その言葉は、きっと
原詩:からっぽ
からっぽ わたしの心
からっぽ あなたの心
それを うめるのは
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詩小説:その言葉は、きっと
彼と彼女は、言葉を交わさない関係だった。
出会ってから三年。
一緒に暮らしてから一年。
それでも、互いの心は「からっぽ」だった。
彼は自分の空虚を、彼女の沈黙で埋めようとした。
彼女は彼の空虚に、自分の沈黙を流し込んだ。
ある夜、彼女が言った。
「ねえ、愛って、からっぽな心を満たすものなのかな」
彼は答えなかった。
代わりに、紅茶にシナモンスティックを落とした。
渦ができた。
その渦に、喜びも、悲しみも、苦しみも、すべてが吸い込まれていくようだった。
彼女はその渦を見つめながら、ぽつりとつぶやいた。
「憎しみも、愛も、溶けてしまえば、ただの熱ね」
彼はうなずいた。
「その熱が、いつか言葉になるなら」
二人は言葉を待った。あふれだすまで。
春が来て、彼女は部屋を出ていった。
何も言わずに。
彼は、何も言えずに。
数ヶ月後、彼女から手紙が届いた。
一行だけ、こう書かれていた。
「その言葉は、きっと、あなたの中にある」
彼は、紅茶を淹れた。
シナモンスティックでかき回す。
渦ができる。
その渦の中に、彼女の声が、少しだけ聞こえた気がした。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:その言葉は、きっと
言葉なく
三年過ぎて
暮らす部屋
からっぽの心
沈黙で満つ
「愛とはね
空虚を満たす
ものなのか」
紅茶の渦に
問い沈みゆく
憎しみも
愛も溶ければ
ただの熱
その熱いつか
言葉となるか
春の風
彼女は黙り
部屋を出る
言えぬ彼にも
沈黙残して}
届きたる
一行の手紙
「その言葉
きっとあなたの
中にあるから」
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。