第九十一話 くじ
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十分後。
「やったがなっ! サキ姉さんと一緒だ」
「腐……」
ガッツポーズを取るクリスを微笑ましく見るサキ姉さん。
何か良いなあ。
「シスター的にはイカサマして他の誰か一緒になれば良かった……」
「駄目駄目シスターそれくじ引きの意味が無いの」
「そうだね」
シスターの発言に頭を抱えるサラ。
僕も同意見です。
「「「「「わーい」」」」」
「こんなもんでっしゃろ」
意味も分からずくじを握って走り回るドラゴン達。
自分のくじを見て溜息を付くシャル。
「うわ~~」
「どうしたのセリスちゃん」
「ううん何でもないマリ姉さん担当場所が遠かったの」
頭に手を当て嘆くセリス。
それを心配するマリさん。
相変わらず仲が良いですね二人共。
「こんな物なの~なの」
「なのなの」
キキとキルはくじを見て肩を竦める。
「弓兵のジョブは持ってないので意味が無いでっしゃろ」
「まあまあ」
嘆くシャルを新月は宥める。
クリスにサキ姉さんそれにシスターやサラはくじ引きの結果に一喜一憂している。
五人のドラゴン達は楽しそうに騒いでいた。
落ち込むセリスを慰めるマリさん。
キキとキルはくじ引きの結果に平然としていた。
シャルは自分が弓兵のジョブを持ってないのでぼやく。
其れを宥める新月。
まあ見た感じそんなですね。
「さて本命を引きましょうか」
新月はそう言いながらくじ引きを再び出す。
但し三本のみ。
「本命? もう既に全員くじ引きを引いたみたいですけど?」
「肝心な人が一人まだです」
僕の言葉に新月は首を振る。
はて?
人数に対してくじの数が合わないんだけど?
ああっ!
温泉の場所かっ!
「でも誰を?」
「はいどうぞ」
くじ引きを僕に差し出す新月。
「つまり僕?」
「……」
コクリ。
僕の言葉に頷く新月。
……。
………。
え――。
ダラダラ。
僕の脇の下から冷や汗が出るのが分かる。
チラリとくじを再び見る僕。
……さて……。
ダッ!
咄嗟に竜兵士のジョブを変更し窓の方に走る。
見よっ!
以前と違うこの加速能力。
ふはははははっははははははあはははっ!
戦略的撤退っ!
こんな時の為に窓は中から開けられるようにしてるんだよっ!
しかも窓は動物のサイが突っ込んでも壊れない保障付きっ!
誰が保障したかは突っ込まないでくれっ!
「さらばだっ!」
ガシッ!
窓に向けて全力で逃走しようとした時の事だ。
誰かに肩を捕まれました。
「甘いがな」
「なあああああああああああああああっ!」
「この間より速くなったがな」
「嘘おおおおおおっ! 僕はあの時よりレベルが上がってるのにっ!」
「そうかながな? レベル上がったかあ?」
首を捻るクリス。
※ レベル差が酷くて分からないだけです。
「離してっ! 離してっ! クリスッ!」
「先程のお詫びに背中を流すがな」
「遠慮しますっ!」
僕は全力で逃げ出そうとするがビクともしない。
クリスとのレベル差が此処まで酷いとはっ!
泣けてくるっ!
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