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【第二章終】耳兜の冒険者~あいつに聞かれるな・目を合わせるな・関わるな~ - エルフの教え
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エルフの教え

エルフの里に住み始めてから半月が経過した。

 当初はノエーテ親子とメル以外と交流がなかったけど、最近は少しずつ他のエルフ達とも交流をしている。

 例えば隣に住むドマおばさんは昔からエルフの里で作られている料理に詳しかった。


「あんたぁ! 冒険者なんだってぇ!(なんだかぬぼっとしてるねぇ!)」

「そのつもりですね」

「だったら保存食の作り方くらい知ってるんだろうねぇ!(知らなかったら承知しないからねぇ!)」

「知らないんで教えてもらえますか?」

「正直で気に入ったねぇ! こっちに来なッ!(今夜は帰さないねぇ!)」


 オレ、どうなるのよ。しかもまたぬぼっといただきました。

 とにかく冒険者の必需品である保存食の幅が広がるのはありがたい。

 特に乾燥肉なんかの保存食の作り方は本当に勉強になった。


 ただ教え方はマジでスパルタで、バシバシ背中を叩かれる。

 ドマさんが作った乾燥肉を食べてみたら、保存食にしておくにはもったいないくらいおいしい。

 もう一つはエルフ特製ザワークラウト、これは肉じゃ補給できない栄養素が摂取できる。

 

 味付けも千差万別で、中には激辛なんてのもあるからこの世界は深い。

 ただし激辛はお腹が大変なことになるから、これは旅には不向きだな。

 これをエルフ達はバクバク食べているんだから、また一つ壁を感じた。


 他には薬草と毒草の種類とか、覚えることはたくさんある。

 これに関しては里一番の薬師がいるみたいだ。

 ノエーテの母親と仲がいいみたいで、よく二人で薬草談義をしているとか。


 あの母親と仲がいいのか。うん。

 メルの紹介だから心配はないと思いたい。


「ルオンは薬に興味があるのか?」

「怪我をした時や護身に使える気がしたからね」

「ふむ、君はいい夫になるぞ(将来性良し、父が認めただけはある)」

「その予定は微塵もないよ」


 とにかく紹介されたから会いにいってみよう。

 と、その前に。


「ノエーテ、そろそろ堂々と出てきていいよ」

「ギックゥゥ!(なんでバレたの!)」

「お前、ずっと前から尾行してきているだろ。下手すぎてバレバレなんだよ」

「たまたま行先が一緒だっただけだし?(さすが現役冒険者!)」


 冒険者は関係ないけどな。

 てっきり魔道具作りに没頭してるかと思えば何をしてるんだか。

 オレがメルと一緒に行動しているのがそんなに気になるみたいだな。

 

 メルはメルでもちろん気づいていたと思うけど。

 もじもじする妹を一瞥してから、ふいっと踵を返す。

 おぉ、辛辣。これはダメージでかいぞ。


「あそこが薬師の家だ(いい傾向だ。だが私は絶対に情けをかけんぞ)」

「助かる」


 姉に無視されたノエーテは心の声すら聞こえない。

 絶句というやつか。姉妹の問題だからオレから何か言うことはない。


(お、お姉ちゃん。前は色々うるさかったのに……)


 見放されたと解釈するのが当たり前か。怒られているうちが花とも言うからな。

 これ以上はノエーテが踏み出すしかないだろう。

 こうなるまでに至ったのはノエーテのせいだ。自分の負債は自分でなんとかするしかない。


「ノキア、いるか?」

「はいですわぁーーー!」


 案内された薬師の家を訪ねると、やたら軽快な返事が返ってきた。

 ドアが開かれると、一際耳が尖がっていて背が小さい紫髪の子どもエルフがいる。

 お子様かな? 元気でよろしい。


「メルさん! どうかされたんですの?(きゃーーーー! メルお姉様ぁーーー!)」

「ルキア。今日は客を連れてきた。お前も聞いているだろう。王都から遥々とやってきたルオンだ」

「あーー! はい、承知しておりますわ! 初めまして、わたくしノキアと申しますの!(メ、メルお姉様が連れてきた、男の子?)」

「冒険者として見聞を広めたいようでな。無理のない範囲で、ルオンに薬のことを教えてやってもらえないか?」


 オレが頭を下げるとノキアも応えてくれた。

 うん、まぁ普通ではないな。

 いや、ヘッドホンがなければきっと綺麗な世界だけを見ていられるんだろうけど。

 エルフの見た目と年齢はよくわからんけど、何歳くらいなんだ?


「急に押しかけて悪かった。よろしく頼む」

「ようこそいらっしゃいましたわ! 奥へどうぞ!(むーー、テトリイドキシンとエミアクアルを足して二で割ったような顔ですわね)」

「どうも」


 たぶん薬品名か薬草名なんだろうけど、まったくイメージつかんぞ。

 まぁどうせぬぼっとしてるんだろ? わかってるって。


 見事に独特の匂いで室内が充満している。

 壺やビンには見たことがない液体が入っていて、コポコポと音が鳴っている。

 そしてなんとそこには見慣れた奴がいた。


「エフィ、お前なにしてるんだよ」

「ルオン君! なんか面白そうだから、色々と教えてもらってるの!」

「お前が薬を?」

「匂いがいいよねぇ!」


 薬の匂いで意外な奴が釣れたな。

 エルドア公爵の屋敷でも、ドドネアさんに魔法を教えてもらっていたから不思議じゃないか。

 クッソデタラメに生きていそうだけど、学ぶことが嫌いじゃないのはわかる。

 こうしてなにか興味が持てることに出会えたなら、窮屈な家を出た甲斐があったんじゃないか。

 

「エフィさんはここ最近、ずっと通い詰めてますの。すでに薬草の調合なんかも覚えてますのよ(ぽわっとしてる割に見込みがあるんですの)」

「意外だな。いつからだ?」

「半月前くらいですわ」

「ほぼ里に到着した時じゃん」


 そういえば、朝食の後はいつもふらっといなくなっていたな。

 迷惑をかけない限りは特に何も言わなかったけど、まさかオレより先にここに辿りついていたとは。

 魔法に続いて薬に関してもエフィに軍配が上がるか。

 得意なことがあるのはいいことだ。


 それとぽわっとしてるってのはめちゃ同意だぞ。

 ぬぼっとしてるなんて目じゃないくらい的確だ。


 ノキア、思ったより変人度が低くて助かる。

 あのノエーテの母親と仲がいいなんて言うから、やべぇのが出てくると思ったよ。


「ではノキア、後は頼む。私は(おさ)と話があるのでな(例の対策を本格的に詰めなくてはな)」

「はいですわ。ごきげんよう(伝説の魔獣……やはり長も頭を抱えているの?)」


 おい、ちょっと待て。

 なんか不穏なワードが聞こえたんだが?

 せめて詳細を吐いてからいなくなってくれ。


 いやいや、ルオン。落ち着けって。

 早とちりはよくない。

 物騒なワードを聞いて取り乱すところだったけど、部外者のオレ達には関係のないことだ。

 オレが巻き込まれるとかあり得ない。


「えー、なんでした?(魔獣……やっぱり封印が持たなくなっている?)」

「頼む」


 心ここにあらずみたいになってない? 大丈夫?

 あまりに深い話なら、ちょっと急用を思い出したんだけど?

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― 新着の感想 ―
[良い点] ルオンさん、ぬぼっとwエフィさん、ぽわっとw 【魔法に続いて薬に関してもエフィに軍配が上がるか。得意なことがあるのはいいことだ】って、ルオンさん素敵な考え方ですね!嫉妬しないで当たり前に相…
[良い点] 更新お疲れ様です。 様々なエルフの技術を吸収していくルオン、まともな主人公してるねぇww真の勇者エフィもタダでは起きない。さすがはルオンのパートナー(違)。 そろそろ不穏なイベント発生。気…
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