50:目覚め
各ゲームソフト販売サイトが軒並みセールをやっているので初投稿です。
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1770年10月13日
ヴェルサイユ宮殿
俺は今、微笑みを隠しきれていない。
実に愉悦だ。
すっごく辛ーい豆腐料理を食べている時のように、身体の奥からエネルギーが化学反応を起こして燃え上がっているかのようだ。
今朝の新聞各社のトップ記事に大々的に掲載されているのはオルレアン公とフィリップ2世であった。
『オルレアン公とフィリップ2世以下貴族49名が憲兵隊によって拘束される。理由は禁制品所持の疑い』
『禁制品のみならず金塊まで……売国奴と化したオルレアン家!』
『火災は神の天罰によって引き起こされたものである。パレ・ロワイヤルの火災跡地で禁制品発見!中には英国国立銀行の刻印が押された金塊も押収』
反改革派貴族の筆頭として活躍していたオルレアン公爵とその息子フィリップ2世は、禁制品であるイギリス製品を持っていただけでなく、英国国立銀行の金塊を所持していたとしてスパイの疑いで現在厳重な監視下の元、バスティーユ牢獄に収監されている。
おまけに偽の改革案を広めて改革を妨害しようとしたとして別件でも取り調べを受けている真っ最中だ。
容疑が固まり次第逮捕するとのことだってよ。
もう逮捕は確定なんですけどね。
ルイ15世が作り上げていた「王の秘密機関」から俺の作った諜報機関「国土管理局」に移ってきた職員の活躍によって悪は白日の下に晒されているのだ。
証言を覆すことは難しいだろう。
仮に覆せたとしても相当手続きが大変だろうし、その間に俺は着々と”オルレアン家”の領地没収の手続きに踏み切った。
(そりゃあ、禁制品を持っていただけでなく金塊までイギリスからもらっていた疑いのある人の領地をそのままにしておいていいわけないしね……この金塊は証拠品として国が押収するからなぁ~!)
オルレアン家は国土の5パーセントに相当する土地を有しているんだ。
これらが国の所有地になるだけでも直接国税として入ってくるのが実に美味しい。
特にパレ・ロワイヤルのような立地条件が最高な建物や土地を次々に差し押さえている。
王太子権限で!!
今回の事件を『金塊公爵事件』というタイトルを打っている新聞社もあるぐらいだし、後の公文書にはそのように記されるだろうね。
さらにフィリップ2世からDVを受けていたルイーズ・マリー夫人も先に救出して現在は実家のランブイエ城に帰らせてもらっているよ。
俺の改革案に賛同しているパンティエーヴル公の娘さんだし、娘婿が反改革派を取りまとめて裏工作していたり奥さんほったらかして他の女に現を抜かしていると伝えると、娘を連れ返してきてほしいって泣きながら懇願されたほどだ。
「お願いです王太子殿下……どうか娘を……娘を助けてください!!!このパンティエーヴル……一生のお願いでございます!!!」
頭を下げて娘の身を案じているパンティエーヴル公爵を見て、俺は何としてでもルイーズ・マリー夫人を助けなきゃって思った。
すっごい慈善活動家で穏健派の人ですもの。
困っている人がいたら助ける人が助けを求めている……。
このまま黙っているわけにもいかなかったので工作活動と並行してルイーズ・マリー夫人の脱出作戦も行われたんだ。
結果は大成功!
かくして、悪は過ぎ去ったのだ!!!
= おわり =
いやまだ終わらないからな?
おほっほ~ぉ↑ざまぁぁぁぁぁ!!!と俺はここに来て一番舞い上がった。
もしこの時代にインターネットがあったなら!!!
今ここで勝利用BGMを大音量で流すべきだろう。
ガッツポーズをして勝利を確定する時だ!!!
俺はガッツポーズを誰もいないと思われる居室で行った!!!
右手を高らかに挙げて握り拳で天を突くぅ感じで!!!
「やったぜ!!!」
さらにリアルで新聞に向かって『 m9(^Д^)プギャー 』って叫んでしまった。
愉快☆愉快!
いや~国土管理局の初仕事大成功しているじゃん!結果は聞いていたけど予想以上の成果をあげてくれて俺は嬉しいよ!!
反対派をちゃんと正当な理由を付けて差押えるのってほんと便利☆
偽の改革案を掴んでバカ騒ぎしていたお馬鹿さん達は良くて領地没収か降格処分。
また改革派を妨害したり良からぬ噂を流していたりと最悪な事をしていた奴には、一生牢獄の中で生活してもらいます。
バスティーユ牢獄の空き部屋が無くなる日も近いかな?
間違いなく後世の歴史に語り継がれるような諜報作戦の当事者になった気分として、俺は一つだけ気掛かりな事が出来た……。
「この事件を後世のフランス史研究家が見たらどんな反応するか楽しみだな……」
身から出た錆としてオルレアン家が非難されるか……。
はたまた陰謀論によって俺によって引き起こされたものになるのか……。
俺がオルレアン家に忍び込まさせていたスパイからの情報によってイギリスから送られてきたと思われる金塊があるという所までは掴んでいたんだ。
ただ、俺が指示したのはあくまでも禁制品を地下に置いて発見時に大騒ぎせよというものであり、まさかあの地下の保管庫に金塊が隠されているとは知らなかった。
どうも改革派に寝返ってくれた警備主任が色々と動いていたという。
まぁ警備主任なら金塊の隠し場所とか知っていそうだしねぇ……。
調査班が工作員を使って内偵調査を進めていた際、警備主任と接触すると快く改革派に寝返ったという。
その理由も、フィリップ2世から度重なる暴力行為があったみたいだしね。
些細なことで怒鳴ったり殴られたりしていた上に、給料の一部を故意に支払わなかったこともあったようだ。
そうした待遇の不満から一部の人間にしか分からなかった金塊を堂々と保管庫に移した上で寝返ったという。
警備主任の言い分を鵜呑みにしてはいけないけど、事実なら現代のブラック企業にも通じるところがあるなと感じたぜ。
禁制品だけでも十分インパクトはあるが、まさか英国の国立銀行の刻印入りの金塊まで見つかるというのは思いもしなかった。
良い意味で俺にとってプラスに動いてくれたんだ。
イギリスへの外交カードの一つとしてオルレアン家の事を聞くこともできるだろう。
「フフフ……これで改革は一歩大きく前進することになったな……」
おおよそだけど8割方脅威は去った感じかな?
あとは聖職者や他の貴族がどう動くかだ……。
反改革派だった人たちもこれで一旦身を引いてくれると有難いけどね。
でも反発で何かやらかすかもしれないから一週間ほどは様子を見守ったほうがいいだろう。
「そうだねぇ……これで一段落ついたことだし、アントワネットの勉強の様子でも見に行くか」
愛しのアントワネットは現在別室でお勉強中だ。
彼女なりに改革に参加したいという事で、現在コンドルセ侯爵から社会学と政治学を学んでいる所なんだよね。
コンドルセ侯爵っていうのは政治や社会の統計情報を数字で示そうとした学者であり、滅茶苦茶頭が良い人だ。
彼が作った理論というのは現代でも使用されているほどであり、説明が難しい主題を数字に変換して説明できるようにした天才なんだよね。
せっかくだしコンドルセ侯爵にもご挨拶しに伺おうかな。
そうと決まれば早速休憩用のお菓子作りだぜぇ!!!
ウキウキ気分で居室を出ると、俺は一旦調理場へと向かっていくのであった。
ちなみに僕は新作のレースゲームを買いました。
街中を爆走するのは楽しいですね。
やはり90年代から00年代初頭の日本車はいいぞ