詩: 日常の中のふとした気配
掲載日:2026/02/13
朝の食卓で
冷めかけたコーヒーをひと口
その苦さの奥に
昨日の自分がまだ澱のように残っています
通勤電車の窓に映る
ぼんやりした横顔
誰のものでもないようで
確かに今日の私のもの
帰りに寄ったスーパー
エコバックから飛び出す長葱を見て
なぜか胸の奥が
少しだけあたたかくなります
わが家への帰り道
マンションの灯りが
ひとつ またひとつ
知らない誰かの生活を照らしています
今日も
誰にも気づかれないまま
そっと息をしているものたちが
私を支えている
そんなことを思いながら
鍵を回すと
静かな空気が揺れて
「おかえり」と迎えてくれました