28話 レベルの差!!
ウエイトレスに案内されて席に座らされる自衛隊の皆さんは、ライラが「克己様よりお好きな物を注文して下さいと言われているので、よろしければどうぞ……」と、ライラは宮川二尉たちに言って、克己の家へ戻って行くと、宮川二尉はどうして良いのか分からず、ウエイトレスが持ってきたお冷とおしぼりを受け取って、品川准尉たちはライラが言っていたようにタブレット式のメニューに目を通し始めるが、宮川二尉はどうすれば良いのか分からず、取り敢えずコーヒーを注文して克己が来るのを待つしかなかった。
「三曹……成田さんて、物凄い金持ちなんですか?」
「二士、私がそんな事を知っているはずがないでしょ!」
女性陣はデザートを注文しており、宮川二尉と小宮山士長はコーヒーを注文しており、しばらくすると注文した物が運ばれて来て、女性陣は喜びの声を上げた。
「携帯を持ち歩く許可が降りていたら、絶対に写真を撮っていただろうな」
喜んでいる女性陣を見ながら宮川二尉が呟くと、小宮山士長も同意するかのように頷いており、全員は店の雰囲気に呑まれているように感じられた。
コーヒーが運ばれてからしばらくすると、克己たちが店の中へ入ってくると、従業員たちの雰囲気が変わり緊張感に包まれたのを自衛隊の皆が感んじ取った。
「お待たせしました。あぁ、デザートを食べ終わってからで構いませんよ」
克己が笑顔で言うのだが、従業員たちは緊張した表情をしており、女性陣たちは急いでデザートを食べる。克己は自衛隊の人たちが飲食した分のお会計を済ませて外に出ていたので、宮川二尉と小宮山士長は直ぐに席を立って外に出て克己に謝罪の言葉を述べた。
「あぁ、気にしないで下さい。待たせたのはこちらですから」
克己が笑顔で答える。
「ですが、凄い繁盛してますね……」
宮川二尉が行列を見ながら言う。
「嬉しいかぎりですよ。まぁ、店に関しては別の者に任せているので、俺はたまには来て確認だけをしているだけですけどね」
行列に目を向けながら克己は言う。
それからしばらくしてからWACの自衛隊員がやって来て、恥ずかしそうな顔をしながら宮川二尉の後ろ側に並ぶ。
「宮川二尉、確認するんですが今度はしっかりと魔物を仕留めることができるんですよね?」
克己が宮川二尉に質問する。
「はい、その件に関しては問題は無いのですが、実戦経験が無いので何とも言えませんが、足を引っ張らないようにしないといけないと、全員と話ましたので、頑張りたいと思います」
爽やかな笑顔で宮川二尉が言い、克己は納得するように頷いた。
「それで、今日は何をされるのですか?」
宮川二尉が克己に質問すると、克己は少しだけ考える素振りを見せたあと、後ろに並んでいる隊員を見た。
「先ずは先ほど言っていた言葉が本当なのか、確認する必要があるかな……。あとは自衛隊の戦闘力がどれだけ能力あるのか調べてるとかかな。できれば調査へ行きたいけど、素人に周りを任せるのは不安しかないからなぁ」
一般人である克己の言う台詞が、自分たちよりも優っているかの様に言うのがおかしいのか、宮川二尉たちの顔が緩んでいたが、彼らはレベルという物を理解していない。
取り敢えず克己はギルドにある練習場に行き、剣を使った模擬戦をしてもらえないかと、宮川二尉にお願いしてみる。
「構いませんが、大丈夫ですか? 我々はそれなりに鍛えておりますよ?」
余裕たっぷり表情で宮川二尉は言うが、克己はその能力に不安を覚える。
ノエルの話では、地球の方が多少重力があるとの事で、一般人の克己でもそれなりに動くことができた。しかし、自衛隊は襲ってきたゴブリンに対して仕留める事ができないので、少しだけ心配である。
伊藤二士が木剣を手にして軽く素振りを行っていたが、克己の目にはゆっくり振っている様に思えてしまい、克己は伊藤二士に質問してみる。
「伊藤二士、もちろん軽い素振りをしているんだよね?」
「え? まぁ、それなりに重さなどを確認しながらですが……」
回答になっていない答えが返って来て、克己は少しだけ首を傾げた。
「先ずは私が相手をいたしましょう!」
良い格好をして克己の気をひきたいのか、ノエルが最初に相手になると言ってきたので、取り敢えず克己は頷いて様子を窺うことにした。
克己が合図をしてノエルが木剣を構える。伊藤二士は隙を窺っているのか、剣を揺らしながらノエルの動きを見ていたが、ノエルが素早く伊藤二士の剣を弾き、胴に寸止めをして克己は試合を止める。
あっという間の出来事に呆然とする伊藤二士に対して、ノエルは物足りなさそうな顔をして克己の方を見ていた。
「ノエル、お前のレベルは幾つだっけ?」
「えっと、今は40ですね」
「まぁ、こうなるのも分かるね。ノエルは引き続き相手をしてあげてくれる? 伊藤二士、もう一回やってみようか?」
克己が言うと、伊藤二士も納得できていなかったようで、「もう一回お願いします!」と言って、木剣を握りしめて、克己の合図で再び試合が再開し、伊藤二士が攻撃を仕掛けるのだが、ノエルは難なく躱して首元に木剣を寸止めして、克己が試合を止める。
「あー……。やっぱりか、レベルに差が有り過ぎるね。これ以上、続けるのは無駄だからな終わりにしようか」
この言葉にカチンときたのか、伊藤二士がもう一度対戦したいと言ってきたので、克己は小さく溜め息を吐きながらアルスに審判を変わってもらい、好きなだけ対戦してもらうことにし、この場はシェリーに後を任せてギルドを後にした。
このままでは不安だけが残ってしまうので、国枝にお願いしていた自衛隊が使用しなくなったライフルを受け取りに自衛隊の基地へ行き、自分の家に戻って改造を始めた。
夕方になる頃にシェリーたちが家に戻ってきて、シェリーが戦績を教えてくれるのだが、聞かなくとも自衛隊の全敗だと言うことは分かっていた。
「日本国の兵士は、あの程度しかできませんでしたっけ? 我々が訓練を受けた時は、もっと強くて屈強の様に思えましたけど……」
シェリーが首を傾げながら聞いてきたので、克己は武器の改造する手を止めて答える。
「簡単な話だ、皆とのレベルに差があって、こちらの方が実力が上になっちまったんだ。同じレベルだと自衛隊の方が強いだろうが、10以上もレベルの差があると、こっちの方が強くなってしまうようだ」
その言葉に納得したのか、シェリーは「そう言う事ですか……」と言って、部屋に戻っていく。克己は再び改造を始めて、その日は徹夜で作業をするのであった。
翌日になり自衛隊のことはシェリーたちに任せて、克己は武器の改造に励む。
なるべく自衛隊に被害が出ないためにも、新しい武器の強化は必須であり、自分が購入した奴隷が死ぬ可能性を少しでも減らすためにも完成させる必要がある。
夕方になってシェリーたちが戻ってきて、本日の状況を確認するのだが、自衛隊のメンバーがリベンジを求めてきたらしく、魔法使いのハミルが相手をしてみたのだが、自衛隊員は全敗をしたらしく、ハミル自身も驚いていたようであった。
明日は新しい武器を使用して、自衛隊員の強化することにして、克己は久し振りにゆっくりと眠る事にしたのだった。