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彼女に少し嫌われたい ~俺を魔王と呼ぶ美少女と運命の出会いをしたけど、忠誠度が高すぎるので少し下げて普通の恋人を目指したい~ - 51 アルバイト
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51 アルバイト

 部屋の入り口。ドアの向こうからドタバタと騒々しい音がして、リーゼとシバが散歩から戻ってくる。


 シバはリーゼに足を拭いてもらい。まだ新しい環境に慣れないのか、どこか落ち着かない様子で部屋中あちこちの臭いを嗅いで回っている。


 俺も広い部屋で落ち着かないから、気持ちはよくわかる。


 ちなみに千聡によると、なんとかっていう魔獣であるシバがこんなに人に懐くのはありえない事だそうで、リーゼのパンチと俺の存在のおかげではないかという話だった。


 ……俺の存在って、なんか関係あるのだろうか?


 そして帰ってきたリーゼは俺を一目見ると、千聡の時みたいに固まってしまう。


 まだ残念Tシャツと痛キーホルダーを装備したままなので、リーゼにはドン引き効果が発揮されているのだろうか?


 そんな事を考えるが、なんかリーゼの目が興味津々でキラキラ輝いている気がしてきた。


「閣下、そのネックレスかっこいいですね!」


 リーゼはそう言って、食い気味に近付いてくる。


「え……そ、そうかな?」


「はい! なんか強そうです!」


 お世辞で言っている……訳でもなさそうだ。リーゼは多分、そんなに器用じゃない。


「えっと……欲しいならあげようか?」


「いいんですか!」


「う、うん。こんなんでよければ……」


 わりと本気で喜ぶリーゼに、俺の方がちょっと引きながら。ひもからキーホルダーを外してリーゼに渡す。


「ありがとうございます、閣下!」


「うん。リーゼには色々お世話になってるしね」


 最後に一応それっぽい事を言っておいたが。よく考えたらこれ、千聡と潮浬にもなにかあげないといけない流れではないだろうか?


 そっと千聡の様子をうかがってみると。嬉しそうにキーホルダーを眺めているリーゼを、じっと見つめている。


 千聡があんなキーホルダーを欲しがるとは思えないが。お世話になっているのは三人全員にだから、リーゼだけだと不公平だよね……。


 しかし、千聡と潮浬にプレゼントか……なにをあげればいいんだろう?



 そんな事を考えているうちに時間が過ぎていき。千聡が席を立ったなと思った直後、ちょっと大きめの声が聞こえてくる。


「誰ですか、こんな所でおしっこをしたのは!」


「え、自分じゃないですよ!」


 ……そりゃそうだろう、リーゼだったらえらい事だ。


 当然犯人はシバな訳で、なぜかリーゼも並んで怒られている。

 犬を飼い始めた当初はよく見る光景だ。


 爺ちゃんの家で飼われていた犬を思い出して懐かしい気持ちに浸りつつ。もし犯人が俺だったら千聡の好感度どのくらい下がったかなと、危険な考えが頭をよぎる。


 さすがにやらないけど、多分対等を通り越してゴミを見るような目で見られるのだろう。

 ……なんかちょっとゾクゾクするな。


 妄想が危険な領域に突入しそうになったので、慌てて中断し。お昼ごはんをどうしようかなと考えていると、千聡が『潮浬が戻ってくるようです』と報告してくれた。


 手書き二割引Tシャツを着たままだが、もうなるようになれだ……。



 四人とシバが揃ってお昼ごはんのそうめんを食べ。千聡が少し所用で席を外すと言って、出かけていった。


 俺は再び定位置である執務机に納まり。リーゼは午前中と同じく、部屋の隅で腕立て伏せをしたり腹筋をしたりしている。

 たまにシバがじゃれついていって、遊んであげたりしているのがとても微笑ほほえましい。


 そして潮浬は、床にちょこんと正座してじっとこちらを見ている。

 座敷わらしかなにかだろうか? かわいいけどちょっと怖い。


 なお、10分に一回くらい立ち上がって微妙に座る場所を変えるので。なにをしているのか訊いてみたら、『陛下を見る角度を変えているのです』と、よく分からない返事が来た。


 とりあえず無言で見つめ合うのは気まずい事この上ないので、視線逸らしもかねて冊子を開く。

 アルバイトの情報がいっぱい載っている、無料求人誌というやつだ。


 まだ千聡達と出会う前。夏休みになにかバイトでもしようと思って貰ってきたものだが、千聡達にプレゼントを買うにせよ、千聡と普通の恋人同士になれた場合のデート費用にせよ、お金は必要になる。


 ペラペラページをめくっていると、潮浬が話しかけてきた。


「陛下、アルバイトをお探しなのですか?」


「うん。夏休みまだ一ヶ月近くあるし、これから色々と入用いりようになるかもしれないからね」


「『色々』ですか……。ちなみにどんなアルバイトをお探しなのですか?」


「そうだね……多少キツくてもいいから、短期で時給高めがいいかな」


「なるほど、ではわたしが紹介いたしましょうか?」


「え、ホントに?」


「はい」


 潮浬の紹介となると、コンサート会場の設営とか警備とかだろうか?


 そんな事を想像していると、潮浬は輝くような笑顔を浮かべて口を開く。


「ここは一つ、体を売るというのはいかがでしょう? わたしが一回一億で買いますよ」


 ――思わず机に頭をぶつけそうになった。


「いや、そういうのじゃなくて真面目な話なんだけど……」


「わたしは思いっきり真面目ですよ」


 ……うん、そういえばこういう子だったね。



 俺は軽いめまいを覚えつつ。それでも潮浬は真剣にこういう事を言うのだと思い出したので、茶化したりせずにちゃんと返事を返すべく。思考を巡らせるのだった……。




 現時点での世界統一進行度……0.16%

・西日本の魔族と小さな拠点がいくつか

・魔族の小勢力三つ

・イリスルビーレ公爵を配下にしたかも?


 千聡の主人公に対する忠誠度……100%→

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― 新着の感想 ―
[良い点] うっかりリーゼにだけプレゼントをしてしまったら、千聡の好感度が限界突破せず据え置きになったところが笑えましたw [一言] キャラの心情(?)や心理が垣間見える描写が丁寧に描かれていて、掛け…
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