35:想いは至りて(ティアナ編)
頑張って書きました、初投稿です!
「よく寝てるわね、クロウ……」
――寝台の火が揺らぐ中、桃髪の少女騎士・ティアナは眠るクロウを見つめていた。
村の跡地に辿り着いた後のこと。
二人は近辺に無事な狩猟小屋を発見すると、そこを一夜の宿泊地と決めた。
それから小一時間。ティアナの作った料理を食べたクロウは、あっという間に眠ってしまった。
やはり疲れが溜まっていたのだろう。深い寝息を立てる彼に、ティアナはそっと近寄った。
「ふふ、寝顔は普通に穏やかなのね。いつも険しそうな顔をしてる割に、可愛いじゃないの」
艶やかな黒髪を優しく撫でる。
こうして見ると、ごくごく普通の少年のようだ。とてもじゃないが鬼神じみた戦闘力を持った存在には見えない。
それがティアナにはおかしくて、そして同時に物悲しかった。
「……アタシと同世代くらいのガキが、何やってんのよ」
身体の壊れるような戦い方をして。
自分の命よりも、悪を滅ぼしてみんなを平和にすることを優先して。
そんな勇者じみた生き方をした結果、王族たちから目障りに思われ、抹殺されようとして。
そして科されたドラゴンの討伐に――まったく恐れず、立ち向かうことを決めて。
「馬鹿みたいよね、アンタ」
龍によって滅ぼされた村を見た時。
圧倒的な破壊の跡に竦むことなく、ただただ怒りで拳を振るわせているクロウを見て確信した。
あぁ、きっとコイツは一生こんな感じなんだろうと。
「イカれてるのよ、アンタ。どうせ“命を大切にしろ”って言ったところで、聞きやしないでしょ? どこかで誰かを苦しめるヤツがいれば、きっと駆けつけるに決まってる」
そこにどんな苦難が待ち構えていたとしても。この壊れた断罪者は、身体一つで立ち向かうのだろう。
「この、イカれ野郎が……」
ティアナは男に跨ると、その首筋に指を掛けた。――そして、
「アンタのせいで、アタシの心はぐちゃぐちゃよ。だから……責任、取りなさいよね」
彼女はそっと身を倒すと、自身の唇をクロウに重ねた――。
枕元の明かりだけが灯る一室に、甘い水音が小さく響く。
「ンっ……あーあ、しちゃった……。でも、アンタが悪いんだからね、クロウ」
その理不尽な物言いに、ティアナは自分で苦笑してしまう。
でも仕方がない。それはどうしようもなく事実なのだから。
どこまでも本気で戦い、命を削っていくクロウの存在に……彼女は恋に堕ちてしまったのだから。
「アンタがもっと、機械じみた処刑人なら好きになんてならなかったでしょうね。
だけどさ、アンタは街のお散歩に付き合ってくれた。アタシとお母様の仲を取り持ってくれた。何も守れない雑魚のアタシに対して、『ティアナは俺の心を守ってくれている』って言ってくれた。一緒にいると落ち着くって、言ってくれた……!」
過ごした時間は短いけれど、もう十分だ。彼との思い出を振り返った時、そこには胸を満たすような優しい思いやりの数々があった。
そう。クロウという男は破綻者であれど、決してヒトの心を失った人物ではなかった。その本質はとても優しい男の子なのだ。ティアナはそう信じている。
だから。
「クロウ……」
ゆえにこそ、彼女は恋に堕ちた。
悪によって故郷を焼かれ、心のどこかがどうしようもなく壊れてしまった彼に。
目を離せば、あっという間に燃え尽きてきてしまいそうな男に、愛を捧げてしまったのだ。
「……重い女になるつもりはないわ。アンタの生き方の邪魔はしない。アタシは馬鹿だし弱いけどさ、足を引っ張る存在にだけはなりたくないもの」
どうか憎しみを忘れて頂戴。他人なんて助けず、アタシだけを見て――なんて、そんな恥晒しな言葉を言うつもりはない。
この恋心も、胸の奥に秘めるつもりだ。
「だから、クロウ」
ティアナは決めた。
自分は彼に何も主張しないと。日陰の女に徹するつもりだと。
そう決意して――少女はクロウの衣服に、手を掛けた。
「明日の戦い、生きて帰れるかはわからないものね……。あっさり死んだら、悲しいものね」
愛しい男が、何も残せず終わるだなんて虚しすぎる。
ああ、そんな悲劇が許せるものか。たとえ戦いに協力できずとも、たとえ弱くて愚かでも、そのような結末だけは迎えさせない。
ゆえに、
「どうか眠っていなさい、クロウ。――アンタの種は、アタシがもらってあげるからね」
そして消される、寝台の明かり。
夜闇が二人を包む中、ティアナは優しく愛しい男を抱き締めるのだった――。
なお。
「う~ん……!(はれぇ? なんかモチモチでイイ匂いするモノに包まれてるようなぁ……?)」
――ティアナはついに、勘違いのまま爆走してしまった!
そう、彼女の中のクロウ像など全て完全にまやかしであるッ!
心が破綻した優しい男ではなく、思考が微妙に取っ散らかったヘタレ野郎だった!
「ぐお~……!(うーん、きっとおっきなマシュマロにのっかれてるんだなぁ。噛み付いちゃお)」
「はンッ!?」
夜闇の中、寝ぼけ切ったボケ男のせいで少女は悲鳴じみた声を上げる。
だが、
「あぁっ、クロウ、クロウ……っ!♡ 寝てるのに、アタシのことを受け入れてくれるのね……っ!?♡ いいわよぉ、もっと噛んで舐めて吸ってぇっ!♡」
……なお彼女、愛する男から与えられた感覚ならば痛みさえも幸福に感じて、止まることなくコトを進める気の模様。猛スピードで服を脱ぎ散らかしてゴールインに向かっていく。
重い女になりたくないと言いながら、彼女の性質は極限までにグラビティだった。
「すぴー!(なんか気持ちいいぞ!)」
「あぁクロウクロウクロウクロウッ!♡ もしも怪我して戦えなくなったらずっとお世話してあげるからねぇッ!♡」
こうして色々自覚が足りない男と、すっかり脳をやられて乙女回路を暴走させた彼女は、限界にまで突っ走っていくのだった……!
最悪の恋物語、ここに爆誕である。
・ 淫 乱 ア ホ ピ ン ク 爆 誕 ――!
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