Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
Haphazard Fantasy ~エイルの不思議な冒険~ - 殺意に身を委ねて
[go: Go Back, main page]

表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Haphazard Fantasy ~エイルの不思議な冒険~  作者: 加藤大樹
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/192

殺意に身を委ねて

 エイルがゆっくりと剣を引き抜いた。

 少年は今から、生まれて初めて、殺しに手を染めることになる。


 ――これは訓練とは違う。


 エイルの瞳に明確な殺意が宿るのを、父親は確かに目撃した。


 僕は、今から、あの鹿を殺す。


 唇を噛み締めて、剣を握る両手の力を強めて、少年は殺意を高めていく。

 エイルの覚悟は十分だ。


 だが、問題がひとつある。

 少年と鹿までの距離が開きすぎだ。この距離は、エイルの間合いではない。

 今のままでは、未熟な体のエイルの足では、絶対に間に合わない。


(もっと、もっと、近づかないと……!)


 どうする、エイル?

 父親が息子を見守っている。


 エイルは、いったん、剣を握る両手を解いた。そして、空いた片方の手を鹿に合わせて、狙いを定める。

 すると、少年の手の内に、見えない何かの力が、音を立てずに収束していく。

 その力は、視る力を鍛えている者が見れば一目瞭然――少年の手に、輝く気力が収束しているのがわかるだろう。


 少年の手中で気力が輝いている。

 青く輝くその力は、自然界における水を内包している。


 ――これなら、いける!


 エイルは、水の魔法を鹿に向けて放った。

 大量の水が彼の手から放出される。それは、あたりの木々を濡らしながら、小さな洪水となって、鹿に降り注いだ。


 情動を主な原動力として、超常現象を起こすこと。

 人々は、それを魔法と呼ぶ。


 驚いた鹿は、慌てて水流から逃れようとする。

 エイル程度の魔法なら、抵抗は容易だろう。

 だが――。


「逃がさない!!」


 エイルが叫んだ。水流を発した手をぎゅっと強く握り締める。

 すると、エイルが生み出した水が、輝きを放った。

 白色に輝くその力は、自然界における氷を内包している。


 全身を水で濡らした鹿は、魔法の力で、氷の鎧に閉じ込められてしまった。

 鎧は不完全で、隙間だらけだが、獲物の動きを封じるには十分だ。


「今だ!!」


 エイルの両足が、気力に包まれて輝いた。

 赤色に輝くその力は、自然界における火を内包している。


 エイルは、両足にぐっと力を込めると、全力で駆けた。

 火の魔法を纏う少年の足は、滑りそうな氷の地面を踏み砕いて、ぐんぐんと鹿へ迫っていく。


(――間合いだ!!)

 父親と息子が同時に確信する。


 エイルの華麗な一振りは、氷の鎧の隙間を縫って、鹿の首を滑らかに切断した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんにちは!Xではみかん、こちらではしらつゆとして活動しているものです! とりあえずここまで読んだ感想を送らせて頂きます。 まず、とても家庭の温かさが伝わりほっこりする話だなと思いました。それによ…
エイルはもう魔法が使えるのじゃな!凄いのじゃ!そしてまだ若いのに鹿を仕留められたのじゃな。もう狩りに対しても1人前の大人なのかもしれんのう!エイルの才能かもしれんのう!面白いのじゃ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ