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ネクロ・ロロ・ロマンス! ~ネクロマンサーの学園ゾンビ娘ハーレム恋物語~ - 五人目の眷属
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五人目の眷属

 空からは毒の羽根の雨が降り。


 全方位から、コカトリスの大群が押し寄せる。


 第六騎士団は、総勢四十名。

 半数は、治癒術師。


 百匹のコカトリスと、巨大なコカトリスの王を相手に、どこまで戦えるか。


 デイズは、上空から襲い掛かる羽根の雨を、爆炎で吹き飛ばし、地上のコカトリスたちに向きなおる。

 全力で走って来る、猛毒の(にわとり)が百匹。


 いつもと同じように、空を駆け回ると、毒の羽根の集中砲火を食らう。

 地上を走るしかない。


 デイズは、最接近したコカトリスたちに、紫の爆炎を放つ。


 だが、コカトリスたちは機敏に横に避け、炎に巻き込めたのは三匹ほどだった。


 炎を()けざまに、羽根を飛ばしてくるコカトリスたち。

 デイズは、足から火炎を放ち、その勢いで何とか避ける。


「危なっ!」


 今は靴も靴下も脱いでいなかったため、靴が燃え、足から靴の残骸が、焼け焦げて落ちて行く。

 しかし今は、そんなことを気にしている場合じゃない。


 デイズの元へ、数匹のコカトリスが跳びかかって来る。


 デイズは、右手を上げて迎撃しようとした。

 だが、右手が上がらない。


「えっ?」


 右腕を見ると、麻痺の毒羽根が刺さっていた。




 目の前には、数匹のコカトリスが。




 デイズには、鋭い嘴と、脚の爪が見えた。




 左手の炎で迎撃しようとする。


 だが、間に合わない。


(え?ここで死ぬの?)


 あの悪夢が、頭に蘇る。


 あのマンティコアに引き裂かれる悪夢。


 それが今、コカトリスたちにより、現実となろうとしていた。


 いくつかの嘴が、デイズに突き刺さろうとする。




 その時、デイズの真横から、夕日に輝く鎧の背中が飛び出してきた。


「ぬうううんっ!」


 その鎧、第六騎士団長は、稲妻を(まと)った大剣で、デイズの目の前のコカトリスたちを斬り払う。


「だいじょうぶか!ブラスター男爵令嬢!」


 デイズは、動く左手で、別の方向から来たコカトリスに火炎を放つ。

 一匹だけ葬り去る。

 デイズは、騎士団長に叫ぶ。


「右手、やられました!」

「うむ!治癒、一名願う!」


 騎士団長の声を聞き、後方から鎧を着た男性の治癒術師が、毒羽根を受けないように頭を低くして、デイズの元へ駆け寄る。


「回復します」


 麻痺の毒羽根を、デイズの右腕から抜く治癒術師。

 抜いた瞬間だけ、激痛が走った。


「痛っ!」

「すみません」


 治癒術師の手が淡く光る。

 それを羽根の刺さった部分へかざした。


 数秒すると、右手が(かす)かに動くようになった。


 その間にも、一匹、コカトリスがデイズたちへと襲い掛かる。

 デイズは、動く左手から炎を放つも、コカトリスは素早いバックステップで、炎を(かわ)した。


 一匹一匹が、強い。


 数でも負けている。


 横目で騎士たちを見ると、既に何名かが倒れている。

 治癒術師たちが、重傷者を癒しているのも見える。


 騎士団長が、稲妻の大剣で、孤軍奮闘(こぐんふんとう)している。


 だがそこに、飛んできた毒羽根の雨。


 騎士団長は鉄の鎧を着ていたため、ほとんどが鎧で弾かれた。

 しかし、騎士団長の鎧の隙間に、刺さる羽根。

 腕が麻痺して、大剣をその場に落とす騎士団長。

 脚にも羽根が刺さっている。

 立てなくなった騎士団長は、その場に倒れ落ちる。


 そこに、コカトリスたちは、脚を上げ。

 鋭い爪が突き刺さろうとしている。


「団長!」


 デイズは、足から炎を吹き、倒れた団長の真上の宙に(おど)り出る。

 まだ完全には動かない右手。

 左手を、コカトリスたちに向ける。


 デイズの左手から、紫の炎が上がる。


 だが、コカトリスたちは、俊敏(しゅんびん)にそれを避ける。


 倒れた騎士団長の鎧の上に、大きな音を立てて、落ちるデイズ。


 炎を(かわ)したコカトリスたちは、鋭い爪をデイズに向けた。


 鉄の鎧の上に落ちた衝撃で、動けないデイズ。


 動けないのは一瞬だけだが、その一瞬が生死を分ける。


 迫る、爪。


 迫る、死。


 だがその動けない一瞬、デイズの目は、あるものを映していた。







 それは、空の彼方から、飛来する。




 一本の、矢。




 その矢は、まるで生きているかのように、うねり。




 軌道を無視して、デイズの目の前のコカトリスたちに襲い掛かる。




 その矢の威力は凄まじく、十匹ほどのコカトリスを、次々と貫いて行った。


 一本の矢が、まるで高速で動く蛇のように。


 それに食らいつかれ、絶命してゆくコカトリスの群れ。


 コカトリスの血が、飛沫(しぶき)となって、舞い散る。




 あれはきっと、()()の矢。




(ロロ!)







 灰色の村の、小高い墓場の丘の上で。

 がしゃどくろは、腕を組んで仁王立(におうだ)ちをしていた。

 そして、がしゃどくろの骨の頭の上には。


 ロロと、


 長い弓を持った、女性が。




 その女性は、白いブラウスと白いロングスカートに革のブーツと、服装こそはただの町娘(まちむすめ)

 明るい茶色の長い髪の毛は、左右の三つ編みのお下げにして。

 青白い顔には、丸い眼鏡を掛けている。


 しかし、その左手には、女性の背丈よりも長い、黄金の弓。


 彼女こそ、ロロの五人目の、最後の、眷属(けんぞく)


 超長距離攻撃を得意とする。


 元S級冒険者。


 リリアナ。


 リリアナ・”ザ・シューティングスター”・スピカ。




 ロロは、アイからの視界共有魔法で、目の前の宙に映し出された、デイズたちの映像を見ている。

 なんとか、デイズを救うのには間に合ったようだ。


「リリアナさん。十体撃破。すごい」


 ロロは、リリアナの矢を称賛(しょうさん)する。


 リリアナは、恥ずかしそうに呟く。




「デュフフ。キタコレ。

 今のは、ロロ()的に、ポイント高いんじゃないっすか?」


「もちろん。最高だよ」


「フヒッ」


 リリアナが、嬉しそうに笑う。


 リリアナは、腰の袋から、何かの種を取り出した。

 リリアナの指で挟まれたその種は、突然に芽を出し、枝を伸ばし、みるみるうちに、木の矢へと変化していった。

 その矢は、本来は矢羽根(やばね)が付いているところには、螺旋状(らせんじょう)に葉が生えている。


 秘宝である、黄金の弓に、木の矢をつがえるリリアナ。


 リリアナは、(つる)を引き絞り。


 眼鏡の奥の茶色の瞳が、金色に輝く。


 リリアナが使う、千里眼の魔法だ。


 リリアナの矢は、地平線のさらに向こう側の敵を打ち抜くことができる。


「ロロ氏。第二射、行くっす」


 リリアナは、矢を放つ。


 その矢は、風に乗り、音速を超え、生きているかのようにうねり、獲物を目指す。







 デイズは、自分の下敷きにしてしまった騎士団長を、なんとか起こす。

 鉄の鎧が重い。


「団長、だいじょうぶですか?」

「うう、何が、起きたんだ?」

「ロロです!ロロたちが助けてくれたんです!」


 デイズは、以前に墓場の村で、ロロの眷属であるリリアナとも会ったことがある。

 S級冒険者。

 それは、大魔法使いと同じく、世界に数人しかいない、英傑(えいけつ)

 リリアナ・スピカも、ティナ・シール・ベルモントと同じく、帝国に知らぬ者はいない、超有名人だった。


 デイズは、百年前の英雄のティナ・シールと、亡くなったはずの現代の伝説リリアナに会えて、興奮が治まらなかった記憶がある。


 彼女の矢が、デイズを救ってくれた。


 デイズの目から、涙が(こぼ)れた。




 目の前のコカトリスたちは、いきなり仲間が矢に撃ちぬかれ、何が起きたか分かっていない様子だ。

 デイズはその隙に、騎士団長を、治癒術師たちの元へと運ぶ。

 コカトリスたちは、それを見て、デイズたちに向き直った。


 だが、次の瞬間。


 リリアナの二本目の矢が飛来し、またもや高速の蛇のようにコカトリスたちに食らいついていった。


 穴の空いた胴体から血を流し、倒れて行くコカトリスたち。


 今度は、十二体を撃ち抜いた模様。


 急激に数を減らして行く、コカトリスの群れ。


 デイズは、治癒術師たちに、麻痺した騎士団長を渡す。

 騎士団長のことは、治癒術師たちに任せることにする。

 治療が途中だったデイズの右手も、完全に治してもらった。


 今、自分がやるべきは、敵を焼き尽くすこと。




 デイズは、再び髪と目を紫に変色させ。


 両の手のひらから、炎が(ほとばし)る。


 コカトリスの群れの向こうには、おそらく群れを統率しているであろう、巨大なコカトリスの王。


 ロロたちが見守ってくれていると思うと、力が湧いてくる。



 炎の風圧で、紫になった髪がなびく。




「さあ、勝負だ、ニワトリども」




 デイズは、足から炎を上げて、コカトリスの群れへと駆けた。










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