第七十七話 釘
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「う~~ん」
僕は全身を伸ばし疲れた体をほぐす。
元気な四才児とは言え疲れた。
まあ主にこれは精神的なものだが。
全くなんで僕がこんな事をしなくてはならない。
「お疲れ様です。お肩を揉みましょうか?」
「すみませんお願いします。新月」
「では……」
やんわりと僕の肩を揉んでくれる新月。
少しづつ癒されていく疲れから僕は気を抜き思考を放棄する。
何かすっかり裏方の仕事を僕が担当するようになったなあ~~。
僕は視線の先の油絵を見ながらそう考える。
まあ仕方ないか。
ククル村と皆の為だ。
机の上に有る小皿から菓子を一つ摘み頬張る。
途端に口の中で広がる甘み。
疲れが癒される。
新月達はやはり役に立つな~~。
此処まで情報を集められるなんて。
本当に優秀。
とはいえ僕達は今回剣王様に良い様に使われてるね。
良い人と思っていたんだが……。
ククル村の諜報能力を測る為にこの件を頼んだんだろうな。
今回のこの件は……。
場合によっては此方を利用するために。
あるいは僕に害を成す為に。
キキとキルを利用して。
ああ嫌だ。
女の人を悪く思うのは。
だけど以前、客観的に剣王様達を調べた時の評価は実は悪いんだよね~~。
それはククル村が襲撃を受けた時の事だ。
あれに剣王が関わっていたみたいだ。
証拠が無いで気のせいだと思ったけど……。
いいや違う。
そう思いたかったのだ。
僕が……。
我ながら甘いと思う。
だけど此ればかりは性分だし仕方ない。
だけど……はああ~~。
敵対したくないな。
「頭領」
「おおうっ!」
そんな事を考えていた時だ。
行き成り頭に柔らかい感触がした。
そして女性特有の甘い香りも。
「あまり無理しないで下さい」
「でもね~~」
「私達も出来ることは手伝いしますから……」
新月の心配する声に僕は我に帰る。
「うん。心配させて御免」
「はい」
なら少し釘を刺さなければいけないね。
剣王に。
「まあ、今回は剣王様の思惑に乗って差し上げましょう」
但し此方が不利になるような事はしないが。
「はい?」
「いえ、気にしないで下さい」
「はあ」
とは言えやはり釘は刺しておかないとね。
今後も良い様に使われるのは嫌だしね。
根は良い人だけど剣王は……。
本当に。
だからこそ釘を刺す程度で済ませておかないと。
本当にね。
でないと暗殺する羽目になる。
だから調子に乗るなよ。
剣王達よ。
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