は、ドライヤーをむき出しで納品するのも変だと思ってナノムに設計させたもので、木箱の底にはドライヤーを支えるステーのようなものが付いていて、蓋のほうも同様だ。蓋をしっかりと閉じるとドライヤーが箱の中でピクリとも動かないように設計されている。


「この木箱は秀逸ですね。私もこれと同じものにしましょう。作った工房は同じですか?」


「そうですね。一つ当たり五十ギニーでした。… 貴族用のものは中に布でも貼ったらどうでしょうか?」


 高級品が入っている箱は大抵そんな感じだったような気がする。試しにハンカチを箱に敷いてドライヤーを置いてみる。


「これはいいですね! その案を採用します」


 魔道具の動作も問題なかったので、納品は完了した。


「では、魔法陣の分の五万ギニーと、魔道具の代金二万ギニーです」


 よし、これで手持ちの金は大体十七万ギニーになった。これでタルスさんの店への支払いは足りるかな? 調理用の火の魔道具とかも買ったので微妙な所だろう。


 納品も終わったし支部長も忙しそうなので、これで帰ることにした。


「では、出発する前には一度挨拶に来ますので」


「そうですか、分かりました。アラン、お疲れ様でした」


 帰りにタルスさんの店に寄っていくか。馬の入手状況を訊きたいし、納品予定も伝えよう。


 店にはヨーナスさんがいて従業員と何やら話している。


「こんにちは、ヨーナスさん」


「おぉ、アランさん。昨日は有難うございました。丁度、アランさんの為に手に入れた馬が届いた所です。明日にでも御連絡しようと思っていた所ですよ」


 たしかに二頭の馬が店の前に繋がれている。中々に大きな馬で良さそうに見えるが俺は馬の事など何も判らない。


「これだけの馬はなかなか手に入りませんよ。乗馬用の馬としても、いえ、軍馬としても十分使える馬です。まぁ、その分値段も嵩みましたが…」


「いえ、その方が助かります。安全と安心は金には変えられませんからね。確かに立派な馬です。これに決めます」


「有難うございます。では、こちらの馬は出発までお預かり致しましょうか?」


「そうして貰えると助かります。それでお支払いの総額は、いかほどでしょうか?」


「総額で十五万ギニーですね。端数は値引きしました。こちらが明細です」


 メモの紙を渡されたので内容を確認する。


  馬車 五万ギニー

  火の魔道具 三万ギニー

  馬 三万ギニー

  馬 二万五千ギニー

  その他合計 一万五千ギニー


 詳細に書いてあったが大雑把な内訳はこんな感じだった。やはり馬車が一番高額だったようだ。金額がやけにキリがいいのは、恐らくそれぞれ値引きしてくれたのだろう。馬車と馬があれば行商人などの商売が始められるのだから、これくらいの金額はするのは当然だろうな。


 持っている金でギリギリ払える額だったので、いま支払うことにした。


「値引いて下さって有り難うございます。では、こちらを」


 金貨十五枚を支払った。


「はい、確かにお支払い頂きました。こちらこそ、いつも有り難うございます。では出発の前の日にお知らせください。その翌日の朝には出発出来るよう準備しておきます」


「有り難うございます、助かります。あ、それとこれをタルスさんに渡して頂けませんか? 昨日の夕食のリゾットをお気に召して頂いたようなのでレシピを書いてきたのです。恐らくタルスさんのところの料理人であれば、これを見れば同じものが作れると思いますので」


「あぁ、アランさん! それは嬉しいですね! 旦那様はお帰りになられてからも、あの食事は美味しかったと何度も口にされていたので、叶うことであればお願いしたかったのです。これは間違いなくお渡しします」


 昨日の内に書いておいたリゾットのレシピを渡した。出来ればハンバーグや、ポテトサラダのレシピも渡したかったが、マヨネーズや、ケチャップ、ソースなどのレシピも必要になるので泣く泣く諦めた。ちなみにこのレシピをタルスさんに渡すことはバースにも伝えてあるので何の問題もない。


 明日の朝、ドライヤーを店に納品に来ることを伝えて宿に戻ることにした。


 宿に戻るともう夕方に近く、クレリア達はもう戻っていて食堂で御茶を飲んでいるところだった。何やら、みんな嬉しそうに話し合っている。


「お疲れ様、何か良い事があったのかな?」


「アラン! 私達、Cランクの冒険者になりました!」とセリーナ。


「おぉ! ギルドの評価試験を受けて来たのか!? 凄いじゃないか!」


「シャロンとセリーナの実力なら当然の事だ」と何故か自慢気にクレリア。


 詳しく話を聞くと鎧を手に入れたセリーナとシャロンは、さっそく剣の模擬戦をお互いにしてみたところ、剣の実力はクレリアと同格ぐらい、エルナには敵わないぐらいの実力を発揮したらしい。魔法のほうは、連射であればセリーナとシャロン、魔法の制御であればクレリアとエルナに軍配が上がるような実力を発揮したとのことだった。


 初めて剣を握って三日目で剣術経験者のクレリアと同格であれば上等だし、魔法のほうも初日なのでクレリアとエルナに劣るのは当然のことだ。これから鍛錬していけばいい。


 そのあと、クレリアとエルナの強い勧めで、冒険者ギルドに登録を申請し、見事Cランクになったとのことだった。クレリアとエルナが居たため、パーティー登録も問題無かったらしい。


「そうか、おめでとう! これでみんな同じCランク冒険者として活動出来るな」


「そうですね! あぁ、良かった! ちゃんと同じランクの冒険者になれるか心配で寝られなかったんです」とシャロン。


「別に同じランクじゃなきゃいけない訳じゃ無かったんだけどな。ちゃんと言っておけば良かったな」


「無事に同じランクになったのだから何も問題はないわ」とクレリア。


 みんなの一通りの話を聞いて、今度は俺の今日の行動を報告した。


「というわけで、いい馬も手に入ったし仕事も明日で片付く。明後日には出発出来るな」


「万事、問題ないということね。それで馬の名前はなんというの?」とクレリア。


「ん? 知らないけど?」


「え? 訊いてきたんでしょう?」


「あぁ、ごめん。訊いてこなかったな」


「信じられない! エルナ! どう思う!?」


「あり得ません! 購入したばかりとはいえ自分の馬の名前も知らないなんて騎士失格です!」


 なるほど、騎士というのはそういうものか。


「俺は騎士じゃないけどな」


「あぁ、そういえばそうでしたね。でも新たな仲間なんですから名前ぐらい知っておくのは当然のことです」


「確かにそうだな。迂闊だった。そういえば馬車の扱いも覚えなきゃな。エルナは馬車は扱えるんだろう? みんなで習わないとな」


「リア様はともかく、みんな馬車を扱った事がないんですか?」


「無いな。馬に乗った事もない」


 というか、馬に触ったこともない。当然ながらセリーナとシャロンも頷いている。


「馬に乗った事も無いなんて…。分かりました。では乗馬も交代で教えるようにしましょう」


 出発までに馬の扱い方をアップデートしておこう。帝国でもごく一部の人が趣味として乗馬をしているというのは聞いたことがあるのでなんとかなるだろう。


 今日の夕食は、ミートソースのタリアテッレ、エビフライ、野菜サラダだ。ちゃんとホットペッパーソースも付いている。


「この料理はいったい!?」


「これはパスタという料理だよ。小麦粉を捏ねて細長くしたものを茹でたものだな」


 さっそく、実食だ。美味いな! パスタの食感、茹で加減も最高だ。バースの事だからきっと朝から練習していたに違いない。ミートソースもいい味だ。


「このもちもちした食感がいいですね! 美味しいです!」とシャロン。


「こんな変わった料理は初めて! とても美味しい!」とクレリア。


 初めての麺類に食べにくそうにしているが、皆とても美味しそうに食べている。食堂を見渡しても評判は上々のようだ。エビフライも美味いな!


 食後の御茶を飲みながら、明日の予定の話になった。



 ここでイーリスからの通信だ。セリーナはプライベートな時間以外はイーリスのモニターを許可していると言っていた。このタイミングで通信してくるのは何か予定に関して言いたいことがあるのかな?


[艦長、可能であれば二人の脱出ポッドに残してきた物資を回収してください。まだ発見はされていませんが、日が経つにつれて発見される可能性が高まります]


(そういえば忘れていたな。確かに回収しておいた方がいいだろうな。しかし、回収した物資はどうする?)


 ドローンは完全な無人偵察機で、人や物資を搭載する事は想定されていない。緊急用に辛うじて人が三、四人程乗れる小さなスペースが確保されているだけだ。


[何機かのドローンに分散すれば搭載が可能です]


(では、私達が回収してきましょう。色々と取ってきたい物もあるので)とセリーナ。


 そうか、確かに三人で行くこともないか。


(では、頼むよ)


 おっと、俺、シャロン、セリーナが黙り込んでいるので、クレリア達がいぶかしげな顔をしている。



「申し訳ないんですけど、私とセリーナはちょっと用があって明日一日、外出したいんですけど…」


「いいんじゃないか? 特にすることもないしな。食材の買い出しぐらいだ」


 クレリア達も特に意見が無かったため、午前中は納品ついでに馬を見に行って時間があれば買い物、午後も買い物しながら挨拶回りに行くことにした。


 久しぶりに何もすることの無い夜なので長風呂を堪能した後は、早めに眠りについた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[気になる点] レアメタルではなくナノメタルではないでしょうか? 違ってたらすみません [一言] 書籍、頑張って下さい
2021/04/20 05:22 退会済み
管理
[一言] ・馬の名前 「この魔法剣の銘(名前に変換されるかな?)は何だ?」 魔法剣は鍛造でしょうから、工房の名前が付く(刀匠と同じですね)のかも? 鋳造剣に銘はあるのでしょうか。
[気になる点] パスタの固さはアルデンテだよね?(歯応えのある固さで、少し固いくらい) もっちりとしていて、噛んですぐ切れるのは、ボイルオーバーと言います。イタリアの人は、アルデンテ一択だそうです。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ