第71話 4体目
「その言葉、ソノママ返しシテクレル!」
イザベリアは動揺していたが、すぐに落ち着きを取り戻し。
薔薇の花の触手を伸ばし、迫って来る。
コイツの火炎の召喚って、視線の先だっけ。
伸ばして来ると言うことは……
あまり視力が良くないってことか?
それとも単に……
暗いからか?
色々思ったが
その場から跳躍し
俺は一瞬後にその場に召喚された火炎を回避した。
「チイッ!」
イザベリアの悔しそうな声。
化け物の癖に夜目が利かんのか。
どうなのそれ。
そう思ったけどさ……
そもそも論として、こいつはただの人間を襲う気だったんだよな。
じゃあ、これで十分だわ。
軽い暗示の能力あるし。
ただの人を襲うにはそれで十分だろ。
多少、夜目が利かなくてもさ。
触手は数があるから数を対応できるし……
ただの人間なら、3人を襲うには十分な気がする。
……ホント、ただの人間ならな!
「メギドフラーッシュ!!」
光の目潰し。
視線がキーになる相手に、結構効果抜群かもしれない。
「グアーッ!」
イザベリアの悲鳴。
俺を倒そうと俺に注目してたはずだしな。
その上でこの暗がりでいきなりの発光現象。
……クリティカルだ!
勝った! と思いつつ。
俺は目潰しで悶えているイザベリアに突進……
しようとしたとき。
……急に、ゾッとしたんだ。
意味は分からないが、直感的に。
反射的にイザベリアへの突撃を中断し
横っ飛びに跳んだ。
……そこに。
何かが突き刺さる。
俺がさっきまで存在していたアスファルトの地面に。
それは……
例えるなら、鞭のようで。
先端に、鋭い棘のついた肉の鞭。
その鞭は……
舌であることが、持ち主を辿った時に気が付いた。
そこに居たんだ。
蛙と猫科動物の合成生物みたいな、ずんぐりした2メートルくらいの身長の、褐色の化け物が。
……もう1体のナラッカだと!?
ぎゅるるる、と巻き取るように舌を口腔内部に収納し。
そいつは
「……聖戦士が乱入してくることは想定しておりませんでしたわ」
酷く醜い姿なのに、声だけは美女をイメージさせた。
……蛙に猫の目玉と、猫の耳。
そして猫の爪と猫の毛皮を装備させた。
そう言う外見の怪人で……
オーラで分かった。
……こいつ。
絶対ノーブルクラスだ……!
だから俺は
「お前、ノーブルクラスのナラッカか!?」
動揺を抑え、闘志を維持するために声が大きくなる。
そんな俺の言葉。
その言葉に。
その気色悪い猫科の大蛙は
「ええ、その通りですわ」
その声には尊大なものが含まれている。
「ワタクシは法王バイル……天魔王陛下に称号を賜った4人のナラッカの1人です……」
法王……バイル……!
4体目。
これで全部。
称号の元ネタは、シャンゼリオンの聖幹部3体の「将軍」「博士」「神官」から来てます。
闇闘士ゼイモンの元ネタの暗黒騎士ガウザーは、別に聖幹部では無いんですけどね。
読んでいただき感謝です。
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