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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで - 第66話 錬金術師ギルド見学②
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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
二章

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第66話 錬金術師ギルド見学②

「クラウス様は錬金術師についてどれだけ知っておられますか?」


 廊下をロレインと横に並び歩いていると錬金術の知識について聞かれる。


「各種ポーションを製造・販売しているくらいしか知らないんだよな……」


 俺は自分が知る範囲での錬金術師について語った。


「兄さん、それはあまりにもおおざっぱすぎです」


 俺の返答にセリアが呆れた表情を浮かべ突っ込みを入れた。


「まあ、確かに自分が関わらないギルドのことはあまり知らないものです。わたくしも冒険者やテイマーに関してはそれ程知識がある訳ではありませんので」


 ロレインは口元に手を当てると笑った。


「錬金術とはこの世界に存在しているあらゆる物質を組み合わせて新たな物質を作りだす、神に迫らんとする崇高な技術です」


 ロレインは自信に満ちあふれた態度で、俺に錬金術がなんたるかを説明する。


「この世界のあらゆる生物と物質には少なからず魔力が存在しています。それらは一つ一つ、また、一人一人違った魔力を持ち、その強弱も様々です」


 彼女は授業をするように俺とセリアに錬金術の基礎を語り始める。


「中には互いの魔力を打ち消し合い、効果を半減させるものや、互いに高め合い新たな効果を発揮する組み合わせも存在します」


 素材の組み合わせは無限に存在しているので、錬金術師は日々新しい組み合わせを研究し続けているのだという。


「わたくしたち錬金術師は、世の役に立つ素材の組み合わせを発見し、人々を裕福にするのが目的です」


 ロレインが語っている間に外に出る。錬金術師ギルドの敷地は広く、様々な研究をしているので施設がそれぞれ独立した棟となっているのだ。


「と……、少し熱くなりすぎてしまいました。申し訳ありません」


 ロレインはハッとすると恥ずかしそうに声のトーンを落とした。


「いえ、錬金術の素晴らしい理念に、私も兄も感動しました」


 セリアは目をキラキラさせると、憧れの表情をロレインに向ける。


 彼女が魔導師を目指したのも、俺や両親の生活を豊かにしたいと願っていたからなのかもしれない。


「ひとまず、こちらが最初の研究所になります」


 話をしている間に目的の場所に到着したようで、ロレインは壁に設置されているセキュリティの魔導具にカードをかざすと扉が開いた。


 二重のセキュリティチェックを抜けてようやく室内に入ると、そこは農場だった。


 天井には透明な板が張られていて、太陽の光が差し込むようになっている。


 気温も暖かく、穏やかな風が流れており草が揺れていた。


 俺が周囲を見ると、水槽に綺麗な水が流れている場所を発見する。生えている植物は普段俺が見慣れているハーブだ。


「もしかして、ここがハーブを作っているという施設?」


 王都に来てすぐ、ハーブの買い取り価格が低いことをキャロルに教えてもらった。


 その時に「錬金術師ギルドでハーブの人工栽培」を行っていると聞いていたのだが、こうしてみると驚く。


 森を駆けまわって一日に数枚手に入るくらいのハーブが大量に生い茂っていたからだ。


「こちらの施設は、レアな植物を栽培しておりまして、太陽の光を取り込むため天井は透明な板で覆っており、一日中魔導具にて気温・水量の調整をしております」


 ロレインは施設の説明をする。


「凄い、私の学校にも小さな温室はありますけど、ここまでの規模となると維持するのに相当な魔石が必要になりますよ!」


 魔導具を動かすには魔力が必要で、常にともなると魔石が必要になる。一体どれだけの金が掛かっているのだろうか……?


「それらはここにあるレア植物でポーションなどを作って販売することで維持していますわ」


 ロレインはその収入の一端をここで明かした。


「確かに、見たことがない植物が一杯あるな……」


 入り口近くのハーブに目を奪われてしまったが、奥を見ると色とりどりの植物が栽培されている。


 これらのレア植物を森まで取りに行かずに済むのなら、維持は決して高いものではないのかもしれない。


 もしパープルを連れてきていたら、きっと大はしゃぎしていただろう。


「だけど、綺麗な水を流して気候を安定させるだけでハーブって量産できるものなのか?」


 一見すると、他に工夫されている形跡がない。これならば普通に家で再現できるのではないだろうか?


「そこは、錬金術の最新技術が使われておりますので、簡単に再現することは不可能だと思いますわ」


 ロレインは意味ありげに笑ってみせた。


 セリアは口元に手を当て、ハーブをじっと見つめている。


「どうかしたか、セリア?」


「いえ……あの土なんですけど、魔力が随分薄いなと……」


「セリアさん、まさかそこまでわかるのですか!?」


 ロレインが驚き目を大きく開く。


「そういえば、昔から魔力に対する反応が良かったよな……」


 俺が孵化を使った時もすぐに気付いていたし、パープルの時だって疑う様子を見せていた。


「そこまで気付かれているのなら仕方ありませんわね。推察の通り、ハーブを効率的に育てる方法は、土から魔力を取り除くことです」


 ロレインは説明を続ける。


「植物を育てるのは土と水、それに太陽の光なのですが、特に土との関連が高く、レア植物程その魔力の影響を受けやすいと言われているのです」


 ようは、土の魔力が強い影響力を持っていて、その結果ハーブの育ちが悪くなるのだとか……。


「現在は、魔力を吸収する魔導具で土の魔力を取り除いてから栽培に利用しておりますが、完全に魔力を取り除くには時間が掛かってしまいますので、まだまだ改善の余地ありといったところです」


 ロレインが説明している間もセリアは何やら考えこんでいる。


「それでは、いつまでも入り口にいても仕方ありませんので、奥にあるレア植物を見ていただければと思います」


 ロレインがそう言って先頭に立つ中、セリアは俺の服を摘まむとコソコソと話しかけてきた。


「どうした?」


 俺が訝しんだ目を向けると、


「いえ、多分ですけど……ロックちゃんが排出する土の方が魔力がないので、もしかすると再現できるかもしれませんよ」


 ロレインの説明を聞いている間、セリアが考えていたことを告げる。


 もし、それが可能なら家でもハーブが栽培できるかもしれない。

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