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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで - 第43話 国家冒険者授与式
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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
二章

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43/225

第43話 国家冒険者授与式

※近況報告でも告知しましたが、この作品が書籍化&コミカライズします。


書籍版の都合で先の展開が大きく変わってしまう予定なので43話以降を一度削除させていただきました。


書籍の発売は6月19日、ホビージャパン様より出版となります。

同日にコミカライズが『ファイアクロス』にて連載開始となります。


応援の方、よろしくお願いいたします。

 吹き抜けの天井はステンドグラスで作られており、虹色の光が建物内に差し込む。


 左側には剣と杖の意匠が施された首飾りを身に着けた者たちが、右側には磨きこまれた銀の鎧を身に着けた者たちがずらりと並んでいる。


 中央には椅子が並べられており、そこには俺を含む正装をした者たちが表情をこわばらせて座っていた。


「これより、国家冒険者授与式を行う。名前を呼ばれた者から前に出てくるように」


 壇上では威厳ある姿をした男が立っていた。彼の名前はマルグリッド・デ・リッシュ。リッシュ伯爵家当主にして国家冒険者機構の最高責任者をしている。


「リッツ。このたびの国家冒険者試験で、密売組織壊滅において活躍したことを評価し、合格とする」


「はっ! 今後は国家冒険者の一員として恥じない振る舞いをすることを誓います」


 功績を呼びあげられたリッツがそう宣言すると、マルグリッドさんの横に控えていた美しい女性が彼に国家冒険者の証でもある首飾りをかけた。


 ――パチパチパチパチパチ――


 周囲から拍手が上がる。エントランスの二階にはラウンジがあり、そこでは優雅に椅子に座りワインを呑みながらこちらを眺めている貴族がいる。


 その視線は様々で、値踏みをする者、誇らしげにする者、腕を組みじっと見つめる者もいる。


「なお、リッツの後見人はロンブ騎士爵家・トリムリア家・ポーイント男爵家となる」


 リッツが顔を上げると、誇らしげに見ていた者たちが手を振る。彼らが後見人ということなのだろう。


(まるで見世物みたいだな)


 元々、国家冒険者資格の授与式は別で行われおり、俺たちは既に一度首飾りを受け取っている。


 今回のこれは国家冒険者の授与式という名の権力者のアピールでもある。


 国家冒険者になるにはこの国の上級国民三名以上の推薦が必要になるのだが、推薦した冒険者が試験に合格すると、彼らは国家冒険者の後見人になることができる。


 国家冒険者は市民にも支持されている人気の職業で影響力もある。

 後見人になっている上級国民にしてみれば、いかに自分が優秀な人材と繋がりをもっているか誇示するよい機会というわけだ。


 次々に名前が呼ばれて行き、壇上でマルグリッドさんに合格を言い渡される。


 呼ばれた人たちは国家冒険者の証である首飾りを手にすると後見人に笑顔を向けていた。


 何気なく現役国家冒険者が整列している左の列を見ていると、一人退屈そうに欠伸をしている少女がいた。赤い瞳を覗かせた獣耳を持つ、俺とそう変わらない年齢の国家冒険者、キャロル。彼女は三年前に国家冒険者試験を突破している。


 他の国家冒険者が神妙な面持ちを崩さない中、彼女だけは緊張とは無縁に舟を漕いでいる。


 あまりにも自由なその姿に緊張が解け、口元をほころばせていると……。


「クラウス」


 マルグリッドさんに名前を呼ばれた。


 俺は立ち上がり壇上へと向かうと、厳かな顔をしている彼と目があった。


 思えば国家冒険者試験の間、マルグリッドさんには世話になりっぱなしだった。


 推薦人を集めてもらったり、余計なちょっかいをかけてくる人間の露払いをしてくれたり。


 俺が無事にこうしてここに立つことができたのは彼のお蔭でもある。


 壇に上がり授与の言葉を待っていると周囲が静まり返っていることに気付いた。


 先程までは貴族も国家冒険者もどこか緩い空気を纏っていたというのに、今では誰一人口を開かずこちらを見ている。


 俺がそのことに動揺していると……。


「クラウス。このたびの試験で見事護衛対象を守り抜き、エルダーリッチを単独討伐したことを評価し、国家冒険者試験に合格したことを認める」


 一瞬、周囲がざわつくのが耳に入る。


「はっ! 今後、国家冒険者の一員として恥じない行動を心がけます!」


 俺はそれを気にしつつも、先程のリッツと同じ言葉を返した。


 頭を下げている間、周囲の貴族のヒソヒソ声が聞こえてくるのだが、何を話しているのかがわからず、何か失敗してしまったのではないかと嫌な汗が流れる。


「なお、クラウスの後見人はベック伯爵家・ホール伯爵家・マーティン伯爵家・ボイル伯爵家・レブラントとなる」


 一斉にどよめきが大きくなる。


『宰相と財務卿と軍務卿とテイマーギルドじゃないか』


『それだけの重鎮が彼を囲い込んでいるだと?』


『本当にエルダーリッチを倒したのか?』


『彼は希少モンスターを従魔にしていると聞く……上手く情報を隠していたな……』


 ぽつぽつと俺に対する評価が聞こえてくる。その声から様々な感情が読み取れた。


「静粛に!」


 周囲が騒めき、収めるために他の国家冒険者が注意を促す。


 一旦は静寂が戻るが、皆俺をじっと見ている。


 それでも控えにいた女性が俺に国家冒険者の証である首飾りをかけると、


 ――パチパチパチパチパチパチパチパチ――


 これまでで一番の拍手が降り注いだ。


 俺は顔を上げ、エントランスを眺める。そこには三人の男たちが座っていた。


 この授与式の前に一度顔合わせをしてある。彼らは俺の後見人だ。


 三人が立ち上がり手を振っている。俺はそんな彼らに手を振り返す。


 これをやることで、後見人との関係が良好であると周囲に示しているのだ。


 名前を借りている以上の接点はないのだが、貴族の中でも上位に位置する人たちだ。今後もできれば良好な関係を築いていきたいと思っている。


 そんなことを考えながら、手を振るのを止めると……。


「これにて、授与式を終了とする」


 マルグリッドさんの言葉で閉会となり、俺たち合格者は退出していく。


 ……その中にブレイズさんの姿はなかった。



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