第十二話 出発
遅くなりました。
ストックは五話までしか出来なかった……。
一時間後にもう一話投稿する予定です
残りは一日一話ずつ投稿します。
無くなったら又溜めます
旅。
徒歩による旅。
馬に乗り旅をする。
馬車に乗り旅をする。
乗り合い馬車に乗り旅をする。
船に乗り旅をする。
飼いならした魔物に乗り旅をする。
治安の悪いこの世界において旅をする事は死と同義語だ。
少なくとも一般人にとっては。
環境の変化による体調の不調でも死ぬ。
飲み水を切らしても死ぬ。
食物を失っても死ぬ。
魔物に襲われても死ぬ。
賊に襲われても死ぬ。
だから旅をする者はよっぽど追い詰められた者が多い。
難民とか。
だが冒険者はそうではない。
鍛え上げたジョブの恩恵により体調を保つ。
飲み水が切れても、どうにかして得る知識がある。
食物は魔物を狩って食えば良い。
魔物が襲ってくれば撃退すれば良い。
賊に襲われれば返り討ちにすればいい。
しかし一般人に近い行商人はその限りではない。
故に護衛を雇う。
こうして商人は様々な物を仕入れ売りさばく。
だが少人数では危険度は高い。
故にキャラバンを形成し各地を回る。
商品を売買する為に。
だがそれでも危険な場所は存在する。
ククル村。
此処がそうだ。
まあ他にも危険な所は存在するが……。
しかし此処がトップクラスらしい。
僕はそんな所に住んでるのか……。(現実逃避)
帰らずの森にあるこの村に至る道は困難を極める。
難易度Sの森を越えなくても危険度は高い。
正規のルートの難易度はB。
熟練の冒険者達が複数のパーティーを組んで至れる場所なのだ。
故に此処の特産品はどこでも珍重される。
その為、危険を冒してまで来る商人は多い。
というか村まで崖とか上り坂が多く、通行が大変なのに感心します。
まあ何が言いたいかというと……。
旅を舐めるとヤバイと言う事だ。
少し違うかも……。
まあいい……。
旅よりククル村に住む方が危険だと言う人が居るがそれは横に置いとく。
気のせいだから。
本当に気のせいだから。
なんで村に住むだけで難易度Dなんだろうか?
よく僕死なないなあ……。(現実逃避中)
二日後のククル村の広場。
二日程時間を掛け僕は旅に必要な物資を揃えるべく動いた。
え?
他の孤児院のメンバー?
役に立ちませんが。
なにか?
いつも【転移】に頼りきりだったしね。
目的地の近くまで【転移】すればいい?
残念ながら【マーカー】がありません。
旅に慣れたシャルの言葉を聴き、ある程度の装備を整えました。
だけど商人の視点だけで装備を集める事に不安を感じ、どうすべきか考えました。
そこで酒場でお酒を飲んでる冒険者に旅で必要な物を聞くことにしました。
無論幻術で顔を変えてです。
冒険者に憧れる少年を演じて話しかけました。
そしたら色々と聞けました。
無料で。
無料って良いよね。(良い笑顔)
こうして複数の冒険者に装備の事を聞きそろえました。
それからシャルに頼み馬車と馬を用意してもらう。
「ふう……」
僕は目の前に有る馬車の中に積荷を入れ終える。
「ブルルルッ」
「ブルルウ」
「ヒンヒン」
「フ~」
「よしよし」
僕は甘えてくる黒い馬四頭に人参を与える。
「これで最後がな」
水の入った樽をクリスが馬車二台に入れてくれる。
「有難うございます」
「いいがな」
僕のお礼に手を振るクリス。
「それとカイルの提案どうり、ドラゴン達のマーキングは上手くいったみたいだがな」
「そうですか。では防壁の周りに撒きますか」
「村長と村人に説明して、もうシスターがやってるがな」
「そうですか」
実は以前から考えてた事です。
最大戦力である孤児院のメンバーの留守中、此の村の守りをどうするか考えてました。
魔物の大量発生とか。
そこで考え付いたのが犬のマーキング。
犬が縄張りを主張する為に電柱にオシッコをするアレである。
そこでアカ、ルージュ、クレナイ、シンク、エン達にトイレは別の場所でして貰ってました。
それを実験で帰らずの森のゴブリンの巣に撒いておいたのだ。
その結果はうまくいったらしい。
後は村の皆と村長にその効果を報告し、シスター達が村の防壁の周りに肥を撒いてくれたのだ。
まあ女の人に肥溜めを担がせるのは凄い抵抗があったんだが……。
幾らなんでも四才児が肥を担ぐのは無理があった。
そこでシスターと村人達に申し訳なく思いながら頼みました。
「あの子達の肥を撒いてくるの? 別にいいよ、いつもしてるし」
「いいぞ」
「神童の頼みだ、いいべ」
するとシスター達は簡単に了解してくれました。
気の毒だ……。
まっ…まあ~~いつも家庭菜園で撒いているし……。
本人も言いといってるし……。(目を逸らす)
匂うけど……。
新感覚ヒロイン。
肥を撒く先代魔王様。
……新感覚ヒロインなのかこれ?
……酷い話しだ。
「腐っ……カイルに【マーカー】の設置は済んだよ」
「有難うございます。サキ姉さん」
「お礼は体で払って…げ腐っ!」
「下品なのは禁止なの」
サキ姉さんがなにか言ってたがそれを途中でサラが木の枝で叩き突っ込む。
クリスがなにやら言いたげだったが黙る。
うん。
流石に止めなかったら僕の貞操の危機だしね。
というか何故僕を【マーカー】にするのか?
簡単な話だがこのまま馬車で帰らずの森を突っ切ると数日掛かる。
そこでまずドラゴン達に帰らずの森の外まで僕たちを運んでもらう。
そこに【マーカー】を付けた僕めがけて馬車を【広範囲転移】で転移させる。
そこから目的地付近まで馬車で移動。
最後は相手の注文であるドラゴンに乗って帝都まで移動するからだ。
帰りもね。
えっ?
そのままドラゴン達に乗っていけ?
否。
ドラゴン達に乗っての移動は論外。
持っていける物資に限りがあるしね。
それに防寒具を着込むとはいえまだ寒いし。
えっ?
【環境適応】の魔術を使えばいい?
残念ながらエンが持っていた知識にそれはありません。
なので今回は短距離のみの飛行となります。
「本当に~~この駄目姉はっ……」
「サラ、畑の管理は依頼出来ましたか?」
木の枝を持ってるサラに質問する僕。
「冒険者ギルドに頼んできたの。費用はこれぐらいだそうなの」
そう言って僕に請求書を渡す。
……まあ妥当かな。
たかが畑の管理ぐらい冒険者ギルドに依頼を出すなよ。
と言う人が居るが考えて欲しい。
この村は住むだけで難易度Dなのだ。
そんな中で村を自由に歩けられる者は限られてる。
村の者か冒険者。
よって村の者は論外。
昔なら兎も角。
今は村の者全員が仕事を持ってる。
主に僕の所為で。
昔なら小銅貨五枚で仕事させてたのに……。
そこで村の冒険者ギルドで待機してる者に依頼した。
ギルドで待機と聞えはいいが実際には違う。
その大半が村に来れたのは良いがそのまま村から出られなくなった者達だ。
理由は様々。
体を故障した者。
実力に合わず無理して来た為、外に出られなくなった者。
装備が破損して代わりの物が手に入らない者など。
無論ギルドというか僕は救済措置をとってる。
体を故障した者は僧侶のジョブの持ち主が格安で治療できるサービス。
実力が無い者はギルドの手配で強い人が指導してくれる。
装備が無い者は格安のローンで装備を提供などなど……。
これだけの救済処置をしても駄目な者は居る。
心が折れた者だ。
凶悪な魔物が跋扈する道。
魔物が徘徊する村。
そして僕のような魔物を易々と退治する子供。
……特に最後はキツイだろう……。
自分の今までの努力を否定されるようなものなんだから……。
そのまま放置すればろくでもない未来が予想できたのでこれも救済しておいた。
今回のように適当な雑用を押し付けて。
そこへ現れる五人の人化したドラゴン達。
「御主人様~言われた通りしてきました~」
アカが陽気に僕に笑いかける。
「ZZZZ~」
寝ながら歩いて来るルージュ。
足元が千鳥足である。
「……」
無表情のクレナイ。
「ふう」
首を振るシンク。
「ブイッ」
エンはと言うと二本の指を立ててピースをしていた。
五人は僕の言いつけで帰らずの森の魔物を適度に間引きして貰った。
ああ~~五人が着ているゴスロリが凄い良い。
黒を基本とし沢山のフリル付いたやつです。
これは僕が趣味全開で作った物です。
はふっ~~。
うっとり……。
孤児院の他のメンバーは似合わないからな。
特にクリス。
ガシッ。
何故か行き成り頭をクリスから掴まれた。
「あのうっ~~何をやってるんですか? クリス」
頭部に掛かる痛みを堪えつつクリスに言う。
「すまないがな。何故か急に腹立ったから手が出た。不思議だがな」
「気のせいです」
「そうか? 俺の悪口を何か考えてなかったか?」
ギリギリ。
「気っ……気のせいです」
「そうかっ……」
僕の頭部を握った手が離れる。
こえええええええええええっ!
心を読まれたのかと思ったよ。
そんなやり取りをしてたらシスターが歩いてくる。
「私も準備は終ったよ」
「有難うございます。さて行きますか」
こうして僕は帝都に向け出発した。
ううっ……痛かった。
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