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竜亡き星のルシェ・ネル - 第036話 第一部キャラクター紹介・用語集
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竜亡き星のルシェ・ネル  作者: 不手折家
第三章 枢機の都、ヴァラデウム
36/79

第036話 第一部キャラクター紹介・用語集

 容赦ないネタバレを含むので、必ず第一部を読み終わってから閲覧してください

 第一部を未読の方は読む必要はありません。


 全部読んでもいいし、第二部を読みながら不明な単語が出てきたら戻ってきて検索をかける、という使い方でもいいと思います。

 ■主要キャラクター


 ・イーリ・サリー・ネル


 世界最高の魔術師の一人であり、ルシェの魔術の師匠。政治家。


 かつてミールーン共和国(後述)の全樹会議基幹長(首相職)であったが、母なる大樹(イルミンスール)を枯らした責任を取らされ辞任した。

 その後、異世界から最強の存在を喚び出し魔王に対抗するため、別荘を購入して研究に没頭する。しかし、現れたのは何の能力ももたない少年だった。

 召喚の際の事故により、魔法を使うと死んでしまう体になる。


 別荘にて一年間、少年に知識を授け育てるが、魔族に居場所を知られ襲撃を受けた。

 別荘での暮らしが壊れたあとは、クシュヴィの森(後述)に戻る。


 ・ゲオルグ・オーウェイン


 世界最強の剣士であり、ルシェの剣術の師匠。

 かつて剣神(後述)と戦い聖剣を賜った剣聖。


 剣神に勝つことを目標にして激しい修行をし、数限りない戦争に参加し己を鍛え上げた。

 しかし剣神はゲオルグと戦って少ししてから姿を表すことを辞め、待ち望んだ再戦は叶うことなく歳を取っていった。

 その間、魔王と戦って勝ったりと世界最強と目されるに相応しい殊勲を挙げるが、ゲオルグの目標はあくまで剣神に勝つことだった。


 四十代後半となり、どうしようもない身体の衰えを感じはじめ、次第に剣神と再戦することを望まなくなる。

 そのとき魔王と戦ったときの戦友であるイーリ・サリー・ネルに呼び出され、召喚した最強の存在が制御不能になった際に戦う役目を請け負う。

 しかし出てきたのは、何の能力ももたない少年だった。


 別荘にて一年間、少年を鍛え上げ剣技を教えるが、魔族に居場所を知られ襲撃を受ける。

 襲撃の際の戦いで死亡し、三人に看取られながら死亡する。


 ・ルシェ・ネル


 日本で劣悪な生活を強いられていた、とても頭の良い少年。

 父親を知らず、母親には育児放棄ののち施設に入れられるが、頑張って奨学金を得て私立中学に通っていた。

 そこで召喚され、異世界に落とされる。最初は帰りたがっていたが、元の生活に大した未練もなかったので、すぐに環境を受け入れた。


 一年間、イーリとゲオルグに教えを受け、剣士としての力量と魔術師としての能力を手に入れた。

 現在の目標は、イーリ・サリー・ネルの体を治療することである。


 ・ネイ・ネル


 イーリの養女。元々はイーリの親友の子どもだったが、親友が戦争で死亡したためにイーリに引き取られる。

 母親であるネリスは、霊能という特殊な素養が必要な、霊侵術(サイコマンシー)という洗脳術を使う職業についていた。血を分けた娘である彼女にも、高い霊能が備わっている。

 三人と一年間暮らす。ゲオルグに密かな恋心を抱いていたが、襲撃により全てが壊れてしまった。


 ■それ以外のキャラクター


 ・アリシア・ラクレン


 四人が住んでいた別荘の麓の村に住んでいた少女。酒場の娘。

 別荘のお手伝いさんとして雇われる。ルシェに恋をして一緒にお風呂に入ったりした。


 しかし襲撃の際に魔族に尋問を受け、あまりの恐怖に四人の住む別荘のことを教えてしまう。

 助けに来たルシェにそれを聞かれてしまい、失恋に終わってしまった。


 ・ディー・ド・バルザック


 魔族の男で、別荘襲撃を指揮する。

 人間界で手に入れた聖剣を持っており、ゲオルグと決闘し敗北する寸前、仲間に攻撃を指示して卑怯な勝ちを収める。

 その後のルシェとの戦いに敗北し、死亡。


 ・剣神


 世界を放浪している神族(後述)。強いやつがいると情報を得ると戦いにいき、よい戦いをすると剣をくれる。

 その剣は例外なく、現代の技術では再現不可能なほど高性能な魔法剣であり、それを賜った剣士のことを剣聖という。


 聖剣はあくまで戦った本人に対しての報奨なので、血縁であっても譲渡・相続は認めない。

 当人が所有していない聖剣を見つけると、回収しにくる。その際にはどんな言い訳や弁明も認めず、返却を拒めば実力行使で奪ってゆく。


 現在は行方不明。


 ・山神


 ミールーンに数年おきに訪問していた神族。

 迫害される民であったルーミ族にミールーンの土地を与え、母なる大樹(イルミンスール)の苗を植えた本人。そのため、滞在中は国父として歓待を受けた。

 しかし、一週間ほど滞在すると必ずまた流浪の旅に戻った。


 ミールーン滞在は平均五年おきに行われていたが、物語開始時点の二十三年前を最後に訪問はぷつりと途絶え、現在は行方不明。


 ■国名・用語集


 ・ミールーン共和国


 人間の棲む領域と、魔族が統べる魔領の境界に存在していた国。

 母なる大樹(イルミンスール)という巨大な木に寄り添うようにして住んでいた。

 神族が育てたという母なる大樹(イルミンスール)には莫大な魔力を溜め込む性質があり、それを攻撃に利用することが可能で、長年陥落不可能とされてきた。


 実のところ、母なる大樹(イルミンスール)は山神という神族による定期的なメンテナンスが必要であり、山神が来なくなると使用が不可能であった。

 魔族との戦争時、当時の首相、イーリ・サリー・ネルがどうにか使えるようにしたが、出力の調整が効かず全ての魔力を放出してしまい、枯れてしまう。


 魔族が再度侵攻を始めたときには、防衛を母なる大樹(イルミンスール)に頼り切りであったミールーンに侵攻を防ぐ術はなかった。

 陥落し、国民は現在大陸西部のクシュヴィの森に暫定政権を作り住んでいる。


 ・クシュヴィの森


 魔族による再侵攻を予感していたイーリによって購入され、国民の避難先として使えるよう準備されていた広大な森林地帯。

 大陸の西部に存在し、ほとんど開発されないまま放置されていた。


 ・枢機の都ヴァラデウム


 魔術研究の中枢を担う都市国家。

 イーリ・サリー・ネルが過去に留学していた。


 ・神族


 世界中を放浪している不老の種族。一体なにが目的なのか分からない。

 見た目は人間とまったく変わらない。ただ世界中をほっつきあるって、好きなことをしている。


 有名な個体は剣神、山神など名前をつけられて呼ばれている。


 ・ルーミ族


 いわゆる一般的な人間より長命な種族で、人類の一種とみなされている。

 平均寿命は120歳くらいで、同年齢の人間より若く見える。


 ルーミ族の特性は完全に母系遺伝する。人間の父親との子どもは必ずルーミ族になり、人間の母親との子どもは必ず人間になる。(いわゆるハーフというものは存在しない)

 生殖欲求に乏しく、ルーミ族だけで生きていると少子化が進みいずれは絶えてしまう。そのため、ミールーンでは人間族とのお見合い結婚が政策として推進されていた。


 ・魔族


 魔領に住むものたちのこと。

 魔族の特性も、完全に母系遺伝する。そのため、魔族の男性が人間と交配した場合は、生まれてくるのは人間である。


 ・魔獣


 人間に対して特に敵意を向け、魔族に対しては攻撃性を失う特殊な動物のこと。

 魔領には魔獣が蔓延っているため、人間が領域を取り戻し支配を続けるのは困難をきわめる。


 ・魔王


 魔族の中から稀に生まれる、超越的な魔力を備えた個体のこと。

 ほぼ全ての魔族は魔王に従う本能を持っている。

 誕生すると人間の領域への侵攻が始まるのが歴史上の一つのパターンとなっている。(魔王禍)


 しかし、人間界と魔領の境界には、北方にミールーンが存在しており、ミールーンを無視して人間界に攻め入るとミールーン側が手薄になってしまうため、どんなに優れた魔王であっても人間界に深く攻め込むことはできないでいた。


 寿命はルーミ人並と言われており、何百年も生きるわけではない。

 誕生すると厄介だが、魔王が存在しない魔王不在期のほうがずっと長い。魔王が二人いる時代も過去にはあった。


 ■些細な用語集


・星竜


 星の魔力を統括する竜。全ての惑星・恒星に一匹ずつ存在する。

 体は魔力素の塊でできていて、星の魔力を還流させている超越的な存在。


 宇宙には星竜を蝕むウイルスのような存在があり、それらは隕石の形をとってやってくる。

 星竜にもそれに対抗する免疫のような仕組みがあるが、大きな隕石塊が地表に落着し、地中深く潜り込むと、感染が広がり死亡することがある。


 星竜が死亡すると、星の魔力は腐ってしまい利用不可能な状態になる。

 現在われわれが住んでいる太陽系の星は、全てその状態にある。つまり、全滅状態である。


 星の魔力は星竜によって一定に整えられた状態(恒常性(ホメオスタシス))にあるため、その星で生まれた魔力素以外の魔力がやってくると、星外に排斥しようとする力がはたらく。


・竜人


 星鱗を飲み不老となった人間、あるいは魔族のこと。

 極めて高い戦闘能力を持ち、現在の人間や魔族では太刀打ちができない。完全に変化した竜人を殺すのは、いかなる国家にも不可能である。


 星鱗は高価ではあるが流通しているので、人間は誰でも竜人になれる。

 星鱗を飲んで変化が始まると、どんな傷や病気もたちどころに治るので、最後の頼みの綱となっている。


 しかし、飲むと数日で理性を失いはじめ、最終的には星竜に精神的にも肉体的にも隷属する奴隷のような存在となる。

 寒さや熱さを感じず、傷を負うこともないので、徐々に服を着ることもなくなる。

 その精神性は、自然界に奉仕する気高い野生動物のような性格である。人間とコミュニケーションを取ることもなくなるので、竜人を戦争に利用したりすることは、いかなる意味でも不可能である。

(星にとっての免疫抗体)


 普段は、基本的に人里を避け森や荒野で暮らしている。

 完全に変化した竜人の肉体は魔力の塊となっていて、人間と組成がまるで異なる。密度を高めるため、竜人同士共食いをすることがある。その行為があるため、人間の世で星鱗を飲みたがる人は後を絶たないが、竜人の個体数は多くはならない。


・霊体


 肉体的な体に重なるようにして存在する、魔力素でできた構造体。クオリアの根源であり、人格を司る。

 霊体を構成するフレームとなる魔力素は生涯変わらないため、星外の存在であるルシェの霊体は単体では星外に弾き出される。

 ただ、その力は弱いので、魔力素を溜め込んだ状態では星に引っ張られる力が勝り、動かない。

 また、霊体のみの存在にならなければ、肉体とくっついていることで動かないでいられる。


・亜竜


 星の上を闊歩している星竜の眷属。

 例外なく強力な存在であるが、討伐することは可能なレベル。

 亜竜の素材は最高級の付呪具(後述)になるため、高値で取引されている。魔導工房にとって、亜竜の死体は宝物の塊のようなものである。


屍傀亜竜(しかいありゅう)


 死亡し、魔族によって操られることになった亜竜。

 腐らない。


・付呪具


 魔力を流すことで魔法を再現する道具。

 その中に組み込まれた再現するための回路を、魔導回路という。


 魔導回路には魔力を伝導する特殊なインク(魔導インク)が必要であり、鉱物や植物、魔族の体の一部など、様々な材料が用いられる。

 その中でも最も重要な素材は星鱗である。

 星竜は、竜の島と呼ばれる離島に鎮座していて、まったく動かない。その周りには、星竜の代謝によって剥がれ落ちた鱗があり、それを星鱗という。

 星鱗の回収とその方法は、大きな魔導工房によって独占・秘匿されている。


・杖、魔法剣、付呪装。


 戦闘に使われる、破壊的あるいは戦闘で役立つ現象を発生させる付呪具のこと。


 杖・・・主に遠距離攻撃用の付呪具である。短さや大小は様々だが、ほとんどの杖は細く短い棒のような形をしている。

 魔法剣・・・剣士が扱う付呪具で、剣に杖の機能を一体化させたものが多い。導魔力性の特殊金属が鋼とともに折り重ねて鍛えられており、魔力を通すと極めて強靭となる。

 付呪装・・・主に戦闘中の加速などに使われる、杖や魔法剣以外の装備。靴に仕込んで反発を高めたりする。


 これらの付呪具は、戦いながら使うため重く取り回しの悪いものでは使い物にならない。そのため、軽量化が非常に重要であり、軽量化と高性能化を両立するには極めて貴重な素材を使った魔導インクが必要となる。

 つまり、高価。


・剣士


 この世界の剣士は、杖、魔法剣、付呪装を多用しながら戦う。

 高速移動と遠隔攻撃を伴うため、使用する武器は槍などではなく、取り回しのよい剣が主流である。


・現在までに登場した聖剣


 ゲオルグの聖剣:普段はなにも斬れないが、魔力を通した瞬間、ありとあらゆる物体を切断できるようになる剣。ただそれだけの機能しかない。現在、ルシェ・ネル所有。


 バルザックの聖剣:水銀のような液体金属を刀身にした剣。刀身を様々な形に変形させながら戦うことができるが、操作が非常に難解で扱いづらいという欠点があった。バルザックは、普段は慣れた剣の形で使いながら、弾丸のような速度で曲げ伸ばしする機能だけを使っていた。戦闘により、液体金属に不可逆の変形が起こってしまったため、使用不可能。現在、ルシェ・ネルが柄だけを所有している。


・魔法と魔術、魔導


 魔力を扱って現象を起こす方法を魔法という。

 その中で、付呪具では再現できない難しい魔法のことを魔術という。

 魔術は魔法の一部である。(魔術⊂魔法)

 魔法と魔導はほぼ同じ意味だが、魔導は区別されがちな魔法と魔術を包括して呼ぶ際に使われる。


(ex:「魔導の道を志す」、「魔導の徒」。これらは、物語を楽しむ上で厳密に理解しないといけない区別ではないので、気にしない人はスルーしながら読んでください。気にしちゃう人が気にするための区別です)


 付呪具は故障していない限り確実に動作するが、魔術は集中を要するため戦闘環境下では失敗することがある。

 そのため、高速で魔術を確実に使うことができる戦闘魔術師は貴重である。


 しかし、戦闘魔術師でなくとも、大魔術師と呼ばれる高いレベルの魔術師は、低いレベルの魔術を自由自在に扱うので、戦争に参加すれば一騎当千の戦いをする。その場合は、剣士に守ってもらうことが通例である。


一通りこれを読めば思い出せると思いますが、なにか項目の要望があれば追加します。

抜けがあったら教えてください。

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