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冷たい仮面を被り、悪役令嬢と呼ばれた私が国王陛下になぜか気に入られました - 62 これは仕事
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62 これは仕事

書庫の薄明かりの中、陛下は静かに机を挟んで立っていた。書類を差し出す手は穏やかだが、視線の奥に含まれる熱は隠せない。


「ここは、君の判断に任せよう」


 陛下の声が低く響く。近くに立つと、香る香水と温かさが混ざって、思わず息を止める。


「……承知しました」


 答えながらも、心は早鐘を打つ。理性で「これは仕事」と自分に言い聞かせる。でも嫌じゃないとと思ってしまうのは……


 陛下は手元の書類を置くと、軽く身を乗り出して距離を縮める。視線はじっと私を捉え、唇の端には微かな笑みが浮かんでいた。

「君がこうして誠実に働く姿を見ると、つい甘やかしたくなるな」


 その一言に、体の奥から熱が湧き上がる。冷静を装おうとしても、心の中で理性が小さく叫ぶ——「ああ、これはもう、仕事だけじゃない」


 陛下の視線が私の手元から顔へと移る。触れようか触れまいかのぎりぎりの距離。


「……陛下」


 思わず声が震える。


「安心せよ、急には何もしない」


 その言葉には含みがある。理性では「業務だ」と理解しても、胸は抑えきれない。


 蝋燭の炎が揺れる中、机を挟んだ距離は微かに縮まり、言葉の裏に甘い揶揄と確かな想いが漂う。視線を落とすことで心を守ろうとするが、熱が頬を染め、理性と感情のせめぎ合いはさらに深まった。

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