※本稿は、河上純二『差がつく雑談』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
初対面で一歩抜きん出る挨拶の仕方
僕の場合、初対面の人とは「どうもはじめまして」とあいさつします。「こんにちは」がフランクでいいという人がいますが、なれなれしい感じがします。「どうもはじめまして」なら軽くも丁寧すぎることもなく、親近感が表せます。
そのとき、上体を45度前に倒す最敬礼をします。これは相手への僕の特徴づけを意識した行動です。相手の記憶に残るためには、何らかの個性を印象づけることが大事です。
45度の最敬礼は、ブランドショップの見送りなどではよく見ますが、普通のあいさつでする人は、あまりいません。だからこそ、ユーモアのある個性的な特徴づけになります。「あの丁寧におじぎをする人、なんていったかな? そうそう、『最近、どんなトピックがありましたか』と聞いてきた河上さんだ!」となれば、僕の個性が相手の印象に残ったことになり、あいさつの仕方として大成功となるわけです。
相手の話を聞くときは、適宜あいづちを打つことが大切です。話をただぼーっと聞くだけでは、相手は「この人、無反応だな。ちゃんと聞いてるの?」と不安に思ってしまいます。しかし、毎回同じ反応でも困りものです。
「さすがですね」「すごい」よりも使えるあいづち
そこで、あいづちのときに使えるキーワードとして「さしすせそ」を教えてくれた人がいました。
し:知らなかったです
す:すごいですね
せ:絶対そう思います
そ:そうですね
これとは別に、もっと簡単に使えるあいづちの「あいうえお」があります。
い:いいですね
う:うんうん、なるほど
え:えー、ほんとですか!
お:おー、すごい
これだと直感的に相手の話に反応できます。
あいづちを打つことで、相手は安心して話しやすくなります。なぜなら、人には根っこのところに「自分の話をちゃんと聞いてほしい」という、承認欲求があるからです。あいづちは、その欲求をさりげなく満たす大切なスキルなのです。
ところで雑談をしていると、こんないい方をする人に出会うことがあります。
「私って、旅行が趣味じゃないですか?」
これは、相手が知らないはずの情報を“知っている前提”で話しているように聞こえますが、実は「共感してほしい」「同意してほしい」というサインでもあります。
