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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる - 受付嬢との約束⑦
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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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受付嬢との約束⑦

「ごちそうさまでした、シシリアの言うとおりとても美味かったよ。ケーキもありがとう」


「…ゴチソウサマデシタ」


食事が終わったランドとシシリアがそれぞれにお礼を述べた。


「お粗末さん、それとこちらこそご馳走さまだよ(笑)」


「も、もういいですから///」


「?」


ローズの言葉にシシリアは声を出しランドは首を傾げた。


「それじゃあまた、行こうかシシリア」


「は、はい」


店を後にしようとする二人だったがそんなときにローズが「あぁちょっと、シシリア」と呼び止めた。


「はい?」


シシリアが立ち止まり振り返るとローズは耳元で囁いた。


「いい男じゃないか、頑張ってモノにするんだよ。なーにいざとなりゃその育ってる胸でも揉ませれば大抵の男はイチコロになるさ」


「な…///」


あまりにストレートな激励に顔を真っ赤にして狼狽えるシシリア。


「どうかしたのか?」


シシリアが止まっているのでランドが振り向いて声をかける。


「な、なんでもないです…行きましょうランドさん///」


「…?あぁ」


「そ、それじゃあバルトさんローズさんご馳走さまでした。また来ますね」


「あいよ、また二人でおいで」


バルトとローズは歩いていく二人を見送ってから呟いた。


「初々しいねぇ」


「全くだ、まるで俺のプロポーズを受けてくれてすぐの時のお前みてぇな…痛ぇ!」


悟ったような顔で口にするバルトをローズが叩いた。


「馬鹿言ってないで仕込みするよ。これから飯時で客も増えてくるんだから」


「なんだよ照れなくてもいいじゃねーか、まぁ俺からしたら今も昔も変わらずお前はいい女だけどな」


「もう一発喰らいたいかい?」


「わかったわかった勘弁してくれ。それじゃあ仕事するか」


そう言って厨房に逃げるバルトを見送って「ったく…アタシだって同じ気持ちだよ」そう呟いたローズの言葉はバルトには聞こえなかった。


「冒険者と一輪の花」を後にしたランドとシシリアの二人はそれからしばらく店や屋台を見て回ったり広場でやっている大道芸を見たりして過ごした。


そして日が少し傾きかけた頃、二人は広場のベンチで休んでいた。


「ランドさん、今日は付き合ってくれてありがとうございます」


「いや、俺も楽しかったよ。そろそろ日もくれるし帰ろうか、送っていくよ」


「ありがとうございます。あ、でもちょっとここで待っててください。」


シシリアはそう言うと商店街へ小走りで走っていった。そして数分すると2つの包みをもって戻ってきた。


「これ、今日付き合ってくれたお礼です」


「いいのか?お昼も出してくれたのに」


「それは昨日のお礼ですから、これは今日のお礼です」


「そうか、開けてもいいか?」


「どうぞ」


ランドは包みを開けるとそこに入っていたものを見て「これは…」と呟いた。


それは「3年前」のあのシャツと同じデザインのシャツが入っていた。


「せっかく見つけたんですし、ランドさんも愛用してたみたいですしね」


「ありがとう、大事に着させてもらうよ」


「はい。あ…でもあのときの事を思い出しながら着たらダメですよ///」


「わ、わかってるって」


シシリアの要望にランドは口ごもりながらもそう返事した。


「ところでそっちの包みはなんなんだ?」


ランドの問い掛けにシシリアは「こ、これは買い忘れてた私用の雑貨です」と返答する。


ランドもそれ以上は聞かず「そうか」と返答した。


「それじゃあ帰りましょうか」


「そうだな、それじゃあ送っていくよ」


「はい!」


ランドはシシリアを家まで送ると改めて伝えた。


「今日は楽しかったよ、誘ってくれてありがとう」


「私も楽しかったです。あの、それでランドさん」


「ん?」


「ま、またいつかお誘いしてもいいですか?」


シシリアの伺うような質問にランドは笑顔で返答した。


「もちろん、俺なんかでよければまた誘ってくれ」


「ほ、ほんとですか?」


シシリアがパァっと笑顔になる。


「あぁ、また誘ってくれるのを楽しみしてるよ」


「は、はい。その時はよろしくお願いします」


「こちらこそ、それじゃあおやすみ。また明日ギルドで」


「はいまた明日、おやすみなさい」


シシリアはランドの背中を見送ってから家に入ると両手で顔を覆って踞った。顔は赤くなりながらも嬉しい気持ちからか笑顔が直らない。


「やった!ランドさんとまた出掛けられる約束もできた!」


その嬉しさを噛み締めながらシシリアはお風呂に入った後に買ってきた包みを開ける。そこにはランドに渡したものと同じデザインのシャツが入っていた。


「流石に外で着ると万一もあるからダメだけど、部屋着にするならいいよね?」


そう呟きながらそれを着込んだシシリアは今日のデートの思い出を振り返りながら就寝した。

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