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八歳で死ぬと予言されたそうで。 - 八歳で死ぬと予言されたそうで。18
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八歳で死ぬと予言されたそうで。18

「ねぇシス、予言当てゲームを始めているみたいだけど、随分際どい発言をしているね。どうして?」


 ここは自分が尋ねるべきか、と唖然としている皆を代表してロディがテネシスに声を掛ける。テネシスがチャレンジャー精神を発揮しているとはいえ、猫を被るのが得意な妹が王子を煽る理由が思いつかない。


「えっだって、それくらいのことを予言されてないとここまで落ち込まないかなぁって。例えば、今日から一ヶ月ずっと雨って予言されたとする。すごく大変だし、作物がダメになるとか川が氾濫するとかあるだろうけど、こんなに落ち込む? それより国王陛下に予言を伝えて対策する方が良いと思うの」


 ロディに説明するテネシス。

 国王も王妃も二人の王子も公爵夫妻も、確かに、と納得する。


「それが無いならよっぽどのことを予言されたって思うじゃない。第二王子殿下が第一王子殿下を大好きだからって、予言者には関係ないでしょう。だって予言なんだから」


 ジョシュは再びポカンと口を開けた。

 冷静に考えてみればその通りである。ジョシュがどれだけアッシュを好きでも予言者は予言を伝えるだけで、ジョシュがそんな予言を受けたとしてもおかしくない。

 それには国王も王妃もアッシュも「確かに」と納得してしまう。これだけ落ち込んでいたからには、それくらい大ごとであるわけだ。

 ジョシュ自身、自分が落ち込むだけで周囲に相談していないことが相当な予言だと示している可能性に気付かなかった。


 例えば、第二王子であるから、他国に婿入りするとか自国の有力貴族と結婚するのが王家の為になる。だから、婚約者が出来ず一生独身という予言をされれば、これだけ落ち込んでもおかしくない。

 例えば、第一王子殿下を失脚させて自分が王太子の位に着くという予言を受けたとしたら、兄が大好きな自分はこれだけ落ち込むだろう。


 目の前の少女は、そんな可能性のある予言をされたのではないか、と考えただけ。


 何も王子二人を馬鹿にしたわけじゃない。

 それに気づいたジョシュは、ハッとして打ち明ける。


「い、いや、そのような予言ではなく、私自身の予言で。私は十五歳で死ぬと予言されたんだ」


「なぁんだぁ、そんなことかぁ」


 そんなこと?

 なんて失礼な少女だ! 賢いのかもしれないが、十五歳までしか生きられないと予言された自分が落ち込んでもおかしくないのに、心配して損した、とでも言うような口振り。


「そんなこととはなんだ!」


 自分の命をなんだと思っているのか、失礼な娘だ、という気持ちで。

 ジョシュがまたも声を荒げると、テネシスは首を傾げて何を怒っているのか、という顔をしている。


「えっだって、そんなこと、じゃない? だって、十五歳で死ぬことが予言なら、それまでは生きていることは確定だもの。落ち込んでないで、十五歳までは好きなことをすればいいんじゃないかな!」


 ジョシュはテネシスの言葉に「は?」と何度目かのポカンとした顔を見せた。


「は? じゃなくて。好きなこと! なにかしたいことある? 牢屋に一晩一人で寝るとか? それとも城の外壁を登って一番上まで行くとか? それとも城の廊下を端から端まで駆けっこするとか?」


 アグレッシブさは王族の前でも変わらないテネシスは、何かしたいこと、として挙げた例えは絶対令嬢の発想ではない。


「いや、待て。牢屋に一晩一人で寝るとはなんだ。あんなところで眠れるわけないだろ!」


 ジョシュは既にテネシスのペースに巻き込まれて、登場したときは悲壮感満載な姿だったのが幻のように、思い切り突っ込んでいる。


「おー、第二王子殿下は牢屋を見たことがあるんだ。あんなところと言うからには、見たことがないとね! それとも入ったことがあるの?」


 だから、食いつくところはそこじゃない。


 ロディは最早止めることも出来ないまま暴走するテネシスを半笑いで見守る。どころか、再び執事の嘆きの幻聴を聞いている。


「入ったことは無い! だが見たことはあるぞ!」


 さっきまでの落ち込みぶりはどこ行った、とばかりにテネシスのペースに乗せられ、ふんぞり返るジョシュ。まぁ子どもなのだから乗せられやすいのかもしれない。

 多分、牢屋を見たことがある、と言ったら尊敬の眼差しでテネシスに見られていることが心地よいのだろう。胸を張っている。さておき。


「おおっ! 第二王子殿下、すごいね! 見たことはあるなんて! じゃあ城の外壁を登って一番上まで行くことは?」


 テネシスのそんな質問にジョシュは首を振る。


「いや、さすがにそんなことは出来ないだろう」


「えっなんで?」


 テネシスが驚いたような顔をする。出来ないというのが分からない、という顔だ。


「いや、外壁を登るなんて考えたことは無いし、落ちたら死ぬぞ」


 正論である。

 城の外壁を登るなんて考えは、泥棒くらいなものではないのか。尤も泥棒は登ったが最後、捕らえられるだろうが。


「えっ、死なないよ! だって第二王子殿下は十五歳で死ぬんでしょう? だったら十五歳までは何をしても死なないから大丈夫っ! 毒を飲んでも死なないし、病気になっても死なないよ!」


 このトンデモ理論を聞かされた張本人のジョシュだけでなく、ずうっとアグレッシブなことを聞かされ続けた国王夫妻も第一王子も、公爵夫妻もとうとうポカンとした顔を曝け出した。


 気持ちは分かる。


 ロディは張り切ってやらかしまくっている妹を止めることが出来ない。


 顔に表情を浮かべることは、王族として足元を掬われないようにするためにも有ってはならないことなのに。表情に曝け出しまくっている王族とついでに両親に同情した。

お読みいただきまして、ありがとうございました。

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