第84話 茶色
数日が過ぎて殆どの乗組員が観光を終える。
まだ終わっていないのは私だけだろう。図書館に篭りっきりだったからね。
ああ、もう出発しないとね。
案内のエルフさんに4日後には出発すると告げると夕方に初めに会った身なりの良いエルフが訪ねてくる。
「次はどこに行くんだい」
「ええと、山脈を越えた向こう側ですかね」と答える。
「山脈の向こう側かい?」
「そうです」
「そうかそうか。では3人ほど連れて行ってくれないかい?」
「エルフを3人ですか?」
「そうだ」
「良いですがどうしてですか?」
「山脈の向こう側には昔に別れた同胞がいると言われているんだ。それを確かめたくてね。あの山脈は誰も越えたことが無いんだよ。遥か昔に一部の同胞がドラゴン達に連れられて山脈を越えて旅立ったとしか分かっていないんだ」
「そうですか・・分かりました。連れて行きましょう」それからエルフが3人現れて紹介される。リーダーのエルフでアミー。男だ。2人目は女のエルフでルー。3人目はウー。男だ。3人は弓を担いでいる。やはりエルフと言ったら弓ですね。
因みに身なりの良いエルフはマウーさん。族長補佐なんだとか。族長は現在瞑想中であと4年は出て来ないらしい。
年齢は聞けない。
出発の日となり飛空艦は飛び立つ。3人のエルフにはそれぞれ個室を用意した。食事についても話をして肉でも何でも良いそうだ。
山脈に向かって飛び高度を上げて行く。
どれくらいの高さの山なのだろうか。現在の高度は9000m越えている。結構な高度だが山頂は近くに見える。
寒そうな景色だ。空気も薄いのだろう。
その山頂を越えていく。
山頂を越えると広大な大地が見える。あちこちに都市が点在しているのが見える。
麓には大きな湖があり都市が見える。湖からは川が大陸に流れている。
麓の都市に行ってみようか。
湖上空へと移動して着水する。そこからは飛翔機で岸まで移動。
岸に着くとそこには兵士が多数槍を構えて包囲しようとしている。肌の色が茶色のエルフ?
「お前達は何者でアレは何だ!」と体格の良い肌が茶色のエルフ?が言う。
「アレは空を飛ぶ船である飛空艦。飛空艦で山脈を越えて来ました」
「何!山脈を越えてだと」
「はい」と答えた背後から声がかかる。
「同胞よ!古きに離れた同胞よ!私たちは会いたかった!」と涙を流すエルフのリーダーのアミー。
「エルフだと・・・。どうして・・まぁ良い。詳しいことが聞きたい。こちらに来て貰おうか」とその茶エルフを先頭に兵士に囲まれて都市の兵士詰所に入る。
「それで君らはどうしてここに?」
「エルフさん達は同行者ですが私たちは観光です」
「観光?」
「はい。観光です。今回同乗しているエルフさん達もエルフさんの国を訪問した事がきっかけで、ここまで来ています」そこで兵士はエルフを見る。
「エルフの方達は何故ここへ?」
「ええ、古より伝わる同胞に会いに来ました」
「そうですかこの件は私では手に余ります。今からここの領主を呼びます。それまで少しかかりますがお待ち下さい」と言い部屋を出ていく。
さてどうなりますか。エルフの肌の色の違いも気になりますね。
1時間ほど待つと身なりの良い茶エルフが部屋に入ってくる。その茶エルフはエルフを見ると目を見張り頭を振り目の前に座る。
「私はこの山脈監視都市群の領主を務めるアレクセイです。あなた達が湖に浮かぶ船で空を飛び山脈を越えて来た方達ですね」
「はい、そうです」
「あなた方は人種と獣人族でエルフも同行していると?」
「はい」
「ふむ、人種と獣人族の方が都市に入ることは問題ありません。勿論、入街料は払って貰う必要がありますが。ですがエルフは都市に入れる事は出来ません」
「何故?同胞ではないか!」とエルフは言うが、
「確かに昔は元は同じ種族だったと聞いていますが、私たちが山脈を越えてこちら側で暮らさなければならなかった訳をご存じないと?」
「私たちには伝えられていない!」
「では言いましょう。それは肌の色が違う我々を追い出したからですよ。ですのでエルフは都市に入れません。そもそもこの都市はエルフがこちらに来ないように見張るための都市です」
「そ、そんな馬鹿な!我々には古に分かれた同胞としか伝わっていない」
「都合の悪いことは伝えなかったのではないですか?私らの祖先はかなり厳しい思いをしてドラゴンとグリフォンに導かれて山脈を越えたと聞かされています」
「確かにドラゴンに乗って山脈を越えて行ったと伝えられていますが、我々が追い出したなどと」
「事実です」と厳しい目をしてエルフを見つめる。
お読みいただきありがとうございます。
投稿ミスでこの時間になりました。完結もしていません。
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