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夜行さん - 美術室の怪 1
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夜行さん  作者: 原月 藍奈
人喰いの屋敷編
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美術室の怪 1

 放課後ホームルームだというのに私はポケーっと教室の窓から外を眺めていた。雀がピーピーと愛らしく鳴いて飛んでいる。


「……はぁ~」


 私は深々とため息を吐く。その理由はもちろん、山本さんの池田高校から新しい妖怪が生まれているという噂だ。

 蛸鏡は確かに新しい妖怪だったけれど。でも今のところそれ以外何も聞かないし。本当にこの高校から新しい妖怪が?


 そのうちにキンコンと鐘が鳴ってホームルームが終わる。担任の荒井先生の視線がため息のせいかずっとこちらに向いたままだったけれど……。まぁ、突っ込まれなかったから良しとしよう。

 それより気にするべきは……。


「う~ん」


 池田高校と人喰いの屋敷に関連があるのか、だよね。


「陽ちゃん、大丈夫?」


 頭を抱えているといつの間にか蘭ちゃんが心配そうに私を覗き込んでいた。


「ああ。うん、まぁ」

「偽狼のこと何とかなった……んだよね。今度もまた妖怪絡み?」


 蘭ちゃんには偽狼のことが解決したとは言っていない。けれども野田君が今日はちゃんと登校しているところから察しがついたらしい。ほんと、こういう時は鋭い。


「うん。実は……」


 私は山本さんから聞いた噂を蘭ちゃんに伝えた。蘭ちゃんは状況が飲みこめているのか、いないのか。「良かったじゃん」とニコッと笑う。


「……へ?」

「高校にいるんだったら探す手間も省けるし。何より陽ちゃんがいるんだから安心だね」


 いや!? いやいやいや、何も安心じゃないし。蘭ちゃんも山本さんや野田君みたいに恐いもの知らずになられても困るんだけど。


 そこに噂をすれば何とやら。野田君が「もしかして妖怪の話」と目を爛々とさせてこっちに来た。

 私は肩を落としながら野田君の追及に逃れられそうにないと諦めて、山本さんから聞いた噂を伝える。


「ああ! それなら知ってるよ」

「!?」

「僕、オカルト部だし」


 ああ。そういえばそうなんだっけ。というか何で退治屋の私が知らない情報を持っているんだろう?


 野田君は相変わらず目を爛々とさせながら「最近はね」と話し始める。


「美術室の怪って噂が流行りでね」

「いや。こういう怪談に流行りも何もないんだけど」

「夜な夜な何かが動く音がするって」

「音がする、ねぇ」


 こういう「何かが動く音がする」という噂はだいたい間違いなことが多い。けれど……。今回は無下には出来ないな。

 何せ新しい妖怪なのかもしれないのだから。そして新しい妖怪だった場合、『人喰いの屋敷』の情報が手に入るかもしれない。


 私は身を乗り出して「もっと詳しく」と野田君に詰め寄る。野田君はそんな私の様子が物珍しいのか少し戸惑いつつも口を開いた。


「最初に言い出したのはたしか荒井先生だったと思うよ」

「荒井先生?」


 荒井先生といえばホームルームの先生だけれど。


「荒井先生は美術部の顧問もやってるんだよ」


 その野田君の言葉に思わず「ああ」と納得してしまう。荒井先生はほんわかしているし運動部というより文化部のイメージだ。その中でも美術部はとりわけ荒井先生にピッタリだ。まったりと絵画を鑑賞している姿が目に浮かぶ。

 ――と思いきや。


「あとね~僕たちオカルト部の顧問でもあるんだ」

「え……」


 その野田君の言葉に先程想像していた荒井先生の姿がガラガラと崩れ落ちた。


 まさか。野田君や山本さんのように目を爛々とさせて怪談を話始めるタイプじゃ……。


 私はガックリと肩を落とす。野田君はそんな私を気にせず「今から行こうよ!」と私の手を掴んだ。


「興味があるなら今から荒井先生に会いに行こうよ。荒井先生、ここ最近オカルト部に通い詰めてるし」

「オカルト部に通い詰めてる……」


 荒井先生……完全に野田君側なんだ……。


 私は肩を落としながら立ち上がる。


 とにかく。詳しい話を荒井先生に聞かないとなぁ。


ここまで読んでくださってありがとうございます。


やっと新章『美術室の怪』スタートです。なんとか『人喰いの屋敷』に主人公の陽だけでなく、私自身も近づいていけてホッとしております。

というわけで、この先も『夜行さん』の応援をよろしくお願いします!

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