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一発ぶん殴らせろ! - 44 苦悩
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一発ぶん殴らせろ!  作者: 団栗山 玄狐
4 狂信の宇宙
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44 苦悩

あの後、ノブテル・ミズマは、ノムイッカ・ラシタと

ソプラ・バリトンに遣りすぎだと注意された。


それは、本人も理解していた。


ジャスタ・ホワイト、彼女の考え方は正しい。

平和な世界なら問題ないのだろう。


だが、彼らは戦場にいる。

その考えは、優しさは自身と仲間の命を奪うことになる。


だから、彼はきつめに言った。

彼女の良心は素晴らしいものだと分かっていながら

敢えてひどい言い方をしたのだ。


そうしないと彼女は死ぬことになる。

優しいがゆえに。


そうなってほしくないからだ。

戦場で心を壊す前に、壊さずともその優しさの為に命を散らさない為に。


その事は、

ノムイッカ・ラシタと

ソプラ・バリトンにも理解できていた。


ノムイッカ・ラシタは、幼少期に大変な思いをしてきたので

その辺りの割り切り方はキチンとしていた。



ソプラ・バリトンは仕事柄、どうしても割り切る一線を決めていたので

敵より味方、仲間を優先させるように考えている。



だが、彼女はジャスタ・ホワイトは違った。

優しいのだ。

他人の痛みを理解できすぎるのだ。


その為、割り切る一線がまだないのだ。

あの話で生体端末にされた相手に同情してしまったのだ。


その感情は間違いではない。

だが、その為に引き金が引けなければ、死ぬのは彼女になる。

だからこそ、覚悟を求めた。


そういうことが出来るノブテル・ミズマをみんなは優しいね、と言うが、

彼自身は、それを否定している。


「オレは優しくない」と。

まるで自分に言い聞かせるように答える。


だからこそ、彼はジャスタ・ホワイトに強く当たったのだろう。


死んでほしくないから。







ソプラ・バリトンは、ミーティングルームで座り込みうなだれていた。

「まあ、しょうがないさ」

ノムイッカ・ラシタは彼女の横に座り話しかけた。


「そうでしょうか?私には二人の口論を問えることはできませんでした。

ホントは私が止めないといけなかったのに…」


「そうだね、でも二人の言い分は双方ともに正しい。

だからこそ、止めにくかった。だろ?」

その言葉に彼女は頷き、


「そうです。

ノブテルの言い分は戦場に立つ者として、ジャスタさんは人として、

正しい言い分です。ですが…」

彼女は、言葉を閉ざし

表情は曇っていた。


「あの場合、どちらかの言い分を正しいというのは後々面倒だからね。

言いたい事は分かるよ。

あの場合は、戦場に立つ者としての言い分が正しい。

代理戦は戦争だからね。ジャスタちゃんに割り切れと言うのはだいぶ酷な話だ」


「そうです。相手を殺さないとその相手もろとも

あなたも死ぬなんて言いにくいです」

ソプラ・バリトンは、苦しそうに答えた。


「負けが決まると相手さんは特攻を仕掛けてくる、か」

ノムイッカ・ラシタは寂しそうな顔を見せた。


「そうです。それで何人も失いまいました」


「【神の名の元に】か、何でも神様の責任出来る言葉だね。

殺すのも殉死するのも何もかも神様の責任。

自分たちには罪はない、か」


「どんな言い方をしても人殺しです。

どんな言葉で取りつくろっても罪は罪です」


「まあ、そんなんだよ。

あいつは、覚悟しすぎなんだよ。

だから、ジャスタちゃんを責めた。

今回の代理戦から降ろすために」


「失敗しました。相手の戦術に合わせて人選をした私のミスです。

ジャスタさんのことを考えていませんでした」

ソプラ・バリトンは両手で顔を覆う。


「そうか、仕方ないね。

ジャスタちゃんは良くも悪くも責任感もあって優しいから。

依頼されれば最善を選ぶ。最悪な結果になっても…」


「しょうがないさ、選ぶのは彼女だし。

フォローはするよ」

と言って彼女の肩に手を置く


「ノムイッカさんも大概優しいですよね」


「言ってろ、オマエさんらの言葉が足りないだけだ」

と優しい笑顔を向けた。







数日後、何度かのミーティングをしたが、

メンバーは変わることはなかった。


ジャスタ・ホワイトも覚悟を決めたようだ。

代理戦という競技のようになっているが、これは戦争である。

殺さないという選択はできても、殺されないという訳ではない。

引き金を引く、それは殺す覚悟と殺される覚悟を持つ必要があるのだ。


ノブテル・ミズマは不満そうだが、

相方であるノムイッカ・ラシタに言いくるめられたようだ。

それに彼自身の理解はしているようだ。


そんな彼にソプラ・バリトンが近づく。


「あのノブテルさん。この装備は本気ですか?」

とたずねた。


「ああ、本気だよ。AIのサポートがあるから使えると聞いたけど…

ダメかい?」


「いえ、むしろ私は歓迎しますよ。

だってこちらがいくら言っても射撃戦の装備つけてくれないじゃないですか。

それにこの装備は実験中でもありますし、使用データが手に入るのは大助かりです。

機体本体にも射撃戦装備を付けてくれてますし、問題ありません」

ソプラ・バリトンは、慌て気味に答えた。


普段から、質量兵器や近接戦兵装しかつけなかったノブテル・ミズマが、

中、遠距離兵装を装備してくれたことがうれしいのだ。


だが、いきなり何の心変わりかわからなかった。


「驚くなよ。オレだって相手が砲撃戦特化になるなら、

このくらいの装備に変える。機動力も向こうが上ならなおのことだ。

近づけないかもしれないしな、仕方なしだ」

ノブテル・ミズマは不満げに言う。


本人としては、今回の兵装は不本意なのだろう。

だが、相手が相手なので仕方なしに変更したらしい。


ソプラ・バリトンとしては嬉しい誤算である。

問題と言えば、試作兵器を搭載することだろう。


これも相手の武器に対処する為と考えれば、やむ得ない。

使用が難しい武器だが、AIのサポートがあるのならなんとかなるかもしれない。


各機体の調整が大詰めに入る。



いよいよ、代理戦が始まろうとしていた。



ノブテル・ミズマは、機体のコックピット内で調整入っていた。


「DON、新システムは何とかなりそうか?」

機体AIに話しかける。



「okサー。一部反応速度と通信エラーが生じますが、許容範囲内です」

抑揚のない、いわゆる棒読みで答えが返ってくる。



「そうか、それで向こう兵器と渡り合えそうか?」



「okサー。現在の状況では、対処できる確率は約三割です。

対戦相手の情報が不足しているのと、新システムが不安定なためです」



「そうか、最悪無駄にしてもかまわない。

開発部からは、実戦データが手に入ればいいと言われてるからな」


「okサー」



ある程度の調整が終わり、ノブテル・ミズマはシートに深くもたれかかる。



「…オレだって殺したくはないよ」

そう、小さくつぶやいた。




話をまとめるのが難しいですね。

ネタが浮かんでもそれを物語として

成り立つようにするには大変ですよね。

つたない自力で何とかしていますが、これも悩みどころです。

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