KOYOー活動休止【夏葉視点】
本日2話目の公開です。
グローリアスと契約してから最初の休日。
私と先輩は彩香さんからの呼び出しを受けていた。現場へは先輩と待ち合わせをして向かう予定。
お仕事ではあるけど好きな人と待ち合わせをしていると思うと心臓がドキドキしてしまう。
「これがデートだったら幸せ過ぎて死んでしまうわね」
無意識に口をつく言葉。
心地よい幸せにニヘラと笑う私。そこに、スマホが着信を告げた。相手は静からだった。
私は表情を引き締め、電話に出る為、通話ボタンを押そうとした次の瞬間。
「じゃあさ。俺等とそのデートの練習しない?」
先程のひとり言に声が返ってきた。粘りつくような嫌な声だった。
ふり返るとそこには学校の不良グループの男子が5人。ニヤニヤと笑いながら私を取り囲む。
身の危険を感じて身体が震える。おそらくこの時にスマホの通話ボタンが押されたのだと思う。
「俺等も忙しいけどちゃんと最後まで練習に付き合ってやるよ。ありがたいだろ」
じわじわと距離を詰めて来る彼等に私は顔を振り、
「私。これから行くところがあるから……ムリ」
伝える。
するとリーダーの少年が舌打ちするとドスの効いた声で言った。
「面倒だ。いつものビルに場所変えっぞ!」
「っ!」
口をふさがれ、抵抗するもむなしく、私は何処かに連れ去られてしまったのだった。
パニックになりつつも激しく抵抗する私であったが、男子の腕力にかなうはずもなく、1枚1枚服を……
裸同然の姿の私を見下ろし、彼等は顔をしかめて。
「しかし、我等の学年マドンナ様にこんな秘密がねぇ。
まあ、思えば納得て言えば納得か……」
「とはいえお前も全然イケるだろ?」
「まあぁな」
「次はいよいよ下着の番だ!」
下卑た声をあげて盛り上がる。そして、リーダーの男の手が私のブラジャーに向かい……
「そこまでだっ!」
先輩の声が聞こえ、部屋の扉を蹴り破り先輩が部屋に姿を現した。
私。助かったの?
まだ危機的状況ではあったけど、先輩の姿に私は安堵し、冷静になる。
「あれ……私……今のかっこう……って」
私はつぶやき、おそるおそる自分の身体を見つめてから先輩へ視線を戻す。先輩と目が合った。気付けば私は今日1番の悲鳴をあげていた。
胸元を隠し、
「先輩。こんな私を見ないでください。こんな……」
私は先輩に懇願したのだった。
きっと見られてしまった。
私が隠してきた秘密。女の子として致命的であろう醜い私の秘密に……
連れ去られてからここまでの間に様々な恐怖が私を襲い、何がきっかけとなったのか、
「……ぅ……ぁ……」
気付けば私は声を失っていた。
そして、KOYOーはこの日。活動休止を発表したのだった。
〖KOYOー活動休止【夏葉視点】〗を最後までお読みいただきありがとうございます。
KOYOー活動休止の個人視点はこれで最後です。
夏葉が声を失った理由は、女性としての魅力を致命的なレベルで失うと思いひた隠しているある事がバレてしまったという思いと拉致による一連のストレスによるものでした。
夏葉は声を取り戻すことはできるのか……
夏葉の秘密とは……
よろしければ、いいね/評価/ブックマーク等の足跡をよろしくお願いいたします。