地に足つけて
村が聖域になってから四日目の朝が来た。
ここまで来ると、色々と生活も安定してきている。
昨日やってもらったシェクリィさんの説法も、なんとか上手くいったようだ。
『一発で完全に改心!』というほど簡単ではないけれど、それでも盗賊達の行動には明らかに変化が現れているみたい。
だって昨日なんか、村人の人達が果樹を採っている姿を見学して何やら感心するような顔をしていたしね。
その時に僕の方を見た盗賊が拝むような仕草を見せた気がするんだけど……まああれはさすがに気のせいだろう。
あ、そうだ。
そういえば植樹レベルが上げられるところまで来たんだけど、色々としているうちに時間がなくてできてなかったんだった。
ハウスツリーの交配とかで忙しくて、そこまで気が回らなかったんだよね。
とりあえず先に、レベルアップだけでもしておくことにしよっかな。
今までレベルアップごとに新たな力を手に入れていたから、また今回も何か手に入るんじゃないかと今からわくわくだ。
ちなみに今の植樹ステータスは、こんな感じ。
植樹レベル 5
植樹数 35/50
笑顔ポイント 102(4消費につき1本)
スキル 自動植え替え 交配
本当なら既にレベルアップが進んでいてもいいのだけど、そうなっていないのはこの新たに手に入れた交配のスキルのデメリットが原因だ。
二つの特性を掛け合わせてなんでもできると思われていたこの交配には、大きなデメリットが一つある。
――交配を使用して植樹を行った場合、笑顔ポイントは減るけれど、植樹数にはカウントされないのだ。
この植樹数というのはどうやら、新たに植えた樹にしか反応しないらしい。
笑顔ポイントにある程度の余裕があって本当によかったよ。
どうやら村人の人達も僕に対して悪い思いは持ってはいないようで、笑顔ポイントは日々着実に増えているからさ。
何度か確認をしてみるところ、大体誰からも一日に一回くらい笑顔ポイントが入ってくるみたいなペースだった。
ちなみに普通の村人なら1、僕に感謝をしているならそれ以上のポイントがゲットできるって感じ。
今はちゃんと食べていくことができるだけでありがたいからってことだろうか、かなりのポイントがもらえている。
平均したら2に届くくらいはあるんじゃないかな。
もちろん今はボーナス期間だろうけれど、盗賊の人達が改心すればここに彼らの笑顔ポイントも乗ることになる。
今でも村に必要な分の植樹はできてるし、家の用意も終わったから……村の外れの方にブドウの樹でも植えようかな?
生産量的にも余裕が出ていた今なら、ワインを作るためのブドウ生産に手を出してもいいだろうし。
正直なところ食料事情的には、これ以上植樹しなくても困らない。
今後の植樹の目的は、僕らで食べるというよりは、余所と交渉をして外貨を獲得することの方へとシフトしていくことになるだろう。
うん、余所と取引をすることを考えて……ブドウだけじゃなくてリンゴも植えよう。
この砂漠では、瑞々しい果物というのはそれだけでかなり価値が高い。
本来なら大量の水を使わなくちゃ育たないし、いざという時は水分補給にも使えたりもするし。
でも商人とかに売ることを考えたら、ドライフルーツ作りもそろそろ始めて……っていけないいけない。
まずは樹を植えなくちゃ。
ゆっくりでいいから、地に足つけて一歩ずつ進んでいこう。
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