英語話者に質問されたとき、最初に何を言えばいいのか。英語習得の専門家、川崎あゆみさんは「日本語では主語を言わなくても伝わるが、英語は最初に主語(誰が)を言う習慣がある。まずは、日常会話でよく使われる主語3つを使いまわすことから始めると、英語での一言目が出てくるようになる」という――。(第2回/全3回)
※本稿は、川崎あゆみ『思ったことを英語にできる 3ます英語』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
※「崎」は正しくはたつさき。
主語に悩んだら「I/You/It」で考える
英語で話しかけられると、簡単な英文でも口から出てこない。この「主語の壁」を超えるために、まず「話の主人公」を言うことに慣れていきましょう。I/You/Itを使えば日常英会話のほとんどを伝えることが可能です。
主語に悩んだら3つのどれに置き換えられるかな、と考えましょう。
「昨日のパーティー楽しかった?」と聞かれたとき
あと一歩! △ Enjoyed.
伝わる! ◎ I enjoyed it.→主語がある
Enjoyedの1語だけではネイティブは「誰が?」と疑問を覚えます。明らかに「私は」だと伝わる話の流れでも、かならず最初にIと伝えましょう。
「手伝おうか?」と相手が声をかけてくれたとき
あと一歩! △ Mr. Smith is kind.
伝わる! ◎ You are kind.
英語では、目の前の相手の話をするときはYouを使います。日本語では、特に目上の人には「○○さん」などと言いたくなるかもしれませんがYouを使うのが自然です。
「それはすてき」→It is nice.
主人公が人以外(物や動物など)の場合は、まずはItを使いましょう。
「私」「あなた」「それ」を使いこなせれば、とっさの会話で「何から言えばいいかわからない」から卒業できます。
知っておきたい影武者のIt
(9時ごろに)時刻を伝えたいとき
あと一歩! △ 9 p.m.
伝わる! ◎ It is 9 p.m.
「天気」「季節」などの自然現象や「時間」「距離」には主語となるべき主人公がいないため「影武者の主語 it」を使って文を始めます。つまりItを「それ」と訳さないこともあるのです。
例)It's summer./It's Monday./It's April./It's far. *会話ではIt'sと略されます。

