09-01 【身を守る物、作り上げる者】 Ⅰ
沢山の閲覧などいつも有難うございます。
この度総合評価が2000を超えました。これからも頑張っていきますね。
もう少しでヤスオ君のお話も次の段階に進みそうです。
森のサバイバルは一体どうなるのでしょうか。
―翌日
まさか寝過ごしてしまうとは…疲労がたたったのかもしれない。
外に設置しておいた焚き火がギリギリ消えてなかったのは助かった。これが消えていたらハウンドやウサギに襲われてしまう可能性がある。
ウサギ1体程度なら今の状態でも魔法を使えば勝てるが、複数出てきた場合やハウンドは流石にそうはいかない。
特にハウンドは結構この辺りを歩いてくるから、入り口を出来るだけ塞いだ上に【弱風】を使って内部の匂いを外に出さない工夫をしている。更に焚き火…ハウンドも火はやはり避けてくれたので、これで夜も安定しているのだ。
夜はずっと起きているので火を途切れさせる事は無いけど、朝から昼前に掛けての数時間…僕が休む時間は薪を多くして時間まで持たせるしかない。火魔法は直ぐ消えてしまうのでこういう時は役に立たないのが残念だ。
「ふぅ…これで良し。身体は…………問題ないな。」
足の噛み付き痕も塞がっている。
かなり深い傷だったのに痕も残っていないし、流石はまずいとは言えポーションなんだな、まずいけど。凄くまずいけど…どうせなら美味しいのが欲しい。
地球でもしこのポーションが市販されでもしたら大多数の医者とか廃業に追い込まれそうだな…病気等にも効いたら尚の事に。僕が見ていた小説や漫画でも魔法や魔法のアイテムは万能で…なんて場面をよく見たことがある。
実際に試してみるとその文章の意味も分かるような気もした。
この世界での医者とかはどんな感じなのだろうか、やはりアコライトっていう回復魔法使いが対応していたりするのかも、もし人里につけたら色々覚えたいな。
特に一番覚えたいのは鍛冶だ。
鉄を鍛えあげて剣を作る…今も大事にしている折れたショートソード、これを作り直してやりたいのだ。鍛冶屋さんに預けて直してもらうのも一度は考えた…が、出来ればこの剣は僕自身が直してやりたいのだ。
勿論僕に鉄を打つ技術も経験も無い、だからこそ鍛冶師の人に頼み込んで弟子にさせてもらいたいと思っている。一朝一夕で作れるものじゃないのは重々承知してるが、それでも僕は―
「ショートソードを自分で直して使いたいんだ…」
この気持ちは譲れない、譲りたくない。折れる前も折れた後も僕にとってあの剣はこの世界で手に入れた初めての宝物なんだ―
「よし…時間も遅いし今日はこのまま身体を休めよう。明日にはまた戦えそうだな…ハウンドかぁ、足首を守れる防具があれば…」
実はこの前足首に蔦を沢山巻きつけて簡易なレッグガードとか試してみたが、何の効果も無い上に締め付けられて痛いし歩きづらいしでなんの役にもたたなかった。素人の浅知恵は所詮素人の浅知恵だった訳で…
「所詮蔦だけじゃなぁ…皮を革鎧とかに出来る技術があれ…ば…!!」
脇に沢山重ねられているウサギとハウンドの皮…そして蔦などを見ていたらとても良い考えが浮かび上がった!
「…皮、これ腐ってないんだよな…2枚位重ねてナイフとかで穴を開けて蔦を通してやれば…防具っぽい物にならないか…!?」
幸いナイフはまだまだ使える。戦闘で使わなければ早々耐久度は消耗しないのだ。モンスターの皮を調整する為に切るのはもう何度もやっている。これらの皮を2~3枚重ねて自分の背中や胸、腕や足に合わせて切った後、端の部分をナイフで穴を開けて頑丈な蔦を何本も使って互いを止め合わせれば…
「そうだよ…! 鞣し方なんて分からなくても重ねあわせる位なら僕にでも出来るじゃないか!! くそっ! 何で今まで気が付かなかったんだ!!」
頭の中で【皮は鞣さないと防具に使えない】という前と同じ様な固定観念をもってしまっていた所為で、防具には使えないと初めから無理だと諦めてたのが原因だと思う。普通に貼り合わせても毛が邪魔だったりするがそんなのはナイフや牙などでそぎ落としてしまえばいい…本当に僕は肝心な所が抜けている…!
「よし! 早速作成してみよう! ダメでもともとだ!! どうせ皮なんて直ぐ集まる! 蔦程度ならこの辺でも十分取れるし、近場程度なら散策だって出来る! 善は急げだ!!」
今日はとても忙しくなりそうだ…!
―ヤスオは新たな知識を得た。
―前回の経験に伴い【武器防具作成:最下級】を覚えた。
―【努力の結果】
―【粗悪な】ファングスピア【24/24】を作成した
―【粗悪な】ファングスピア【26/26】を作成した
―【粗悪な】ファングスピア【19/19】を作成した
―【粗悪な】レザーアーマー【27/27】を作成した
―【粗悪な】アームガード【24/24】を作成した
―【粗悪な】レッグガード【31/31】を作成した
―【粗悪な】ネックガード【21/21】を作成した
―【粗悪な】革袋を作成した
―【粗悪な】レザーアーマー【27/27】を装備した
―【粗悪な】アームガード【24/24】を装備した
―【粗悪な】レッグガード【31/31】を装備した
―【粗悪な】ネックガード【21/21】を装備した
「やった…やったああああっ! 見栄えはアレだけど防具が作れたぞ!!」
時間は既に深夜になっていた。
あれからすぐに蔦や蔓などをかき集め防具作りを開始した所、新しく武具作成のスキルを覚えているのに気がついたのだ。お陰で少しだけ防具の作り方が上手くなったみたいで、さくさくと防具を作る事が出来た。他にも物を入れるための革袋も完成したので次からはいつもより多くの物を持ち運び出来ると思う。
折角武具作成のスキルを覚えたので同時にファングスピアも作ってみたけれど、これも前より格段に作りやすくなったし、作成時間も大幅に減った。こう…どこをどうすればいいか、どうやって作成していくのかが何となく分かるようになったし、力の入れ加減も前回よりかなり出来るようになったお陰で使用回数も2倍以上になっている。
作った防具も耐久度や防御力がちゃんと確認出来たので防具として使える事は間違いない筈だ。ウサギの牙で2倍重ねのハウンドの皮を何度か突き刺してみたけど、かなり衝撃を吸収してくれている。
「ゴワゴワして着心地は最悪だけど、これで結構防御力もあがった気がするな。対ウサギの牙用に脇腹を護る部分はハウンドの皮を使ってるからある程度は防いでくれる筈だ。」
足首や首を狙ってくるハウンド用にネックガードと足首を重点に皮を増やしたレッグガードも作成した。
歩きにくいしネックガードに至ってはかなりガタガタしてるが無いよりはマシ程度にはなっている筈だ。蔦も頑丈なのを何本も使っているので早々千切れないと思う。一応千切れた時の為に予備も持っておけば戦闘後などにでも修繕出来る。魔法での【修繕】は耐久度を回復してくれるが、こういう時はどのように作用するかも気になる。
もし壊れたとしても、材料はウサギとハウンドの皮だから倒していけば普通に個数も増やしていけるし、肝心な時に防具が足りないと言う事は無い。まだ多少は皮も余っているしどうにでもなる。
「防具としては使えると思うけど…さっきスキルを覚えたばかりの素人…それも僕が作ったものだから過信はしないようにしないと…攻撃は今まで通りよけきれなければ魔法で対処して行けばいいな。」
皮の盾を作ろうとも考えたが、肝心の盾の部分…木の盾の作り方がわからないから諦めた。武具作成のスキルは作ってる武器や防具の作成を手助けしてくれるけど、元々知らないものはどうしようもない様だ。
「探索中に足が痛む事もあまりなかったし、結構普通に動けたから明日防具をつけていつもより少し先を探索してみよう。もしかしたら何かあるかもだ。」
武器も防具も作れる様になったし、いよいよ本格的に森の外に出る準備は整ってきている。外に出れた時の事を考えて水瓶や食べ物を多めに用意して運べるようにしないと、ボロボロだけど袋も出来たし後はこの調子でいくだけだ。
作成は終わったので、作った防具と武器をしまい外の様子を確認してみる。
焚き火は問題なく燃えているし、雨の降る様子も無さそうだった。作成疲れで少々眠いけど、夜はまだまだ長いから寝る訳にはいかず、時間つぶしと勉強の為に魔法の本を読む事にした。
「んー…なんていうかこれ、知らない文字で書かれてるのに何故か日本語みたいな感じで理解出来るんだよな…読めない部分はそのまんま読めないけど、これもスキルや【知】が上がったら見えるのか?」
流石ファンタジー…
理不尽だけどそうじゃなかったら詰んでたのでこれはこれで良いです。ただ、人に出会ったらどうやって意思疎通を図るか考えないと…やはり一番簡単に身振り手振りでどうにかするしかないかもだ。コミュ症を患っている僕にはレベルが高すぎる…ヘタしたら踊ってしまいかねない。
一応【解読】のスキルで文字が読めるようになっているのだから、翻訳関連のスキルか魔法があると思いたいな。この場合はなんだ? 生活魔法とかに入るのだろうか?? もしくはお約束の【相手も日本語で会話してる】かもしれない…それだったら楽だな。
「それにしてもこれ…魔法の詳しい使い方とか応用とか書いてないなぁ…こういう魔法ですよって事しか書いてないし、そのへんは自分でやれって感じなのかなぁ…」
【火炎】はともかく【火球】はまだ上手く扱えない。自分で投げるってことでノーコンな僕には使えないと思っていたが、魔法は魔法で補正があるらしく一度投げたらある程度は誘導して飛んでいったので僕でも扱えている。見当違いの方に投げたらダメだったから、僅かの修正だけあるのかもしれない。
ちなみに戦闘で使った事はない…主に川で投げる練習をしてたりする。火力は覚えてる魔法の中では最高峰だし、今の僕ならハウンドも一撃で倒せると思うから出来るなら使っていきたいが…森の中はやっぱり厳しい…
「うーん……何も覚えなかったか。ま、そんなもんかな。」
次は風の魔法書、生活魔法の書と次々と読んでは色々シミュレートしていく。
魔法を使っての戦い方や武器と魔法を使った戦い方、逃げる時に使う魔法の事など…夜が明けるまでの間、僕はずっと本を読み戦い方の研究を行った―
―【粗悪な】レザーアーマー 防御力:3 ランク:E+ レア:C
なんとか防具の形状を保っている鎧。
動きをある程度阻害する上、防御力も耐久力も低い。
―【粗悪な】アームガード 防御力:1 レア:C
無いよりましな程度のアームガード。
動きをある程度阻害する上、防御力も耐久力も低い。
―【粗悪な】レッグガード 防御力:1 レア:C
無いよりましな程度のレッグガード。
動きをある程度阻害する上、防御力も耐久力も低い。
刺突系に対し耐性を持つ。
―【粗悪な】ネックガード 防御力:1 レア:C
無いよりましな程度のネックガード。
少し息苦しくなる上、防御力も耐久力も低い。