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クラージュ・イストワール - 第1節 首都アテネへ/急行
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クラージュ・イストワール  作者: Hanna
第Ⅲ章 魔法工学先端国 オリュンポス諸国 編 ―小さな光と大きな闇―
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第1節 首都アテネへ/急行

 第三章、開幕。そこは、魔法と工学が両立する国、名を『オリュンポス諸国同盟』。

 国に襲いかかる魔物、様々な自然現象。神々の伝説が色濃く残る大地で、焔たちが見るものとは?

 “まさかとは思ったけど……ルキウスの戴冠に、アクテちゃんとの再婚、祝いたかったなぁ”


 焔は、地中大海にて、乗っている船から目的地の都市を眺める。彼女が乗る船は、帆を張るものではない。

 魔力水晶体と呼ばれる魔力(エーテル)の結晶体をエネルギーとし、エンジンを稼働させると言う魔法と工学が合わさったものだ。

 ソフィーが教えてくれた通り。魔法工学と言う技術を持つ先端の国だ。



 事の始まりは、一昨日のこと。首都ローマにて、急用が入った。


[焔!今すぐ、騎士団のテントに来てくれ!]


 焔はスマホに連絡が入り、急いでテントに向かう。テントの会議室に入ると、騎士団団員とルキウスが全員集合しており、見知らぬ公爵らしき男性が一人が席に座っていた。

 すると、焔より遅れて、クーが入って来た。


「……アンタ!アルケイデスの父ちゃん、ミュケナイ公爵じゃねぇか!」


「おぉ!貴公は、クー・フーリン殿ではないか!無事で何より!」


「あ、兄貴。知り合い?」


「この間、アルケイデスってヤツを教えたろ?あの人は、ソイツの父ちゃんだ。」


 クーは、焔に説明した。少しして、ミュケナイ公爵は白銀騎士団にある話を打ち明ける。

 オリュンポス諸国同盟の首都アテネにて、世界の安定を測定する特殊な望遠鏡から最大の危機が訪れる事が観測されたと言う。

 これを機に、オリュンポスは魔物が度々押し寄せる事が多くなったという。機関は様々な対策を行ったが、推し量ることができず、他国の力を借りようとしたとの事。


「それで、我がローマへと言う訳だな。しかし、今は、自国の体制を整えるのに、時間がかかっている。力を貸したいところだが……。」


「その任務、俺たちの方で預けてもらいませんか?ルキウス陛下。」


 ルキウスの言葉を聞いて、ある人物が声を上げた。


「フロリマール……。」


 フロリマールは、自らその事を提案したのは初めてだった。

 彼は、王子として果たすべきモノもあったが、人として放っておく訳には行かないと言う思いが強かった。


「ルキウス陛下は、ローマ体制を整える事もありますが、忙しい時期ですから、ここは俺たちに。」


「……うむ。貴公らには、ローマ救済の恩もあるし、これから盟友として歩む仲だ。ならば、その任務、ルミソワ白銀騎士団に任せよう。」


「ありがとうございます!ミュケナイ様。このフロリマール。ルミソワ王国第三王子として、オリュンポス諸国同盟に協力致しましょう。」


 “フロリマール……”


 フロルドリは、そんな彼の姿に見惚れてしまったが、すぐに我に返る。そして、オリュンポス諸国同盟へ向かう班として、焔、アーサー、アールシュ、ロラン、ルノーとなった。

 アッシュは焔と共に行きたかったが、騎士団長と言うこともあり、残る形となった為に拗ねてしまった。また、焔とアールシュは、クーとハイタッチして見送ってもらった。



 そして、焔たちは、無事にオリュンポス諸国同盟の首都アテネへ到着。ミュケナイ公爵により、街の中を行くと、焔以外の彼らは見たこともない光景を見る。


「あれは、一体、何でしょう?」


「箱が、路面を走っている?」


 ロランとルノーは、見たことの無い乗り物に驚いて、何なのかと不思議に思って首を傾げる。彼らとは反対に、焔は興味津々だった。


「おぉ!路面電車じゃん!ここだと、どんな仕組みなんだ?」


「姉さん。あの乗り物、知ってるの?」


「キュウ?」


「え?あぁ、まぁね。」


 “あっぶねぇ。懐かしさがぁ……”


 焔は、アールシュの質問とアーサーの反応に我に返る事ができたが、ヒヤッとした。異世界の者だとバレたら、それはそれで複雑な説明をしなかてはならない。

 ミュケナイ公爵は―


「見慣れない風景でしょうが、ここ十数年でアテネは、魔法工学により急成長したんです。」


 と説明する。

 確かに、他国とは比べ物にならないくらいに技術が発展しているのは伺える。彼らは、街を歩いて行くと、一軒の豪邸に辿り着いて中へ入った。

 そして、屋敷の中で大きな書物室へ辿り着くと、ミュケナイ公爵はオリュンポスの危機の詳細を語り始めた。


「改めてだが。数年前、このアテネで、世界の安定を測定する特殊な望遠鏡・ニーケーから最大の危機が訪れる事が観測された。

 これを機に、オリュンポスは魔物が度々押し寄せる事が多くなった。防衛機関は様々な対策を行ったが、推し量ることができず、他国の力を借りる事にしたんだ。」


 ミュケナイ公爵は続ける。オリュンポスは地中海に地震観測器が置かれ、天候観測機では世界の天候を調べる事が可能らしい。

 海洋地震観測器・トリトンが、海で震度1規模の地震が時間差はあるものの一年中続いて観測している。また、天候及び天空異常観測機・ウラノスは、空の向こう側に観測不能のモノがあるとの事。

 余談だが、東の方で謎の雲が天空と大地を阻んでいる様子が映っていると話す。


「そして、貴方がたにアテネ剣魔術学園への留学生として、オリュンポスの調査協力を願いたいのです。」


 焔とアールシュは聞いた事もない場所だった為、首を傾げる。反対に、ロランとルノーは、その学園を知っている様子であった。特に、ルノーは渋みのある顔になっている。

 彼らによると、魔術と剣術を同時に学べる有名な学園らしく、誰もが憧れる学校だと言う。ミュケナイ公爵は、学園には優秀な生徒たちが魔獣討伐の出撃命令を受ける事もあると言う。


「それに、神々は、以前より慌ただしい様子で。アテネだけでなく、オリュンポスの人々も魔獣の出現で怯えてしまっています。貴方がたの客観的な意見を取り入れようと、考えた次第です。」


 と、ミュケナイ公爵は伝えた。


「そう言う事でしたら、お任せを。人員が少ない故、情報として成立するかは分かりませんが。必ずや成し遂げてみましょう。」


 とロラン、


「ミュケナイ公爵様の御気持ちは、私としても御最もでございます。我らと学園の生徒ら、オリュンポスの人々と共に、オリュンポスの危機の謎を突き留めましょう。」


 とルノー、


「よ、よろしくお願いいたします。」


「よろしく、お願いします。」


「キュ!」


 焔は、頭を下げて言う。アールシュとアーサーは、彼女に続いて一礼して言う。

 ミュケナイ公爵は、忝いと頭を下げた。予定では、明日には留学生として学園に入るらしく、服装はそのまま、寮制学校で部屋を借りて生活する事になり、かかる費用は全てミュケナイ家で賄うと言う。焔たちは、ミュケナイ公爵に改めて感謝を述べた。

 その後、アールシュ、ロラン、ルノーは、明日の為の支度をしていた。しかし、焔はアーサーを連れて、ミュケナイ公爵の案内である場所へやって来た。屋敷から数十分、アテネの一番高い場所で青、赤、黄色で鮮やかに彩られている。


「ミュケナイさん。ここは?」


「ここは、祭りや儀式以外は禁止領域です。神々が後に来る勇者の為に残せと言う伝承があり、数日前にマーキュリー様が、このオリンピア=ゼウス神殿へ参られよと伝達に来て下さったんです。」


「伝令の神・マーキュリー様、ですか?」


「えぇ。貴女の見た目、特徴、マーキュリー様が仰っていたんです。お会いして、貴女は只者ではないと感じます。」


「え?えぇ?!と、とんでもない!二年以上とはいえ、私は騎士になったばかりです。それに、勇者と言う特別な人間ではありません。武器を持たない人、力を持たない人より、少し強いくらいです。」


「それでも、マーキュリー様が言う事に変わりはありません。なにせ、手紙の送り主は、ゼウス様だった為、これは驚きましたが……。」


「ゼ、ゼウスッ?!全能の神様が、ですか?」


 焔は、予想もしない人物からの依頼に吃驚する。ミュケナイ公爵は、彼女の反応に本当に驚いたと話す。


「さぁ、中へお入りください。お供したいのは山々ですが、神性の領域故、ここまでしかお供できませぬ。」


「わ、分かりました。」


 焔は、気を引き締めて神殿の中へと入る。薄暗い為、スマホの灯りで周囲を照らして奥へ進む。そこには、玉座に座る大きなゼウスの像があった。


「これが、ゼウスの像。凄い迫力‼」


 アテネと言えば、焔の元の世界にも存在し、世界遺産にも登録されているパルテノン神殿を思い出すだろう。その建築技術や彫刻美術は現在でも高く評価されている。日本では、ある寺の柱にその技術があるのだとか?

 しかし、オリンピア=ゼウス神殿と言う場所は初めてだった。ちなみに、ゼウスに捧げる祝祭は、四年に一度開催されるオリンピックである。当時は、女人禁制だったらしいが、現在は皆平等に参加・観戦する事が出来る。

 焔は知識不足を思い知らされるが、知らない場所に来るのも悪くない、と感じていた。


「フフフ、儂を褒めるとはなかなか良い目を持っておるな。」


 と。突如、声がして焔とアーサーは辺りを見回す。


「ほれ、こっちだ。石像を見てみろ。」


「うわぁぁぁッ‼」

「キュウゥゥッ‼」


 石像の方から声がして振り返ると、目の前に石像の顔があった為、彼らは驚いてしまう。


「ワッハハハ!人と言うのは、不思議で面白いものだ。」


 と、石像のゼウスは喋る。どうやら、神々が住まう山……オリュンポス山から直接話しかけている様だった。普通なら信じられないと驚くのだが、ゼウスとなれば容易い事なのだろうと焔は悟ってしまう。


「お、お会いできて光栄です。全能神のゼウス様。わ、私は、式守焔と言います。貴方から御用があるとミュケナイ公爵様からお聞きいたしました。」


「ははっ、そんなに緊張せずとも良い。お前さんが儂らオリュンポスの神々を知って、色々思う事はあるも敬意を示している事は分かっておる。」


「あ、ありがとうございます?」


 焔は、ゼウスに一礼する。と言っても、神々に軽々しく話すことなど容易くはない、否、無礼である。そして、彼女は大いなる全能神・ゼウスと話をするのだった。

読んでくださいまして、ありがとうございます!

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

焔:まさか、こんな事になるとは思わなかったな。でも、町並みは結構、私の世界に似てて安心する。

 と、ここで『イリュド豆知識!』。オリュンポスに伝わる神話は、私の世界で言う“ギリシャ神話”なのですが、主な内容としては―


 人間と同等の感情を持った神々の愛憎劇が繰り広げられる物語


 だ、そうです。まぁ、でも、明らかにチートだって言う面白おかしな逸話もあるからね!

 次回『第2節 アテネ剣魔術学園へ』、お楽しみに!

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