ジャンプ『鵺の陰陽師』なぜ注目度が急上昇? あまりに魅力的な新ヒロインたちの衝撃
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中のマンガ『鵺の陰陽師』が、このところ異様なほどの盛り上がりを見せている。あまりにも魅力的な新ヒロインたちが立て続けに物語へと参戦し、読者たちに衝撃を与えているのだ。
同作は川江康太が2023年から連載している作品。人ならざる存在「幻妖」と彼らを祓う「陰陽師」との戦いを描く現代バトルファンタジーだ。主人公の夜島学郎は幼い頃から幻妖が見えるだけの平凡な高校生だったが、学校に封印されていた幻妖の美女・鵺と出会ったことで戦いに巻き込まれていく。
バトルマンガとラブコメを組み合わせた作品として着々とファンを増やしてきた同作だが、ここ最近とくに大きな反響を呼んでいる。その最初のきっかけを作ったのは、第91話で初登場した新峰維朱(あらみね・いしゅ)だった。
維朱は学郎たちが通う学校に転校生としてやってくる少女。転校初日からクラスメイトの前で「私とお付き合いして頂けませんか?」と告白してくるという怒涛の展開を巻き起こす。
登場した当初、維朱は敵勢力に送り込まれてきたスパイという立ち位置で、学郎を自分の能力で作り上げた空間に閉じ込める。しかしそこにあるのは敵意ではなく好意だった。維朱は「やっと2人きりになれたね」と学郎を抱きしめると、「私しか見れないように考えられないように」矯正すると言い放つ……という“愛が重い”ムーブを繰り広げていく。
その後も維朱は主人である朱雀に離反した上、命をかけて学郎を守ろうとするほどの愛情の深さを見せつける。しかも鏡で遠くのものを見るという姉・鏡雲の能力を使って、昔から学郎を見守ってきたという経緯もあるらしい。さらには子ども時代の学郎と縁があったことも明かされ、ラブコメの“正ヒロイン”のような風格すら漂わせ始める。
『週刊少年ジャンプ』では読者アンケートの結果が掲載順に反映されると言われているが、維朱の登場をきっかけに最大2位にまで掲載順が上昇。これは彼女の存在が作品人気を左右するほどの衝撃を与えたことを意味しているのかもしれない。
また維朱が活躍するコミックス11巻が発売されたタイミングで「恋愛ゲーム風」のPVも公開され、YouTubeで23万回以上の再生数を記録している。
維朱に続いて“ちょろすぎる”ヒロインも登場
その一方、維朱をめぐるエピソードの終結後には、もう1人の大人気ヒロインが誕生することになった。彼女の名前は国瑠璃拿月(くにるり・なつき)だ。学郎に一目惚れしてぞっこんになるという“ちょろい”ヒロインとして、SNS上で大きな反響を巻き起こしている。
拿月が初登場したのは『週刊少年ジャンプ』9月15日発売号に掲載された第114話。“神の子”という神秘的な肩書きを持ち、陰陽師と幻妖の戦いで傷ついた街や人々を修復する復元部隊のトップにあたる存在だという。
黒髪ロングの大人びた見た目で、話し方も落ち着いているため、クールな美人タイプに見えるが、その内面はギャップが満載。実は同世代の男性に免疫がなく、ポーカーフェイスを装いながらも内心ドキドキしながら学郎との初対面を果たす。そして大好きな少女マンガの“最推しキャラ”にそっくりな学郎に心を奪われてしまう。
さらにかなりの恋愛脳な上、むっつりな性質も併せ持っているようで、学郎が自分と結婚するためにやってきたことを知るとすぐさま“子作り”や“育児”にまで話を飛躍させるのだった。
その後も、学郎の発言を“あらぬ意味”に誤解する場面が頻発。たとえば「皆の純潔を奪ってしまった」という言葉を聞くと、自分も同じ流れになるに違いないと妄想して顔を赤くする。その一方で妙に積極的な部分もあり、2人で瓦礫の下に埋められた際には、怪我をしている学郎を慮り、「私の上に乗っても構いません」と大胆な提案を行っていた。こうして清楚でクールな印象とは真逆のキャラクター性を所々であらわにすることで、拿月は読者のハートを鷲掴みにしている。
2人の新ヒロインが登場したことで、一気に注目度が上がっている『鵺の陰陽師』。ラブコメの密度が上がるだけでなく、バトルマンガとしても白熱しているので、この先さらなる盛り上がりが見られることを期待しよう。