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恋愛小説短編集~ハッピーエンドストーリー~ - 【二人目】 お正月に実家へ帰ると誰もおらず妹の部屋に妹の友達がいました
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【二人目】 お正月に実家へ帰ると誰もおらず妹の部屋に妹の友達がいました

 毎年、正月休みは実家に帰る。

 可愛い妹と正月休みを満喫する。

 それなのに今年は違っていた。

 俺が実家に帰ると、抱き付いてくる妹が今年はいないのだ。


 そう。

 部屋から出てこない。

 俺は妹の部屋をノックした。

 返事がないからドアを開けようとしても鍵が閉まっている。


「お兄ちゃんが帰って来たぞ」


 俺がそう言っても返事はない。

 俺は妹の部屋の鍵を開ける方法を知っている。

 鍵穴に爪を当てて回すと鍵が開く。

 だから鍵を開けてドアを開けた。


「誰?」


 鍵を開けて中にいる相手にそう言った。

 だって、本当に誰か分からないから。

 妹じゃないんだ。


「えっ、どうして?」


 妹の部屋にいた女の子は、焦りながらオロオロしている。


「俺はこの部屋の持ち主の兄だけど君は?」

「あっ、私はあなたの妹さんの友達です」

「何でいるの?」

「えっと、その」

「誰にも言わないからどうして君がここにいて妹はいないのか教えてくれる?」

「妹さんは恋人とお泊まりに行きました」

「それで君がここにいる理由は?」

「この子です」

「えっ」


 彼女は小さなケージに入ったハムスターを見せてくれた。


「誰のなの?」

「妹さんのはむちゃんです」

「ハムスターなんて飼ってたんだ?」

「はい。はむちゃんが可哀想だから私がこの部屋でお世話をすることになったんです」

「君の家でお世話をすれば良かったんじゃないの?」

「私の家はペットはダメなので」

「それで? 君はいつまでここにいるの?」

「妹さんが帰って来るまでです」

「でも、いつまでも部屋から妹が出てこなかったら、誰でも変だって思うよ?」

「それが大丈夫なんです。お兄さんの両親は旅行に行きましたよ」

「えっ子供を置いて?」

「そうみたいですね」

「ちょっと妹に電話をするよ」


 そして俺は妹に電話をかけた。


「もしもし? お兄ちゃん?」

「ちゃんと説明しろよな」

「お兄ちゃんが一人じゃ可哀想だから、私の友達に家にいてもらったの」

「そのことはいい。男ができたのか?」

「そうだよ。私だってもう高校生だよ」

「でも、まだ高校生だろう? 男と泊まりなんて大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ。彼は私を大事にしてくれてるから」

「そんなの分からないだろう?」

「それなら私の相手が誰か教えてあげるよ」

「俺の知ってる奴なのか?」

「お兄ちゃんの親友だよ」

「はあ?」


 俺は驚いて大きな声が出てしまった。


「お兄ちゃんの親友だから、私の嫌がることなんてしないでしょう? お兄ちゃんが一番知ってると思うけど?」

「あいつと付き合ってるなんて初めて聞いたんだけど?」

「お兄ちゃんには秘密だったからね」

「あいつに代われ」

「ダメ。彼は運転中なの」

「それなら帰ったらちゃんと話を聞くからな」

「分かったよ。ところで私の友達はどう?」

「どうって何がだよ?」

「可愛いでしょう?」

「はあ?」

「お兄ちゃんこそ、彼女の嫌がることはしないでよ」

「何、言ってんだよ」

「あっ、もうすぐ着くみたいだから。じゃあね」


 そして妹は電話を切った。

 俺の親友と恋人関係だと?

 俺の妹が、あいつにとられた。


「お兄さん?」


 俺がショックを受けていると、彼女が心配そうに顔を覗き込んできた。

 可愛い顔が近くにあって焦った。


「なっ、何でもないよ」

「そうですか?」

「ハムスターは俺が世話をするから君は帰っていいよ」

「でもお兄さんは、はむちゃんの世話をできますか?」

「餌をあげれば大丈夫だろう?」

「それじゃダメです。はむちゃんは寒さに弱いので暖かくしてあげないと」

「君はハムスターが本当に好きなんだね」

「ハムスターじゃなくて、はむちゃんです」

「君が、はむちゃんって言うと可愛いね」

「可愛い?」

「うん。君もハムスターに見えてくるよ」

「えっ、私は高校生の女の子です」


 彼女は頬を膨らまして怒っている。

 そんな彼女はひまわりの種を入れて頬が膨らんでいる、はむちゃんにそっくりだ。


「君に、はむちゃんの世話は頼むけど、夜は家に帰りな」

「親には、友達の家に泊まると言って来てるので大丈夫です」

「でも、何かあったら困るし」

「何かあるとは?」

「あっ、ん? 色々ね」

「色々ですか? 大丈夫です。お兄さんがいるので」


 彼女はそう言って笑顔を見せた。

 俺がいれば大丈夫って、彼女はどんなことを考えたんだ?

 俺は俺といると危ないよって言ったのに。

 彼女にはまだそんなことが分からないのかな?


「あっ、はむちゃんのご飯の時間です」

「えっ、そうなの?」

「はい。はむちゃんは人の手の上でしかご飯を食べないんです」

「何それ? どんな食べ方だよ」


 彼女は、はむちゃんを手のひらに乗っけてひまわりの種をあげる。

 はむちゃんはムシャムシャ食べている。

 そんな、はむちゃんを見ている彼女の顔を見て俺はドキッとしてしまった。


 彼女は愛おしそうに、はむちゃんを見ている。

 彼女は本当に、はむちゃんが好きなんだ。

 そしてそんな、はむちゃんを好きな彼女を俺は好きになってしまった。


 明日になれば彼女はいなくなる。

 それならこの気持ちはしまっておこう。


「さあ、もう夜遅いし寝ようか?」


 彼女と妹の話や、はむちゃんの話をしているといつの間にか夜遅くなっていた。


「そうですね」

「それじゃあまた明日ね」

「はい。おやすみなさい。お兄さん」

「おやすみ」


 そして俺は自分の部屋へ戻る。

 彼女といた時間は楽しかった。

 彼女の笑顔が頭から離れない。

 やっぱり好きだなあ。


 朝、目を覚ました俺は驚いた。

 それは何故かというと、俺のベッドに彼女がいたからだ。


 何でいるんだ?

 俺は静かにベッドから出ようとした。

 それに気付いたのか彼女が目を覚ました。


「おはようございます」

「おっおはよう」

「寒かったのでお兄さんの布団に入っちゃいました」

「えっと、俺は何と言えばいいのか分からないんだが」

「嫌でしたか?」

「そんなことはないけど」

「いいよって言ってくれればそれでいいですよ」

「寒いならいつでもどうぞ」

「それならまだ一緒に布団に入ってて下さい」

「いやっ、それはちょっと」

「そうですよね、私みたいなハムスターそっくりな、女子高生には興味はないですよね?」

「そんな。ハムスターみたいって。あっ、はむちゃんは起きてるかな?」

「そうですね。はむちゃんの様子を見てきます」


 彼女はそう言って、はむちゃんの元へ向かう。

 俺も一緒に向かう。


「はむちゃん」


 彼女はまた、はむちゃんを愛おしそうに見ている。


「本当に、はむちゃんが好きなんだね」

「はい。毎日でも、はむちゃんに会いたいです」

「毎日来ればいいじゃん」

「だって彼女が帰って来れば恋人がこの部屋に来ることが多くなるでしょう? 私はこの部屋に来れないです」

「それなら俺の家に来る?」

「えっ」


 彼女は驚きながら俺を見た。


「俺が、はむちゃんを飼うから君が、はむちゃんの世話をしてよ」

「それはどういうことですか?」

「妹から、はむちゃんを預かって俺の独り暮らしをしている部屋で飼うよ。そうすれば君はいつでも、はむちゃんに会えるだろう?」

「お兄さんの家で?」


 彼女は首をかしげて聞いてきた。

 そんな仕草も可愛い彼女。


「そう。いつでもおいでよ」

「でも彼女は、はむちゃんを譲るか分からないですよ?」

「大丈夫だよ。妹の恋人はネズミが苦手だからハムスターも無理だと思う」

「そうなんですね」

「どうする?」

「えっ」

「俺の家に来て世話をしてくれる?」

「はい。あなたのことも」

「えっ」

「あなたのお世話もします」

「どういうこと?」

「こういうことです」


 彼女はそう言って俺に抱き付いてきた。


「何でハグなの?」

「好きだからです」

「嘘だろう?」

「ずっと前から好きです」

「えっ、会うのは昨日が初めてだよね?」

「会うのは初めてです」

「えっと、よく分からないんだけど?」

「それより、あなたはどうなんですか?」

「俺は君が、、、」


 俺はそう言って彼女をギュッと抱き締めた。


「好きだよ」

「私もです」



 後で妹から聞いた話によると、彼女は妹から見せてもらった俺の写真を見て好きになったみたいだ。

 そしてあの日、彼女が自分から、はむちゃんの世話をすると言ったそうだ。



 今の俺はというと。

 俺の家で、はむちゃんの世話をする彼女と楽しく過ごしている。


「あっ、はむちゃんがあなたに相手して欲しいっていう顔をしてますよ」

「それは、はむちゃんじゃないだろう?」

「あっ、バレちゃいました?」

「おいで」

「はい」


 俺は彼女を抱き締めた。

 もう彼女を離さないと決めて。


「知ってますか?」

「何を?」

「ハムスターの寿命って短いんですよ」

「そうなんだね。はむちゃんとは後どれだけ、一緒にいられるんだろうね?」

「あなたとは、後どれだけ一緒にいられるんですか?」

「言う必要があるかな?」

「それってはむちゃんがいなくなれば、あなたもいなくなるのですか?」


 彼女は今にも泣きそうな顔をして言った。


「言わなきゃ分からないよね? ごめん。君にそんな顔はさせたくないのに」

「私は、はむちゃんとお別れをしても、あなたのお世話はしたいです」

「俺のお世話って、俺が新しい君のハムスターみたいじゃん」

「それもいいですね」


 彼女はクスクス笑って言った。

 さっきは泣きそうな顔をしていたのに。

 俺は彼女を抱き締めて離さない。


「どうしたんですか?」

「君とはお別れはしないよ。俺は君を離さないからね」

「それならちゃんと私のお世話をして下さいね」

「君のお世話?」

「ギュッとして、愛の言葉を囁いて、私を一番に愛して下さい」

「そんなの簡単だね。俺は君を一生離さないよ」

「はい」


 彼女は嬉しそうにニコニコ笑っている。


「君を世界で一番、愛してるよ」


 俺が愛の言葉を囁けば、彼女は顔を真っ赤にして照れている。

 そんな彼女の横で、はむちゃんは一生懸命に頬の中にヒマワリの種を入れている。


 彼女もはむちゃんも可愛いけど、やっぱり俺には彼女が一番可愛いよ。

読んでいただき誠に、ありがとうございます。

ブクマ登録や評価など、ありがとうございます。

次のお話は、正月休みなんて無しの店長である主人公が、可愛いバイトの女の子に癒されるという物語です。

主人公は歳の差から恋愛感情なんて無いと思っていたのに、、、。

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[一言] ちょっと変わったシチュエーションですが、 落ちはいつものように甘酸っぱい感じで安心しました。 これぞ青春です。 ちくしょう、リア充め!!
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