民家にクマ4日間居座り、「緊急銃猟」検討も不可能と判断…全国では計6件に
秋田県湯沢市のJR湯沢駅近くで20日朝に男性を襲った後、民家に入り込んだクマは4日目に入った23日も家の中にとどまっている。市は玄関にハチミツなどを入れた箱わなを設置して捕獲を試みているが、クマが出てくる様子はなく、膠着(こうちゃく)状態が続いている。 【図解】一目でわかる…ヒグマとツキノワグマの違い
23日に開かれた市の対策会議では、22日の午前中に民家の中にいるクマの姿を警察官が目視で確認したことが報告され、箱わなで捕獲を続けることを決めた。
市農林課によると、当初は市街地での猟銃使用を許可する「緊急銃猟」の実施も検討したが、現場は住宅街で、銃弾がそれた場合に弾を受け止める「バックストップ」になるものがないことから、実施は不可能と判断したという。
県警によると、クマがとどまっている民家には男性(65)が一人で暮らしていた。20日午前6時20分頃、自宅前で右太ももをかまれた男性が近くを巡回中だった警察官に助けを求めている間に、クマが開いていた玄関から侵入したという。
23日は、緊急銃猟の実施も相次いだ。同県仙北市では観光地の武家屋敷通りに近い、角館町川原町の畑に親子とみられるクマ2頭が出没。市は弾がそれても人に危害が及ばないと判断し、周辺の道路を封鎖した上で午後0時55分頃に猟友会員が2頭を駆除した。
富山市悪王寺(あくおうじ)でも午前9時50分頃、住吉神社の境内にクマ1頭がいるのを近隣住民が発見した。近くの住宅敷地内にクマが逃げ込んだことから、市が緊急銃猟の実施を許可。午後1時前に猟友会員が3発発砲し、成獣1頭を駆除した。現場はJR富山駅の南、約8キロの住宅や畑が広がる地域でけが人はいなかった。全国で行われた緊急銃猟は計6件となった。