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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く - 悪い子は砂浜にシュゥゥウッ!
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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
一章:ポンコツ、自世界に立つ
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悪い子は砂浜にシュゥゥウッ!

「満月の夜というのは、昔から魔物を呼ぶ夜だと、ヨーロッパ諸国では言われていたようです。その要因は諸説あって、中には占星術においての月の重要性が湾曲解釈され月には魔力が宿る、という民間の伝承に繋がっていったというモノも」

「成程、眉唾な説も色々あるんだな」

「人魚、といより海の魔物、でしょうか。彼らは特に満月と関わりが深く、満ち潮で攫われた人間等を、恐ろしい魔物に攫われた、とする事で事故を減らす民間の知恵であるだとか、コレも諸説ありますね」

「そういうのってどういう学問なんだろうな。やっぱり民俗学? そう言うのもちゃんと勉強しておいた方が良かったのか……で? 結局何が言いたいんだ?」

「いえ、満月だからといって人魚が顕れるとは限らないのかな、と」


 そーね。もうここに来てから二時間近くこうやって月を眺めてるけど、まっっっっっったくと言って良いほど人魚姫さん来ないし反応もないしな!


「総当たり作戦も、その当たる相手がいなくちゃ意味がない。この作戦の一番重要な部分に気が付いていなかったな」

「えぇ。彼女がここに居るとばかり思って居た私たちの失態です」

「あらかじめ探しておくべきだったかね」


 探すって言っても何処を、って話だけれども。もしかしたらここ以外にあるかもしれないし。でもその探索にも時間かかるし……あ、いや別に何度でもループするんであれば別に時間は気にするべきじゃないか。


「どうします?」

「もうちょい……もうちょいだけ待っても現れないならあきらめて帰ろう。危険だしな」

「盗賊とかですか?」

「まぁなぁ。俺達が盗賊って嘘ついて実際に国が動いたって事は、やっぱいるんだよそう言う危ない奴らは。だからあんまり深夜とかは、危ないと思うんだけど」


 ……こうやって言ってると、フラグって言えばいいのか? 実際に出てくるんだよなぁ盗賊団とか。まぁ言うたかてそう言うのは小説の中での出来事だし、実際はそうそうそんな事はないってh「――ぁぁぁぁ――」……


「……なんか言った?」

「いいえ、何も。何か聞こえましたか?」

「なんか、っていうか……」


 叫び声って言うか、断末魔って言うか。その類の声が聞こえた気がしたんだけど。いや流石に気のせいか……?


「やはりお疲れなのでは? マッサージします?」

「貴女のマッサージは抹殺ージだから受けたくない。せめて無事に生きてこの世界から帰りたいのだ……理解して、くれるかな」

「分かりました、折角誤解を晴らすチャンスです、全力を尽くしましょう」

「おいやめろ、手をゴキゴキと鳴らすなっ、やめろっ、俺の傍にドントニア!」

「そうご遠慮なさらず。慣れればきっと気持ちよくなりますから……」


 おまえっ! それはっ! あのっ、女性を酷い目にあわせて人に見せられない顔にする危ないオジサンの言動じゃん!


「やめろっ! 需要ないだろそんなものに!(どさっ)……ん?」

「案外需要ありますって、今隣に落ちて来た男の方の顔よりはまだ。凄い見られたものではない惨状ですよそこの方」

「いや、そうなってる惨状の方と比べるな、っていうかそもそも此方の方誰!?」

「……」


 白目向いて顔面岩石みたくボッコボコなってるけど!?


「と、取り敢えず此方の方にそのマッサージをだな」

「この方にしたらトドメになると思うのですけれども? 先生は酷い方ですね」

「自分のマッサージがそう言う系統だって知ってるなら俺にかけるのはやめてくれ!」

「先生は特別体が凝っていると思って居るので、これくらいで丁度宜しいかな、と」

「丁度宜しくないねぇ! じゃなくて、コイツだよコイツ! 取り敢えず離れよう、間違いなく危ない人だよコレ!」


 い、一体どっから湧いて出たこの変態! チクショウ、人魚姫を待ってただけだってのにこんな危ない奴に絡まれ……いや絡まれてはいないか。遭遇しただけか。いや遭遇するだけでも中々だけど!


「……先生」

「ええい、なんだ! 今はこの変態から逃れるのを優先!」

「いえ、その変態が空から降ってくるんですけども」


 はぁ? 変態が空から降って……(ずどん)……っすぅぅぅぅ……


「いやぁあああっ!? ささってる!? 砂浜に! 犬神! お池! 白マスク!」

「先生は一族でも格下そうですね。あと、私の腰にしがみ付くのは止めてください。重いという訳ではありませんが、鬱陶しいです」

「いやごめんこしぬけちゃってほんとあとちょっと、あとちょっとまって……」


 こ、このびくりとも動かないのがとても、とてもありがたい。安心する、縋りついててホント。変態的な意味じゃないから。頬を擦り付けてるみたいになってるのも故意じゃないから! そんな事する余裕ねぇってんだ俺は!


「はっ、はっ……はぁっ、あひぃ……」

「スリスリしてないでしっかりしなさいこの駄作家」

「うぇぷん!?」


 ほ、頬を……痛い。痛いけど。


「……サンキュー、震えも収まったよ」

「それは良かったです。さ、早く立って。逃げるんでしょう」

「おうともよ! 槍が降ろうが何が降ろうが今度こそ逃げきってやるってんだ!」

「その意気です。頑張ってあの台風から逃げきるとしましょうか……ただ、お目当ての相手でもあるので、会いに行っても構いませんけど」


 お目当ての相手……あっ、降ってきた盗賊。成程成程。だから彼等って上から降ってきたんだねぇ。


「――おぉっらっしゃぁああ! どうした! アタシの髪を売り物にするんじゃなかったのか! 私を慰み者にするんじゃないかったのか!」

「ばっ、化け物がっ! 台風か何かってんだこのパワーッ!」

「と、兎に角足だ! 足を潰せ! コイツの足は凶器だっ! 好き勝手使わせたら!」

「我が故郷の荒波に比べれば貴様ら等! 所詮は度胸も無い匪賊風情、文字通り一蹴よ!」


 わぁ凄い吹っ飛んでらっしゃる。人がゴミの様だって言うか、ゴミの様に人の群れを散らしてらっしゃる。しかし、胴回し蹴りがここまで似合うヨーロッパ金髪美女が居るだろうかと思ってしまう。


「……待ってた方が良いかなコレ」

「まぁ、巻き込まれない位置に移動した穂が良いとは思いますが……あっ、また五人くらい弾け飛んだ」


 蹴りの音がドゴ、とかじゃなくてパァンって、発砲音顔負けだもん、そりゃあ人間位軽々となぎ倒すでしょうよ……あっ、また天へ跳んだ。


アンデルセン先生ごめんなさい。


これが人魚姫とかマジ……?

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