2-2 ギルド証(カード)の取得
俺を含めた家族と、幼馴染達を含めた家族の大人数が、ギルドに到着した。
「(なるほど……この時間は、ガラガラって訳じゃないけどそんなに混んでいないのか。なら、朝早くは、逆に混みそうだ)」
今は、朝と昼の間くらいの時間帯。その為、ギルド内には、冒険者がほとんど居らず、受付場が割と空いていた。
まず、ガルダ家について紹介しよう。この家族の大黒柱であるガルダは、28歳で両親達一団(パーティー]の中でも、最年長のクォーターシルフディである。
見た目は、本来シルフディ特有の緑色の髪が、有るはずなんだが、この人は坊主頭をしている。そして、常に頭に茶色いバンダナを巻いて少し強面な人だ。
ポジションは、中衛兼遊撃型のサポートをしていて、主にレンジャー的な活躍をしているそうだ。
次は、ガルダの奥さんのアリスだ。アリスは、人間種の中でも、女性のみ生まれる[アマゾン族]に分けられる25歳の女性だ。
この人は、前世ではよく見慣れた、黄色肌で黒髪の日本人女性みたいな人だ。普段着から肌の露出が多く、髪の長い女性だ。本人曰く、一般的に苛烈な性格をしている他のアマゾンとは違うらしい。戦闘以外では、基本のんびりしている。
この人もポジション的には、中衛兼遊撃型のサポートで、主に魔物を従えて戦うスタイルで活躍している。
そして2人の子供である、シルルとメルル姉妹は、母アリスの容姿を引き継ぐ美少女だ。そして、種族も人間種アマゾン族であった。
シルルが姉で9歳だ。見た目は、肩に掛かるくらいの髪の長さをしている。メルルが妹で8歳だ。見た目は、長髪のサイドテールな見た目である。そして2人ともアマゾン族特有の男勝りな性格をしている。
次は、ストール家について紹介しよう。この家の大黒柱であるストールは、獣人種の猫人である。ストールは、赤い髪が特徴で、猫人族の中で、さらに細分化された赤猫村の出身だ。
年齢は、今年22歳になる一団内で最年少だ。髪もアップバンクみたいな短髪で、右目の近くには切傷がある。最初見た時は、漫画で盗賊とか山賊とかにいそうな見た目で、怖い印象を受けたが、朗らかな性格をしている。ポジション的には、後衛サポートで、バフやデバフを操り、戦いを操作する付与魔導師である。
次は、ストールの奥さんのラナティナだ。この人は、ストールと幼馴染兼姉のような人らしく、同じ赤猫村の出身で26歳の女性である。
赤色の長髪で、髪を青いリボンで結んでいる、見た目通りのんびりしていそうな女性だ。しかし、ポジション的には、前衛をしていて、2本の双剣を使い素早い身のこなし、敵を切り裂く戦い方をしている。
2人には、双子の子供がいる。今年10歳になる赤髪のラートとナート兄弟だ。
兄のラートは、ツーブロックな髪型にしていてラナティナのようにマイペースで、ヤンチャな性格をしている。
弟のナートは、反対に父のようにきっちりした性格で、髪型も同じ様にアップバンクの様な髪型にした、ノリを理解しているストッパー役である。
冒険者ギルドの中は、基本的にギルド運営場と食堂、宿屋が3セットで何処でもある。但し運営の規模によって、宿屋の部屋数や食事の質などが変化する。
俺達が登録するギルドは、冒険者ギルドの本部となり、その規模も最大である。運営、食堂、宿屋だけではなく、修練場、商人ギルド支部、馬車場、魔物の解体場などが併設している。
俺達は、早速、見習い冒険者登録を行う為、両親達の馴染みの受付に行く。
「よぉ! アスラン、今時間大丈夫か?」
父は、右手を元気に上げると、受付の男性アスランに話しかける。
「おや? アモンさん達では無いですか? えぇ、今は特に用事はありませんよ」
「本日は、我々の子供らを見習い冒険者にする為、登録に参った。すまんが、よろしく頼む」
見た目通り硬派で、硬い口調のガルダが、アスランに軽く頭を下げる。
「ガルダさん、そうでしたか……分かりました。では、登録の為に準備致しますね」
そう言ってアスランは、ギルドの奥に行き、人数分の透明な水晶の様な物を用意した。
「それでは、まず何方のお子様から登録しますか?」
「それでは、俺達の子供からお願い出来るかにゃ」
赤髪の猫人族のストールが、ラートを後ろから押す。
「ほら、ラート、ナート、登録しなさいにゃ」
逆にその妻のラナティナは、ナートを後ろから押す。
「ストールとラナティナの子のラートっすにゃ! 年は今年10歳っすにゃ! よろしくっすにゃ、アスランさん」
兄であるラートは元気よく挨拶する。
「同じくナートと申しますにゃ。ラートは双子の兄ですにゃ。兄共々よろしくお願いしますにゃ、アスランさん」
逆に弟であるナートは、落ち着いた表情で挨拶する。
「此方こそよろしく、ラート君、ナート君。それでは此方のナイフを使って、この[パーソナルボール]に血を一滴垂らして欲しい」
2人は、ペーパーナイフを指先に近づけて、パーソナルボールと呼ばれる水晶に血を垂らした。するとどうだろうか。パーソナルボールが、透明から青色に変化した。それを確認したアスランは、次の説明をした。
「うん。それではどちらの手でも構わないから、このパーソナルボール握りしめて、"ステータス同期"と発して欲しい」
「ステータス同期っすにゃ」
「ステータス同期ですにゃ」
今度は、青色から銀色に変色するパーソナルボール。それを見たアスランは満足気に頷き答える。
「うん。登録は無事完了したよ。2人ともお疲れ様。あとはこのパーソナルボールを、本部にあるパーソナルボックスに入れる。そうすると、自動的にギルド証になるからやって見てね。それでは、次は何方のお子様にしますか?」
「それではアモン、すまんが、わしらの子供達から登録しても良いか?」
アスランの言葉にガルダが、反応し立候補する。
「んっ? おう、いいぜ。」
「ごめんね〜。アーシャ、フィデリオ君。シルルとメルルったらラート君とナート君の登録を見て、ソワソワし始めちゃったみたいだからね〜」
アリスは、娘達の頭に手を置いて話す。
「母さん! そんな言い方じゃ、まるでアタイ等が、ガキみたいじゃ無い!」
アリスの言葉にシルルが先に噛み付いた。
「そうだ、そうだ! アタイ等は、ガキじゃ無いもん!」
メルルもシルルに続いて噛み付いた。
「それじゃ〜フィデリオ君に先を譲る?」
「っぐ!」
図星を突かれたシルルは、一歩足を引き呻く。
「そ、それは……」
メルルも視線を逸らし言葉に詰まる。
「大人しく待てないなら、先を譲ってもらいなさい。シルル、メルルよ。フィデリオ君、すまないが、娘達に先を譲ってくれないか?」
ガルダが膝を曲げて俺に軽く頭を下げる。
「俺は大丈夫ですよ。それに、最後にやるって、なんかカッケェーですしね」
「そう言ってくれると助かるわ。ガルダ、アリス、リオもこう言っていることだし先に譲るわ」
「すまん」
「ごめんね〜」
こうしてシルルとメルルは、ラートとナート同様に登録を終えた。
「お待たせしました。アモンさん、アーシャさん、フィデリオ君」
「おう。気にすんなアスラン」
「そうよ、ねっ? リオ」
「そうですよ。気にしないで下さい」
俺の番が来たので、俺もラートやシルル達と同様に登録を行う。もしこれがチート主人公なら、他とは違う何かがあるもんだ。しかし、実際にはそんな事はなく、普通に登録は無事終了した。
「(何も起きなくて……良かった、良かった。逆に何か起きていた事を考えるだけで、身体が震えるよ。逆に何て説明すれば良いんだ? やっぱアニメの主人公ってスゲェや)」
こうして俺達は、確実ギルドにあるパーソナルボックスにパーソナルボールを入れて加工されたギルド証を手に入れた。