年に2〜3回の会合
年に2〜3回くらいある会合。
誰と?
どこで?
まぁ、本編をどうぞ。
半年に1度くらいか、早ければ4ヶ月に1度くらいのペースで、たまに会う。
僕が連休の時の、最初の休みの16時くらいかな、場所は大阪環状線のとある駅前である。
「おつかれさまー」
控えめに手をあげる。
僕の父親だ。
僕はお酒は飲むか飲まないかでいうと、まぁまぁ飲んでいたほうだった。普通に飲んでも酔うし、つぶれないというわけではないけども、弱くはないという感じ。
だいたい生中で言うと20杯くらいかな。もちろんビールばかりということはないんだけど、なんでも飲んでいた。
でも、数年前に、アルコールを毎晩飲む生活はやめた。色々な理由はあるけど、1番は健康のためかな。散歩を定期的にするようになったのも、たしかそのあたりからだったと思う。
でも、お酒を完全に飲まなくなったわけではなくて、年に数回の父親との会合や、友人との食事のときには飲む。
今回はおよそ半年ぶりの会合だ。
「今日は環状線ちゃんと乗れたん?」
「うんうん、今日は乗れたで」
大阪環状線という、大阪市内をぐるぐる回っている路線なんだけど、
よく乗っていた時は、内回り、外回りもわかってたような気がするのに、たまにしか乗らなくなると、どっちがどっち方面かわからなくなるのだ。
同じホームに、向かい合わせに内回り、外回りがくるから余計にややこしい。もう分からない時は、とりあえず来た電車に乗って、方面が違ったら、次の駅で折り返すという方法も取っていた。
というわけで、今回はちゃんと乗れた。
「じゃあいこかー」
だいたい父親との会合は2軒で終わる。
そして、1軒目は立ち飲み屋さん。最近テレビで言ってた名前で言うと、角打ち?という部類になるのかな。
駅から歩いて3分くらいのごちゃごちゃ居酒屋やら焼肉屋やら、パチンコ店が並ぶところに、その立ち飲み屋はある。
いつもなのか、たまたま行く時がそうなのかはわからないけど、ほぼいつも満席に近い状態だ。
「いらっしゃい!おっ、どうも!」
父親の行きつけのとこらしく、だいたい店員の誰かが知っているぽい。
「2人〜」
指でピースしながら、人数を知らせる。もうすでにいつから飲んでるのかわからない人もいたり、さっき来たばかりなのかなという感じのお客もいたり、
最近の立ち飲み屋さんの感じなのか、老若男女さまざまな客層だった。
はじめはいつも瓶ビールの大瓶だ。
「あと、ポテサラと土手焼きちょうだい」
父親が頼む。
はじめだけ、お互いに注ぎあって、あとは手酌でいく。
「おつかれー」
もちろん仕事はしていない。でもなんとなくおつかれとグラスを合わせる。
特に色々話すことはないんだけど、なんとなく仕事の近況とかを話す。
「ヒラメとサンマの刺身〜」
おかわりのビールを頼む時くらいに、魚を注文する。
「そういえばアッコは元気なん?」
僕には兄貴1人と、妹が2人いる。兄貴は東京で暮らし、今名前が出た上の妹アッコは、地方で農業をしている。ちなみに下の妹は親と同居だ。
「あー、結構慣れてきたみたいやで。トラクターの免許も取って運転したって言うてたわ」
「へぇ〜、すごいやん」
家によって、兄妹って、仲良しだったり、仲悪かったり色々あると思う。
僕の兄妹はと言うと…正直に言うと、そんなに仲良くはない。こうやって、たまにあう父親に兄妹の近況を聞くくらいだからね。
ビールの2本目と、はじめのアテがなくなってきた頃に、次は冷酒を飲む。あまり日本酒の種類は知らないんだけど、父親のすすめで賀茂鶴という酒を頼んだ。
「へい、賀茂鶴いっちょう!」
ここは冷酒を注ぐ時も、グラスを入れる入れ物はなくて、グラスをカウンターに置きそのままなみなみと注ぐ。表面張力になるくらい注ぐので、グラスは持たず口から飲みにいかないといけない。
「うまっ」
冷酒ははじめの一口がやはり美味い。
「おっちゃん、くじらベーコンと、チューリップちょーだい」
アルコールが入ると、アテの注文のペースも上がる。
もうこのあたりになると、兄妹の近況とかもそんなにどうでもよくなる。
「お母さんは最近どうなん?相変わらず?」
「みんなからメールこーへんてうるさいで〜、たまにはメールしたってね」
「あー、そうなんや。まぁ月イチくらいで送るようにするわ」
次におでんの大根とこんにゃく、たまごを頼む。
食べすぎると、次の2軒目でいつも怒られるので、なるべく控えめにする。
「お父さん、もうハイボールにしよかな」
父親は自分のことをお父さんと呼ぶ。僕は冷酒おかわりしようかなと悩むけど、もう最近はだいぶ弱くなってるので、同じくハイボールにする。
「そういえば、前にマンションの屋上で、ブルーインパルス見たで」
え、何それ。
「あれやん、万博のんで空飛んでた戦闘機やん」
「あぁ、そうなんや」
動画を撮ったらしいのを見せてもらったけど、豆粒みたいにしか撮れてなくて、全然わからない。
「次頼んだら、ここは終わりにしよか」
最後にチューハイのプレーンを頼む。父親はハイボール。
「もうアテは大丈夫?」
「うんうん、今食べすぎたら、次また怒られるで」
「そやな。前もそうやったわ」
滞在1時間ほどで、立ち飲み屋を出る。
2軒目は地下鉄に何駅か乗る。
ちょうど帰宅ラッシュの時間だと思うが、こんな酒飲み2人と一緒になって、さぞかし他の乗客は迷惑に違いない。
電車を降りて、改札を出て、5分くらい歩く。
次のお店は父親の職場の同期だった人がやっているお店だ。小料理屋みたいなとこだけど、フレンチの修行をした人で、店構えはなんか喫茶店を居抜きで買って、そのまま居酒屋にしたような妙な造りだ。
「いらっしゃーい♪あっ、今日は息子くんと一緒なんやね〜」
夫婦でやっているお店だ。
「なんか美味しいもん食べてきたんかいな」
父親の同期のマスターが聞く。
「まぁちょこちょこやな」
マスターが僕のほうを向いて聞く。
「息子くん、焼き鳥とウナギ食べるやろ?」
「うん、食べたい」
いつものことなんだけど、そんなにお客が来ない店なので、その時に余ってる食材を、僕に無理矢理押し付けてくるのだ。
「そんなとこが好きやわ。いつもありがとうな」
ホントに調子のいいマスターである。
このマスター、数年前に1度脳梗塞で倒れて、しばらく店も休んでたんだけど、少し前に復帰して休みながらだけど、営業している。
まぁまぁお腹はいっぱいだけど、生ビールを頼む。
もうこのあたりになってくると何を何杯飲んだかあやふやになってくる。
マスターが鰻で鰻巻きを作ってくれた。この鰻巻きがめちゃくちゃ美味い。
だいたいここに来たら食べている。
そして、飲んでいるうちに、父親の知り合いの人達がちょこちょこやってきて、しゃべりかけてくる。
父親はいい感じになってくると、自分の知り合いと勝手に喋りだすし、僕は放置なので、なんか父親の後輩さんみたいな人と、謎に喋ったりしている。
今回は美味いカレー屋さんの情報を聞いた。携帯にメモで書いておく。
そして、もうお酒もまぁまぁ回ってきていて、父親がそろそろ。といってお開きにする。
………
朝だ。
知らない間に家に帰っている。
なぜか謎の菓子がコンビニの袋に入って、転がっている。
少し頭が痛い。
メールを父親にいれる。
『ごちそうさまー、なんかわからんけど、無事帰れてたわ』
携帯のメモに
‐尼崎 ぎゅうかもしか カレー‐
謎のメッセージが書かれている。
体がだるくて、お風呂にはいるのもしんどい。
しばらく寝転んでいると、父親からメールが。
『おつかれさん。お父さんお金ちゃんと払ってたやろか』
こんな時、やっぱ親子なんだなぁと、感じるのであった。
おわり
何を話すでもなく、たまにボソボソと喋るだけでも、
それでなんかいいのかなと思ってます。
きっと兄妹が集まっても同じ感じになりそうです。