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異界渡りを手に入れた無職がスローライフをするために金稼ぎする物語 - 第24話 【グランベル王国編】 聖ジャックの伝説
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異界渡りを手に入れた無職がスローライフをするために金稼ぎする物語  作者: パラレル・ゲーマー


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第24話 【グランベル王国編】 聖ジャックの伝説

 王宮で、グランベル王国の歴史上、最も甘美で、最も熱狂的な一夜が繰り広げられていた頃。王都の、より俗な、しかし生命力に満ち溢れた一角では、別の、しかしどこか地続きの伝説が、人々の間で静かに、しかし熱っぽく醸成されつつあった。

 その中心にいたのは、石工のジャックという、どこにでもいる、少しばかり口の悪い、平凡な男だった。


 舞台は、王都の庶民の胃袋と魂の拠り所、『陽気な猪亭』。

 あの日、謎の魔法使いハジメ・ニッタが、金貨の袋をカウンターに叩きつけ、「今宵の酒と飯は、全て石工のジャックの奢りだ!」と宣言して去っていった、あの伝説の一夜から、既に数週間が経過していた。

 だが、あの夜の記憶は、少しも色褪せることなく、むしろ日を追うごとに、人々の口の中で、より鮮やかに、より劇的に、語り継がれるようになっていた。

 店の暖炉のそばでは、あの日、幸運にもその場に居合わせた常連客の一人が、新規の客や旅人たちを捕まえては、目を輝かせ、身振り手振りを交えながら、得意げにその武勇伝を語って聞かせるのが、もはや日課となっていた。

「いいかい、あんたたち。あれは、ただの酒盛りじゃなかった。ありゃあ、奇跡だったんだよ」

 語り部の男は、まるで見てきたかのように、しかし記憶の中で百倍にも美化された光景を語る。

「まずな、あの魔法使いの旦那様が、カウンターに金貨の袋をドン、と置いたんだ。その音ときたら、まるで雷が落ちたみたいだったぜ。袋の口からこぼれた金貨が、この薄汚い酒場の床を、まるで王宮の広間みてえに、キラキラと照らしちまってな。俺たちは、もうそれだけで腰を抜かしちまったのさ」

 聞き手たちは、ゴクリと喉を鳴らす。

「そしたらよ、亭主のあの頑固親父が、地下の貯蔵庫から、普段は貴族様相手にしか出さねえっていう、十年モノの秘蔵エールを樽ごと担いできやがった! 厨房からは、牛一頭丸ごと煮込んだんじゃねえかってくらいの、とんでもねえ匂いがしてきてな。あの夜、俺たちが食ったシチューの肉は、口に入れた途端に、とろけたんだぜ。マジだぜ? 歯なんて、いらなかったんだ」

「へえ、そいつはすげえや!」

「それで、それで?」

 聞き手たちの興奮は、最高潮に達する。

「そして、旦那様は言ったんだ。『今日のこの最高の酒と飯は、俺たちの友人、石工のジャックの奢りだ! ジャックに乾杯!』ってな。俺たちは、泣きながら、叫んだよ。『ジャックに乾杯!』ってな。あの夜、この店にいた奴らは、みんな兄弟になったんだ。ジャックっていう、とんでもねえ聖人の兄弟にな!」


 そんな熱狂的な語りのすぐそばで、物語の主人公であるはずの石工のジャック本人は、店の最も隅の、薄暗い席で、一人うんざりした顔で、いつもの安物のエールをすすっていた。

 彼の周囲だけ、まるで聖域のように、ぽっかりと空間が空いている。誰もが、彼に話しかけたくてうずうずしているのだが、そのあまりの神格化されっぷりに、かえって誰も近寄れないでいたのだ。

「……ちっ。また始まったぜ」

 ジャックは、誰に言うでもなく悪態をついた。

 あの夜以来、彼の平穏な日常は、完全にどこかへ行ってしまった。

 最初は、良かった。

 翌日、二日酔いの頭で仕事場に行くと、仲間たちから英雄のように担ぎ上げられ、その日は一日中、彼の武勇伝で持ちきりになった。酒場に行けば、誰もが彼に一杯奢らせてくれと願い出て、金を使うことなく、最高の酒にありつけた。

 だが、それも三日と続けば、話は別だ。

 どこを歩いても、「おお、あのジャック様だ」「なんて幸運な方なんだ」とひそひそと噂され、好奇と尊敬の視線に晒される。子供たちは、彼の後ろをぞろぞろとついてきて、「ジャック様、また魔法使い様は来ないんですか?」と無邪気に尋ねてくる。

 彼は、ただ、少し変わった、妙に度胸のある旅人に、道を教え、ほんの少しだけ親切にしただけだった。

 それなのに、いつの間にか、彼は「聖人を見抜いた心優しき男」「幸運を呼び込む徳高き人物」として、本人の意思とは全く無関係に、祭り上げられてしまっていたのだ。

「……面倒くせえ……」

 彼は、心の底から溜め息をついた。


 そんな彼の苦悩を知ってか知らずか、世の中の歯車は、さらに彼を伝説の中心へと押し上げていく。

 きっかけは、あの『王の慈悲のクッキー』だった。

 ラングローブ商会の前で、連日連夜繰り広げられた、あの甘美なる熱狂。王都の民が、生まれて初めて経験する至福の甘さに酔いしれていた頃、人々の間で、ごく自然に、一つの、しかしあまりにも強固な因果関係が、生まれつつあった。

 その発端は、いつもの、井戸端での主婦たちの会話だった。

「ねえ、奥さん、聞いた? あのクッキーの、あの夢のような甘さ。あれの元になったお砂糖って、ラングローブ商会に、どこからか現れた魔法使い様が、お持ちになったんですって」

「まあ、知ってますわよ! なんでも、東の、ずっとずっと遠い国から来た方だとか」

「それでね、ここだけの話なんだけど……。その魔法使い様が、最初にこの街で声をかけたのが、石工のジャックさんだったんですって!」

「ええっ!? あの、酒場でみんなに奢ってくれたっていう!?」

「そうなのよ! ジャックさんが、道に迷っていた魔法使い様を、親切に助けてあげたから、魔法使い様はいたく感激して、『この国は、なんて心優しい人々がいるのだ』と、ラングローブ商会に、あの奇跡の調味料を卸すことを、お決めになったんですって!」

 その話は、何の根拠もない、ただの噂話だった。

 だが、その物語は、あまりにも魅力的で、そして人々が納得するには、十分すぎるほどの説得力を持っていた。

 噂は、瞬く間に、市場の商人たちや、仕事終わりの労働者たちの間にも広がっていった。

「おい、聞いたか? 俺たちが、この美味いクッキーを食えるのも、元をただせば、石工のジャックの兄貴が、あの旅の旦那を助けたおかげなんだとよ!」

「なんだって!? じゃあ、ジャックの兄貴は、俺たちみんなの恩人ってことじゃねえか!」

「そうだとも! ジャックの兄貴の、あの何気ない親切がなけりゃあ、俺たちは、今頃、こんな幸福な味を知ることもなかったんだ!」


 この、単純明快で、しかし人々を熱狂させるには十分すぎる物語は、口コミという最も原始的で、しかし最も強力なメディアを通じて、爆発的に王都中に広まっていった。

 そして、ジャックの日常は、もはや困惑を通り越して、悪夢のような領域へと突入していた。

 彼が、仕事道具を手に家を出れば、道端で人々が立ち止まり、彼に向かって深々と頭を下げるようになった。

「ジャック様、おはようございます! あなた様のおかげで、昨日、うちの病気の娘が、初めて笑顔を見せてくれました……! あのクッキーを、本当に美味しそうに……!」

「ジャック様! どうか、その手で、うちの店の看板に触れてはいただけませんか!? あなた様の幸運にあやかりたいのです!」

 仕事場に行けば、親方から、畏まった態度で呼び出された。

「ジャックよ……。お前は、もう、こんな埃っぽい場所で、石を叩いているような器ではあるまい。お前には、もっと、この国のために、大きなことをする使命があるはずだ。そうだ、今度、うちの娘に会ってはくれんか? いや、もちろん、お前の迷惑にならん範囲で、だが……」

 子供たちに至っては、もはや彼を、吟遊詩人が歌う英雄譚の主人公と、完全に同一視していた。

「ジャック様! この前、悪いゴブリンをやっつけたって、本当!?」

「ジャック様! 剣は使わないんですか!? 魔法は使えないんですか!?」

 ジャックは、その過剰すぎる期待と、事実からあまりにもかけ離れた評価の奔流に、ただただ、うんざりしていた。

 彼は、天を仰いだ。

(……俺は、ただ……。あの、妙な服着た、胡散臭い兄ちゃんに、道を教えただけなんだがなあ……)

 彼の、ささやかな善意は、民衆の熱狂的な想像力によって、本人の意思とは全く無関係に、巨大な物語へと変貌を遂げていたのだ。


 そして、その民衆が生み出した「物語」は、ついに、王宮の、賢王アルトリウス三世の耳にまで届くこととなった。

 宰相であるエドアルド・フォン・シュトライヒ伯爵は、執務室で王に、苦々しい表情で報告を上げていた。

「陛下。憂慮すべき事態にございます。現在、王都の市井において、石工のジャックなる一市民が、今回の奇跡のきっかけを作った人物として、半ば神格化されつつあります。このまま放置すれば、民衆の過剰な期待は、いずれ、制御不能な熱狂、あるいは失望へと変わり、かえって国の安寧を損なうやもしれませぬ。いかがいたしましょうか。早急に、衛兵をやって、この馬鹿げた噂を、鎮圧すべきかと……」

 だが、その深刻な報告を聞いたアルトリウス王の反応は、宰相の予想とは、全く異なるものだった。

 王は、玉座に深く腰掛けたまま、怒るでもなく、呆れるでもなく、ただ、その口元に、面白い玩具を見つけた子供のような、楽しげな笑みを浮かべていた。

「……ほう。石工のジャック、か。面白い。実に、面白いではないか、シュトライヒよ」

 王の、そのあまりにも意外な反応に、宰相は困惑の表情を浮かべた。

「は、はあ……。面白い、と、仰せられますと……?」

「うむ」

 王は、立ち上がると、窓辺へと歩み寄り、眼下に広がる王都の街並みを見下ろした。

 彼の頭脳は、宰相が憂慮するその「噂」の中に、全く別の、計り知れないほどの可能性を、瞬時に見抜いていた。

 これは、危険な熱狂などではない。

 これは、民衆が、自らの手で生み出した、生きた「物語」なのだ。そして、物語というものは、法や、軍隊よりも、遥かに強く、そして深く、人の心を支配する力を持つ。

 王は、ゆっくりと振り返った。その目は、怜悧な政治家の、深い深謀遠慮の光を宿していた。

「シュトライヒよ。そなたは、民を統べる上で、最も重要なものが何であるか、分かるか?」

「はっ。それは、法による秩序と、力による威信であると、心得ております」

「それも、無論、重要だ。だが、それだけでは、人の心までは縛れぬ。最も重要なもの、それは、皆が共有できる『物語』なのよ」

 王は、静かに語り始めた。

「建国の父祖の、英雄譚。悪しき竜を打ち倒した、騎士の伝説。そして、貧しい娘が、真実の愛によって王妃となる、おとぎ話。人々は、そのような物語を信じ、共有することで、一体感を持ち、自らの属する国や共同体に、誇りと愛情を抱くのだ。そして、その物語が、人々の『善き行い』を促すものであるならば、それは、どんな厳しい法律よりも、雄弁に、民を正しい道へと導くであろう」


 王は、再び窓の外に視線を戻した。

「考えてもみよ、シュトライヒ。この、石工のジャックの物語は、どうだ? 一人の、名もなき市民が、見返りを求めることなく、困っていた旅人に、ささやかな親切を施した。すると、その旅人が、実は大いなる力を持つ聖人であり、その親切にいたく感激し、この国に、計り知れないほどの恩恵をもたらしてくれた。……なんと、美しく、そして分かりやすい物語ではないか」

「……!」

 宰相は、王の言葉の、本当の意味に気づき、息を飲んだ。

「これは、民衆に示すための、最高の教訓となる。『善行は、巡り巡って、国全体に、そして自分自身に、幸福をもたらすのだ』と。この物語を利用すれば、旅人への施しを奨励し、街道の治安をさらに向上させ、我がグランベル王国の評判を、大陸中に高めることができる。これは、千の兵を増やすよりも、遥かに効果的な、国の守りとなるであろう」

 アルトリウス王は、ふっと笑った。

「よって、シュトライヒよ。その噂、打ち消すのではない。むしろ、逆だ。王家として、その物語を『公認』し、この国の、新たな神話として、王国全土に、大々的に広めるのだ」


 その、あまりにも大胆不敵な、王の決断に。

 宰相エドアルド・フォン・シュトライヒは、しばし呆然としていたが、やがて、その老獪な顔に、深い感服の表情を浮かべると、その場に深々とひざまずいた。

「……陛下……。その、あまりにも深く、そしてあまりにも巧みなご叡慮……。このシュトライヒ、感服のあまり、言葉もございません。謹んで、その御心のままに」


 その数日後。

 グランベル王国全土の、全ての街角の掲示板に、国王アルトリウス三世の御名において、一枚の、荘厳な布告が張り出された。


『聞きなさい、我が愛する全ての民よ。

 この度、我が国にもたらされた、かの奇跡の如き食の恩恵は、天の配剤であると同時に、王都に住まう、一人の誠実なる市民の、ささやかなる善行に端を発するものであることを、ここに布告する。

 その者の名は、石工のジャック。

 彼は、見返りを一切求めることなく、旅に迷い、困窮していた一人の旅人に、温かき手を差し伸べた。

 その旅人こそ、我らに奇跡をもたらした、大いなる恩人であったのだ。彼は、ジャックの、そして我がグランベルの民の、その心根の美しさに深く感銘を受け、この国に、大いなる恩恵をもたらすことを、決意されたのである。

 故に、民は皆、石工のジャックの、その高潔なる行いをお手本とし、旅人には親切に、困っている者には、慈悲の手を差し伸べるべし。

 その、一人一人の、小さく、しかし尊い善意こそが、やがては国全体を豊かにし、我ら全てに、幸福をもたらす礎となるであろう。

 グランベルの民よ、心優しき者であれ。ジャックの如く、あれ』


 この、王のお墨付きを得た布告は、民衆が生み出した噂話を、もはや誰も疑うことのできない、公式の「伝説」へと昇華させた。

 布告の文面は、吟遊詩人たちによって、美しいバラッドとなり、王国中の酒場で歌われた。子供たちのための、教訓的な芝居の題材となり、全ての親が、寝る前に、その物語を子供たちに語って聞かせた。

『ジャックと魔法のスパイス』。

 その物語は、瞬く間に、建国神話に次ぐほど、有名な国民的英雄譚となったのだ。

 そして、石工のジャックの名声は、絶対的なものとなった。

 彼は、もはやただの石工ではない。

 グランベル王国の「道徳の象徴」。

「親切の聖人」。

 人々は、彼を親しみを込めて、「聖ジャック」とさえ、呼ぶようになった。


 その頃、伝説の中心人物である「聖ジャック」本人は、もはや彼の聖地と化した『陽気な猪亭』の、いつもの隅の席で、頭を抱えていた。

 店は、今や「聖地巡礼」に訪れる、国内外からの客で、昼夜を問わず、ごった返している。誰もが、あの「聖ジャックの席」を遠巻きに眺め、彼に一杯奢らせてほしいと、亭主にひっきりなしに願い出ていた。

 亭主は、その度に「アイツは、そういうのを好かねえんだ」とぶっきらぼうに断っているが、その顔は、笑いが止まらないのを隠しきれていない。店の売り上げは、この数週間で、過去数年分を軽く上回っていた。

 ジャックの周りには、もはや友人たちでさえ、気安く近寄れなくなっていた。

 代わりに、彼の武勇伝(そのほとんどが、人々の想像力の産物である)を、勝手に大声で語る者や、彼のありがたいお言葉(ただの悪態であることが多い)を、羊皮紙に必死でメモしようとする、物好きな学者まで現れる始末。

「……おい、英雄様。いい加減、観念して、サインでも書いてやったらどうだ」

 カウンターの向こうから、親友であるはずの、熊のような亭主が、呆れた顔で声をかけてくる。

 ジャックは、その声に、恨めしそうに顔を上げると、今日、何度目か分からない、大きな、本当に大きな、魂の底からの溜め息をついた。


「……なんか、凄い事になってるなぁ……」


 彼は、自分とは全く関係のない場所で、勝手に作り上げられ、勝手に消費されていく、自分の巨大な「伝説」を、どこか他人事のように、そして完全に途方に暮れたように、見つめることしかできなかった。

 彼は、心の底から、思った。

 あの、奇妙な服を着た、胡散臭い、だが妙に度胸だけはあった旅人、ハジメにもう一度だけ会って、文句の一つでも、腹一杯言ってやりたい、と。

「おい、あんたのおかげで、俺の、あの、退屈で、平凡で、だけど最高に気楽だった日常は、完全に、どこかへ行っちまったじゃねえか、ちくしょうめ……!」

 その、誰にも届くことのない心の叫びは、酒場の喧騒の中に、虚しく溶けて消えていった。

 一人の男の、ささやかな善意が、王の深謀遠慮と、民衆の熱狂的な物語欲によって、本人の意思とは全く無関係に、巨大な神話へと変貌していく。

 その、あまりにも滑稽で、そしてあまりにも皮肉な物語の、本当の結末を、まだ誰も知る由もなかった。



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