炎の地 猛獣使い
「炎の地っていうだけあって、流石に暑いな」
「洞窟みたいだけど、火山の噴火で溶岩が流れてそれが固まった洞窟って感じだね・・・」
「固まっていない溶岩が池みたいになってるな。 落ちたら1発でアウトだろうな・・・」
「敵と戦う時には気をつけないとだね」
「あぁ」
僕はミカが死んでしまうまで、きちんとレンの気持ちを理解していなかった。
「ユウマ、今日はあまり無理をしないでゆっくり進もう。 お前睡眠きちんととってないだろ」
「大丈夫だよ。 きちんと休んだ」
「もう俺には嘘つくなよ」
「ごめん。 本当はあまり眠れてないんだ。 それにご飯もあまり喉を通らなくて・・・」
「それなら、私達と一緒にご飯どうですかー?」
不意にかけられた声にレンと一緒に後ろを振り向く。
そこには、大きな白い虎を撫でている女の子がいた。
髪色は綺麗なピンクで、どこか幼い顔立ちをしている。
「君は?」
「いきなり声かけちゃってごめんなさい。 私はモモ。 この子はレオンっていうの。 一応猛獣使いかな?」
「レオンって、レンと名前似てるね・・・」
「気が合いそうだぜ」
「2人はこの世界来たばっかりなの?」
「うん。 僕はユウマ」
「レンだ。 よろしくな」
珍しくレンはご機嫌に挨拶をしている。
きっとレオンに興味があるのだろう。
「レオンなら触っても怒らないから大丈夫だよ。 ちゃーんと私が躾してますので!」
「まじか。 なら遠慮なく・・・」
白虎は確かにかっこいいとは思うが、レンもミカと同じような顔をしていることは黙っていよう。
「えっと・・・モモさん? はもしかしてレオンと2人で・・・?」
「モモでいいですよー。 そうなんですよ! ここまで来る途中でプレイヤーがいれば一緒に行動してたんですけど、残念ながらいなくて・・・」
「僕達のことも呼び捨てで大丈夫ですよ。 それに、敬語もかしこまっちゃうので・・・。 そうだったんだね。 僕も最初は1人だったんだけど、一番最初の始まりの地でレンと、もう1人、女の子に出会ったんだ。 それからはずっと一緒にパーティーを組んでたんだけど・・・」
「良かったら私も一緒に連れていってくれないかな?」
僕がその応えに言い淀んでいると、話しを聞いていたのかレンが助け船を出してくれた。
「いいんじゃねーか? あいつよりはモモの方がよっぽど信用できると俺は思うぜ」
「あいつ?」
「えっと・・・ちょっとね」
モモはそれ以上は何も聞いてこなかった。
きっとこのゲームをしている彼女は何が起きたのか少しばかり理解しているのだろう。
「2人にも色々あったんだね・・・。 私もここに来るまでいろんなことがあったけど、レオンと2人で頑張ってきたんだ。 そんなことより、ユウマはちゃんと休めずにここに来たんだよね! それなら、安全なところ案内するから、そこでご飯食べて今日はゆっくり休んでよ!」
「はい・・・」
女の子にあそこまで言われてしまったら僕は言うとおりにするしかない。
本当に僕は押しに弱いんだな・・・。
「それじゃ、案内するから付いてきてね!」
「おう」
身長は大体150㎝くらいで、ピンクの綺麗な髪を2つ縛りにしていることから、妹キャラに見えてきた。
顔もよく見たらやっぱり幼い顔立ちで、でも胸はミカよりも・・・って、そんなこと考えたらミカに呪われる。
こんなこと考えるなんてやっぱり僕は相当疲れているのだろう。
「それじゃ、まずはレンからこの子の背中に乗って!」
「いいのか!?」
「うん! この子に乗らないとあそこ行けないから・・・」
そう言って見上げた先には壁に穴が空いている場所だった。
「これ、あの穴から落ちたら即死亡だよな・・・。 真下は溶岩だぞ・・・」
「それなら大丈夫! あの穴結構先があるから、奥までいけば落ちることは絶対にないよ! ただ、寝ぼけて歩き回って落ちたとかは・・・私責任とれないかな~。 でも、あの場所ならモンスターは出てこない、 この世界は倒してもどんどん敵が湧いてくる。 2人ともどうする?」
「それならレオンにお願いしようかな・・・」
「俺も頼むわ・・・」
休んでいるときに敵が出て来ては休みたくても休めない。
それなら、モモに頼った方が自分達の為にもなるだろう。
「それじゃ、レン。 この子から手を離さないでね。 レオン!!」
モモがレオンの名前を呼ぶと、レオンは一気に穴がある場所へと飛び上がった。
想像していたよりも高い場所にあるらしく、大きかったレオンの姿は豆粒のように小さくなっていた。
そして、一瞬レオンの姿が見えなくなってからすぐに、レオンは穴から飛び出し下へと戻ってきた。
「レオン、ユウマと私2人一気にいける?」
そう問いかけるとレオンは吠えた後にモモの顔を舐める。
「そっかそっか。 流石レオン! それじゃ、ユウマ乗って!」
「あ、うん」
僕が乗ってその後ろにモモが乗る。
「ユウマ、ちゃんと捕まってね! レオン行って!」
下から見てただけでは分からなかったが、レオンは飛んでいるのではなく、走っているのだ。
普通の白虎ではない。
そして、そのレオンを手なずけるモモもきっと普通とは少し違うのだろう。
「レオンありがとう」
そう言ってモモはレオンに何かを投げる。
嬉しそうにそれを食べ始める。
「おー」
「レン・・・」
「やばかったな・・・」
「うん。 すごかった」
しばらく僕とレンは呆然と立ち尽くし、その間に、モモはそそくさとご飯を用意していた。
そして、モモが用意してくれたご飯を食べながら、僕達は自分の職業や、これまでのことを説明した。
ミカ、、ミア、マリンの事を含めて・・・。