第十三話 虜囚を家臣に
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楽しんでいただけると幸いです。
また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)
なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。
三河侵攻はあっけなく終焉した。尾張連合軍は続々と尾張へと帰っていく。三河の者たちは、皆まず安祥城に集まっている。この城に平伏する者たちも多い。父は安祥広忠勢が落ちた時点で、安祥方と西三河今川方の捕虜を全員こちらに送ってきた。忍び衆の身内たちを動員して、捕虜を丁重に扱っている。どこぞの義将のように住民を全てさらって奴隷になどしない。まぁ、その義将は、うちで花嫁修行をしている。六角氏紹介の土豪の養女になって、私の正室になるらしい。のちの高嶋局は彼女らしい。
虜囚となった忠義の三河武士には、一人ひとり会っている。一人ギャーギャー煩い主君は無視している。本当にうるさいから、忍び衆の綺麗どころ(人妻)に接待してもらっている。流石は忍び衆の女性だ。躱すのも上手い。まだ、広忠くんは清いままらしい(笑)
三河の者たちは、私の目の前で、縄を解かれるとまず驚くんだよね。家臣たちも大反対だったけれど。「私に何が出来ると思う?」と聞いたら震えながら黙った。解せぬ。何も出来ないように、威圧して縄を解いたら威光を浴びせている。一応、豪の者として有名な本多とか長坂とかには小五郎と初めて会った時と同等の威圧を、それ以外の者たちには一段階落とした威圧にしている。これは小五郎らで実験して得た手加減だ。小五郎たちは、初めの頃、下半身びちょびちょになって泣いていた。元服した大人(小学生くらい)なのだから泣くな。
流石は忠義の三河武士と思ったのは、譜代全員「自分は死んでも良いから」と広忠の生命を守ろうとするところだ。これは、内応した十八家や譜代からも頼まれているので、全く問題ない。そもそも遠江か駿河に逃すのは計画通りだし。二度と広忠に靡かないように豊かな生活をさせてやれば良い。松平の栄光なんぞ吹っ飛ばす豊かさを与えれば良い。安祥城に入った日から、君臣豊楽と百万石礎は発動しっ放しだから、問題ないだろう。
「平八郎、其方の願いは聞き届けるが、死ぬことは許さぬ。私の家臣として忠義を捧げることを条件とする。それではどうか?」
「いや、それでは・・・二心ある者と蔑まれまする。武士として許せぬ事にございますれば。」
「これから松平家への忠誠を捨てれば良い。蔑む者は蔑めば良い。生きていれば取り返せる事もあろう。ぬしは、孫の手を取ったことがないと聞いた。これから生まれるであろう孫に平八郎としての生き方を伝えるのは息子の手だけで足りるか?血鑓九郎ほどではないにしろ、槍の名手らしいの。息子にその技は伝えられるか?」
「ぐぬぬ。息子ではまだまだではございますが、筋は良いかと。」
「ならばぬしが伝えれば良い。恥を凌ぎ、泥水を啜っても生き残った先に生まれるものもある。良いか、私に仕えよ。」
「ははーっ」
こんなふうに人心掌握、威光、人たらし、指導者を全力投球してやっと説得できる。忠義者というか律儀者と言われる三河武士の説得には一苦労だ。おかげで特殊特性【立身出世】の作用か特性と固有特技の経験値がガン上がりだ、嬉しい限りである。
今川方だった捕虜たち全員を家臣化したところで、一旦尾張に戻ることになった。事の次第を父と武衛様に報告するのだ。その後、三河に戻り大評定を開いて、広忠の処遇を発表。論功行賞を行い、それに伴って三河統治体制を発表する。それから統治開始となる予定だ。