90.【俺】魔物との共闘を学ぶ
≪TIPS、魔物との共闘。テイム下にある魔物は指示することが可能です。ですが、伝達までのタイムラグが存在します。これを【コミットラグ】と呼びます。【コミットラグ】は知能によって変化します≫
コマンドが表示され、それを選択しなければならない。これは思った以上に──
「難しいなこれ」
指示を出すとサブロの足が止まる。自由に動く魔物の位置取りを確認し、コミットラグを考慮して技を放たなければ当たらない。
癖のあるシステムでこれは慣れがいる。敵であるラウンズロックは岩の塊が2つ連なっていて浮いている。斬撃は効かないとあり打撃による衝撃で中にある核にダメージを負わせればいいようだ。
【ロックバレット】
敵の攻撃は光のオーラを纏い、予備動作らしき行動を取るので来ることは分かりやすい。ただ、どんな攻撃であるかは不明なので、初手で躱しきるのは難しい。
石の銃弾。空を飛べるバワンは優に回避できるが大福は無理と判断しお腹を膨らませて守りに入る。嬉しそうにピトっとくっつくのは止めて欲しい。それを見たバワンも俺がやられると思ったのか、怒りながら引き返してきてガクッとした。
〇モンのごとく仲魔が言うことを聞かない。どこかのジムでバッジ頂けませんか?
「ああ、大丈夫だって。糞、上から襲撃しようと思ったのに。こいつら言うこと全然聞かねえな」
まあ初めてだし仕方がないのだろう。ただこの訓練をPTに組み込む魔物ごとにやらなきゃいけないと考えるとちょっと気が遠くなった。見た通り斬撃が効かないなどの相性もあり、択を増やすためにも適度に使う魔物を変えていった方が良さそうだ。
大福、ローリングタックル。バワン、バードストライク。双方共に体当たり。赤い予告線が出てサブサブロがどいたタイミングでまずは大福の技を発動させる。
ガンと吹き飛ばしたところへバワンの空襲が決まった。相手が岩なのでちょっと心配したが無事のようだ。ラウンズロックが壁にぶち当たり跳ね返った所を──
「どっせい」
覚えたての新技……といきたかったが、やっぱりこれと≪ホームランスラッガーLv1≫のフルスイングでトドメ。というかこの魔物岩なのに弾力があったようだ。ボールのように跳ねて核を潰したようで光の泡となって消えてゆく。
「あっ自分でトドメさしちまった」
撃破ボーナスとかあるんだろうか?そういうのを調べるためにも色々試さなくてはならないがやってしまった。まあ次だ次。
「うし、どんどんいこうか」
新調した斧ツイントマホークの調子もいい。投擲用だが普通に一本の武器として運用できる。ホント、システムが俺好み過ぎてドハマりしそうだと2匹の共を連れて突き進むのだった。
熱中して10層に到達した。やはり10フロアごとにボスが配置されているのは一緒でセーフルームが存在。他のPTがいて順番待ちイベントが発生したのは流石にリアルに寄せすぎだと思った。
向こうが此方をチラチラと窺うだけでボス部屋に入ってくれたのは有難い。さっと鑑定した感じD級のモブ冒険者だったが今はムービーを見る気分じゃない。兎に角ゲームがしたいのである。
≪TIPS:待ち時間の発生。冒険者は他者をチェックする。顔を覚えられボス戦前または終わりに絡まれる確率が高まる。逆に利用し冒険者に顔を通すことも可能。索敵を使いタイミングを計れば回避することが可能です≫
ホントこのゲーム、変わったシステムが多い。仕方ないとこの時間を利用してここまでの取得品を確かめる。メニューから確認できるが≪ぶちまけコマンド≫なるものがあって試してみると文字通りぶちまけた。
「おおカッケエ」
このゲーム、所謂皮ペタじゃなく装備のグラも作り込まれているのでアイテムを見てるだけでも面白い。ドロップものは素材ばかりだが宝箱を幾つか開けた。
風の腕輪、木の指輪、クラウンシールド、コルトの木剣、ラカの実、揃わない巨人のボロ靴。用途不明の巨人のボロ靴が一番レアリティーが高いという謎。前に説明が入っているのでもしかするとアイテムにもユニークがあるのかもしれない。
防御が微量に上昇する木の指輪。魔物に装備させられると書いてあるがどうやって?っと思ったが近づけると大福の指に綺麗に描写された。
「おー」
防具は専用のものを作らなければならないが装飾品はそのまま魔物に身に付けさせられるようだ。枠は2つ。これは沼りそうだ。
「うおっ!?何すんだバワン」
バワンが怒って攻撃してきた。
≪TIPS、優遇し過ぎると魔物は嫉妬します。バランス良く愛情を深めましょう≫
「めんどくせええ。落ち着けって!大福もドヤ顔止めろっ」
「兄、何でゲームに喋ってんの。マイクもないのに」
「うおおっ!だからノックしろって。今からやるんだって」
ここで妹、奈々襲来。ボス戦前にカオスになった。