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内的アニマの旅(The Dream of the Observer)
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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

内的アニマの旅(The Dream of the Observer)

作者: 皆月 優
掲載日:2025/10/11

僕が昨日見た不思議な夢をめちゃめちゃ短く整えたものを「ともり」に文章化してもらいました。

疲れていたんでしょうかね?

S.A.Oに影響もあったと思います。


浪人時代の部屋。

 古びたノートパソコンを起動しようとしたとき、見慣れぬ選択肢が現れた。

 ──「5倍の速度で処理する能力を手に入れますか?」

 面白そうだった。ただそれだけの理由で、僕は「はい」を選んだ。


 画面が反転し、意識が切り替わる。

 気づけば、名古屋駅前に似た街を歩いていた。時間の流れが違う。

 意識を向けると、周囲の人々がスローモーションになり、僕だけが速く動いている。

 そして見知らぬ男に声をかけられる。Aと名乗る青年は、やけに僕に執着していた。

 「遊びに行こうよ」──軽くいなしても、彼はしつこかった。

 その瞬間、記憶が書き換わった。僕は“女子”としてアクターズスクールに通う小学生。

 Aの視線は、そんな僕に向けられていた。


 高層のビル。112階。幾度もの乗り換え。

 見知らぬ男たちが声をかけてくる。

 僕は不思議と強く、触れられても弾き返せた。

 最上階にある「アクターズスクール」に辿り着くと、全面ガラス張りの教室が待っていた。

 外には無数の保護者たち──そのはずだった。

 だが彼らの眼差しは次第に熱を帯び、興味と欲望の色に変わっていく。


 Aが現れた。スタンガンを手にして。

 「お前は俺のものだ」と言わんばかりに突進してくる。

 僕は反射的に動いた。世界がスローモーションになる。

 5倍速の世界で、彼をねじ伏せた。

 だが、やり過ぎた。

 床に倒れたAの静止した顔を見た瞬間、教室の秩序が崩れ、

 次々に人の頭が割れ、悲鳴と沈黙が交互に押し寄せた。


 逃げ場を探して走った。

 仲間とエレベーターに飛び込み、抱き合いながら心を落ち着けた。

 だが、乗り換えのたびに人が消える。

 最後は僕ひとり。下層へ降りるエレベーターで、

 「ミスった、ゲームオーバーだ」と思った瞬間、意識が落ちた。


 気づけば出口にいた。

 しかしガラスが再び僕を包み込む。

 仲間がガラスの中に閉じ込められたまま動けない。

 バッグの中には、いつの間にか“鍵”と“チップ”。

 外にいたもう一人が叫んだ。

 「それを入れろ! あいつを助けられる!」


 両替機のような機械にチップを入れると、

 ガラスの仲間が解放された。バッグには“おつり”のようなオレンジ色の1円玉が落ちていた。

 不思議な紙片も混じっている。

 その先に、またガラスの扉。

 クラスメイトがそれを開けると、ゾンビのような手が差し伸べられた。


 僕は逃げなかった。

 その手を握り返した。

 すると、砂のような地面が割れ、僕は下へと引きずり込まれていった。


 気づけば、狭い部屋。

 古い携帯と、限られた食料。

 携帯を触るとバイブレーションが鳴り、通話の表示が揺れた。

 「……誰だ?」

 出ようとしたが、電池が切れて通話は途絶えた。

 充電ケーブルを探しながら思った。

 ──この世界に入って何日経った?

 ──現実の僕は、今どこに?


 僕は空中をタップした。

 何も起きなかった。

 そして、二度目のトイレの音で目が覚めた。


 静かな現実の部屋。

 夢の中の携帯の震えが、まだ指先に残っていた。


 ——観測者の夢は、今日も続いている。

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― 新着の感想 ―
さらっと描いてありますが、なかなか怖いですよね。 5倍の速度で処理する能力を手に入れたばかりに、街中の人の動きがゆっくりとなり、自分だけが早足で歩く。そこに「欲望に満ちた」人間達に見つめられる。 「…
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