▼第1位 だから貯蓄9割の500万円をNISAに突っ込んだ…63歳「低年金」男性が自力で作った老後の収入源2つ
▼第2位 最も幸福度が低いのは極貧、2番目は金持ちに生まれた人、では一番幸福を感じるのは…「幸せな年収」の分岐点
▼第3位 貯金だけして死んでいくのは残念すぎる…FPが徹底解説「老後資金を使うベストタイミング」と「正しい使い方」
年金のみで暮らすシニアは5割に満たない
急速な高齢化によって年金制度は1965年(昭和40年)におよそ9人の現役世代が1人の65歳以上の高齢者を支えていた「胴上げ型」から、2012年には2.4人の現役世代が1人の高齢者を支える「騎馬戦型」になったという。そして2040年には、わずか1.4人で1人の高齢者を支える「肩車型」へ移行する未来が待ち受けている。
老人を1人で肩車したら、足元はおぼつかず、若者も老人も一緒に転んでしまうだろう。現役世代の高齢者に対する不満は、社会を大きく揺るがしはじめている。
一方で年金を受け取る側も、すでに「年金」一本で自らの老後を支えることは難しくなっている。厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2023)によれば、65歳以上の高齢者のうち、年金のみで生活をしている人の割合は41.7%にとどまっている。今後ますますこの割合は減っていくことになるだろう。
「今の会社には65歳まで勤め、それを過ぎたら『NISA・タイミー・年金』の三本柱で暮らしていく予定です」
こう話す東京都在住のRさん(63)は、週末に、居酒屋でスポットワーク(スキマバイト)をしているミドルシニア。ロマンスグレーのサラサラヘアに、シャレたストールを巻いたRさんは、トレンディドラマ時代の石田純一のような「イケオジ(イケてるおやじの略)」である。
面接・履歴書不要の「スポットワーク」で稼ぐ
平日のRさんは、営業マンとして20年ほど勤めた紳士服の卸会社で、定年を過ぎた今も働いている。嘱託なので出勤するのは週4日ほどだ。
「現在の給料は定年前の7割ほど。手取りは月17万円くらいで、退職前よりも10万円ほど下がりました。ボーナスも出ますけれど、10万円ちょっとです」
Rさんはまだ年金を受給していない。一方で、社会保険や年金の負担は非常に重くなったと感じている。
「可処分所得が減りましたよね。ギリギリ生活はできますが、副業をしないと生活に潤いがない。持家ではないので家賃もかかります」
Rさんは60歳になる少し前から、副業でスポットワークをはじめた。
スポットワークとは、専用のアプリに個人情報を登録するだけで、自分の都合のいい時間に3〜5時間程度の単発のアルバイトで働くことができる新しい働き方だ。仕事に応募する時、面接も履歴書の提出も不要である。
都心の居酒屋で働く従業員は、今、学生アルバイトやフリーターのほかに、外国人労働者が増えている。それでも人が足りない店では、スポットワークを活用していることがある。スポットワークには、物流倉庫の仕分け作業や、スーパーの品出し作業など、初心者でも取り組みやすい仕事が多い。
