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「旦那さん、羨ましいですね」――。若い男性の一言が、20年連れ添った夫のいる既婚女性の心に火をつけた。投稿を寄せた50代女性は、「好きだった。とにかく、好きだった」と振り返る。
「結婚して二十年。子育てと仕事の両立に追われ、気づけば夫との関係は『家族』になっていた。男とか女とか、そんなものはとうの昔に忘れて、私はただ母であり、妻であり、働く女だった」
自分の体を労わらず、生活に追われた女性は難病にかかってしまう。「身体は悲鳴をあげていた」と気づいた女性は、健康のためパーソナルジムに通い始めた。そこで女性は“娘と変わらないくらいの若い男の子”であるトレーナーに恋心を抱いてしまった。(文:西荻西子)
「そんな一言を聞いたとき、胸が痛むほど嬉しかった」
トレーナーについて、女性は「明るくて、褒め上手で、気遣いもできて。運動嫌いの私が、いつの間にかジム通いを楽しみにするようになっていた」と振り返る。
その気持はいつしか本気の恋心に。きっかけは、リップサービスとも取れるトレーナーの一言だった。
「トレーナーから『旦那さん、羨ましいですね』。そんな一言を聞いたとき、胸が痛むほど嬉しかった。異性からそんな言葉をかけられるのは、何十年ぶりだっただろう。私、まだ女だったんだ、って。その実感が、涙が出るほど嬉しかった」
このトレーナーは「ことあるごとに私を褒めてくれた」そうだ。
「『可愛いですね』とか、『綺麗ですよ』とか。それがたまらなく嬉しかった。リップサービスだとわかっていても、そうやって女として扱われることが、こんなに心を満たすなんて、忘れていた。時折、トレーニングのサポートで触れる手が、妙に馴れ馴れしいと感じる時があった。でも嫌じゃなかった。彼も、もしかして……そんな妄想ばかりしていた」
「その瞬間、また私は勘違いした。もしかして、両想いだったんじゃないかって」
しかし、女性は現実に直面する。
「でも彼には、年の近い彼女がいた。知った時、胸の奥がズキリと痛んだ。こんなにも彼のことを考えている自分が、恥ずかしかった」
世の中には年の差恋愛で上手くやっている人も存在するものの、普通はなかなか難しい。しかも女性は既婚者だ。しかし女性は「私は完全に恋をしていた」とハマっていった。
「彼に気づいてほしい気持ちと、気づかれたらいけない気持ちが、日々ぶつかり合った。トレーナーの気があるような素振り。それを『どうせ営業』と打ち消しながらも、心は否定しきれなかった」
「『好きだ』と言えたら、どれだけ楽だっただろう。でも、私は言わなかった。いや、言えなかった。言ってしまえば、すべてが壊れるとわかっていたから。毎日、彼のことばかり考えていた。脳内麻薬だ」
女性がどれほどトレーナーを思い、葛藤していたか、恋愛小説のような言葉で綴っている。しかし、「そんな自分が嫌で、ジムに通うのが苦しくなっていった」と、ジムの退会を決意した。そのことを彼に伝えたときのことを、女性はこう記している。
「彼は一瞬驚いた顔をして、そして――うっすら涙を浮かべた。その瞬間、また私は勘違いした。もしかして、両想いだったんじゃないかって。そう思ってしまった。でも、そんなわけない。彼には彼女がいる。私は妻であり、母であり、彼のただの客だ。それでも、心のどこかでその涙を信じたかった」
「しばらくは彼を思い出しては泣いた」
恋をすると、相手の一挙手一投足に意味があるように感じてしまうものだ。トレーナーが女性のことをどう思っていたかは不明だが、女性にとっては自分を“女”として見てくれている相手だった。投稿はこんな言葉で締めくくられていた。
「しばらくは彼を思い出しては泣いた。会いたくて、でも会わなくて、会えなくて。もう会わないって決めたから」
「でも、不意に思い出す。ふとした時に、彼の声や笑顔が頭に浮かぶ。誰にも言えない、私だけの秘密のまま。消えない想いは、私の中にそっと灯っている。ずっと、ずっと、消えないまま」
一線を越えれば、待っているのは茨の道だ。家族を裏切る不倫という関係は、まさしく地獄と言える。そう考えれば、美しくも切ない思い出として胸に秘めたこの結末こそが、女性にとって最良の選択だったのかもしれない。
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