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【第3巻6/10発売!】スキル『植樹』を使って追放先でのんびり開拓はじめます - もどき
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【第3巻6/10発売!】スキル『植樹』を使って追放先でのんびり開拓はじめます  作者: しんこせい(『引きこもり』第2巻8/25発売!!)


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もどき


 アイラは水魔法しか使うことができないけれど、どうやら魔法で使う魔力の扱い方っていうのは、属性関係なく共通している部分があるらしい。

 アイラから基礎的な訓練を受けることで、現在フィオナちゃんは初級と呼ばれる、所謂初心者向けの火魔法が使えるようになった。


 初級なので魔物を一発で燃やし尽くしたりするような火力はないんだけど、パッと火を点けたりすることなら簡単にできる。


 彼女の手を借りて火をつけて、近所のおばちゃんなんかに加工を手伝ってもらえれば、このフルーツティーもどきなら短時間で製作が可能なのだ!


 それほど力も要らないので、子育てに忙しいママさんや未亡人の方なんかの副業にもできるんじゃないかと僕は睨んでいる。


「とりあえず作ってみるので、作り方を見といてくれると助かります」


 今回はアイラの手は借りず、汲んできた水を火打ち石を使って起こした火で温め、その中に刻んだなんちゃって茶葉を入れていく。


 僕は紅茶は好きだけど、紅茶を飲むのが好きなだけ。

 入れ方に詳しいわけではないので、蒸らし時間なんかは適当である。


「私がやると言っても聞いてくれないんです……およよ……」


「今回は普段紅茶を入れてない人達に飲んでもらうのを想定してるからね、それなら僕がやった方がいいでしょ?」


「それはそうかもしれませんが……ウッディ様にこんな下働きのようなことを……」


「いいんだよ。自分で言うのもなんだけど、僕ができれば大体どんな人でも作れる証明になるだろうからね」


 実際に飲むことになる人も、蒸らしや漉し出しの技術なんかあるわけないから、そんなに気合い入れて作る人はほとんどいないはずだ。

 だから多分これが、一般的な飲み方になるんじゃないだろうか。

 そんな言い訳をしながらササッと作ってしまう。


 漉してから茶をカップに入れ、最後にレーズンをぽちゃんと一粒。

 ふわりと優しい香りがあたりに漂った。

 うん、いい感じだ。


「いい香りね……」


「普通の紅茶よりも香りが強めなのも押してほしいポイントの一つですね」


 グレープティーもどきしかりアップルティーもどきしかり、匂いはかなり強めだ。

 果実を刻んでるから、匂いが強く出るんだと歩もう。


 刻み方なんかでも匂いは調整できるとは思うんだけど、流石に今回はそこまで手が回らなかった。

 そこら辺は今後の課題だね。


 ランさんと『白銀の翼』の面々に飲んでもらう。

 僕は散々飲んでお腹がたぷたぷになっているので、今回は試飲会には不参加だ。


「――うん、すっきりとしていて美味しいです!」


「普段食べるフルーツが甘味のストレートだとしたら、こっちはじわじわと効いてくるボディブローって感じね。茶を嗜む習慣ってなかったけど、下手にエールと混ぜた水を飲むよりこっちの方がいいかも……」


 『白銀の翼』の紅一点、テトさんはほぅと息を吐きながら朗らかに笑い。

 ランさんはなぜか紅茶を拳闘に例えながらおかわりを頼んでいる。

 相変わらずどこかズレているランさんだけど、実は彼女の発言は結構的を射ている。


 彼女の言っているように、僕がこの商品が新たな可能性になると思っているのだ。


 通常、生水というのはそのまま飲めない。

 煮沸消毒をしないと、腹を下してしまうことなども多いからだ。

 けど煮沸消毒を面倒くさがる人も多いため。普通はエールに水を入れて薄めたエール水として飲むのが一般的だ。


 けどここにこのフルーツティーもどきがあればどうなるか。

 この美味しさを一度知れば、ただエール薄めてマズくしただけのエール水には戻れなくなるはずだ。

 水を温めなくちゃいけない分多少の手間はかかるけど、温かい果実水みたいな感じでなんていうかホッとする味がする。

 僕は結構、好きな味だ。


 このフルーツティーモドキを、価格をエール水より少し高いくらいに設定して売れば、飛ぶように売れるんじゃないだろうか。


 僕のその考えに、ランさん……の隣のヴァルさんが、キラリと目を光らせる。

 そして少し遅れて、ランさんも目をキラッと光らせた。

 わ、ワンテンポ遅いです、ランさん……。


「なるほど……たしかに試してみる価値はありそうね」


「とりあえず何個か渡してみるので、試してみてくれると助かります。上手く捌けそうなら、横長のハウスツリーを作って調理場にして、空いてる人手を使って大量生産してもらうので」


 こっちは煎っているから、ドライフルーツより更に保存性が高くなっている。

 長期間携行できるとなれば、その需要はかなりある……と思う。


「でもフルーツティーもどきって名前がダサすぎるから、そこは変えさせてもらうわよ」


「そうだべか? 別に悪かねぇと思うんだども……」


「ガルダさんがそう思うってことは、つまりそれだけダサいってことです」


「なんでだべっ!?」


 わいわい騒ぐ『白銀の翼』達を、今日も元気だなぁと眺めているとランさんはポンッと手を打った。


「リセンブル……フルーツティー・リセンブルでどうかしら?」


「なんだかイカした名前ですね」


「うむ、強そうで良い感じだ! 私も賛成だぞ!」


 どうやらアイラとナージャも賛成のようなので、僕に否やはない。

 というわけでこのフルーツティーもどき改めフルーツティー・リセンブルがうちの新たな特産品として、流通に乗ることになったのだった――。

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