ボーカリスト琴音の音楽旅

秋の会津若松旅、レトロ建築とグルメを堪能してきました

食欲の秋ということで、今回も食べまくりました

 猛暑の名残が去り、やっと少し過ごしやすくなってきました。夏の間は暑過ぎてゆっくり観光どころではありませんでしたが、秋になって町歩きもしやすくなり旦那さんと「観光もできる町に旅行に行こう」という話になりました。

 先月、自由が丘で食べた会津千鳥の焼き鳥がとても美味しくて、「会津若松ってどんなところなんだろう」となり旅行の候補地に。2人とも行ったことがない場所だし、東京からクルマで5時間ほどなら私たちのいつものクルマ旅のなかではまだ近い方です。

 そんなわけで、秋の過ごしやすい日に会津若松へ1泊2日の旅に出かけてきました。

元祖「輪箱飯」に舌鼓、老舗の味と趣のある建物に感動

 都内からクルマを走らせ、休憩を挟みつつ実際の移動時間は約5時間ほどで会津若松に到着。名物の輪箱飯(わっぱめし)を食べに、「田季野」というお店でいただくことにしました。

 会津若松駅からも近く、電車でのアクセスもよさそうです。老舗の割烹だけあって立派な古民家で、入るだけで心が落ち着きます。畳のお席ですが、その上にテーブルがあるイス席なので、年配の方や外国の方でもくつろげそう。

 私は会津の名物がつまった「会津セット」に追加料金を払って、セットのお味噌汁を郷土料理の汁物「こづゆ」に変更、旦那さんは具材が豪華な「よくばり輪箱飯」を注文しました。

 そんなに待つことなく料理が運ばれてきて、まずは会津セットが到着。熱々の輪箱飯は豪華なゼンマイ、きのこ、カニ、鮭、卵焼きの五種の具材がたっぷり。鮭やカニが主役を奪いそうなところですが、私のなかではきのこが一番のお気に入りでした。郷土料理の「こづゆ」はホタテでとったお出汁のおつゆで、根菜や地元の食材がふんだんに使われており、優しいホタテ出汁がとても美味しかったです。

 そしておそばは、つるつるの麺に辛味の効いたネギをかじりながらいただくスタイルで、ネギ好きの私には大ヒット。家でもこうやって食べたいくらいです。旦那さんの方はよくばり輪箱飯ということで、私の五種の具材に加えてイクラ、磐梯細竹が足された豪華なもので、少し具材を分けてもらいながら味見しました。

 会津おでんもこづゆと同じくホタテの出汁を使っているそうで、食べたことのないおでんの楽しみ方ができました。

趣のある建物の田季野入り口
古道具と歴史を感じる店内
会津セット、お味噌汁をこづゆに変更
よくばり輪箱飯
ネギと食べる会津そば
会津おでん(五点盛り)

大正ロマン感じるカフェで休憩

 お腹いっぱいになったところで、少し腹ごなしも兼ねて鶴ヶ城(会津若松城)を観光しました。翌日がお天気がわるいという予報だったので、町歩きは2日目にして初日はお城のなかを中心に散策しました。

 若くして亡くなった白虎隊や、幕末の新撰組ゆかりの地ということで、その歴史に関しての展示もたくさんありました。さまざまなドラマがあったであろうと思いをはせながらの鶴ヶ城散策でした。

 そして歩き疲れたところで、野口英世青春館にある喫茶店「會津壹番館」(あいづいちばんかん)にクルマで移動し、休憩を兼ねてカフェタイム。レトロな雰囲気たっぷりの、とても素敵な喫茶店です。

 私はケーキセットで本日のシフォンケーキのかぼちゃシフォンとブレンドコーヒーを、旦那さんは磐梯山の湧水を使った「ダッチ珈琲」と「はちみつトースト」を注文しました。

 ブレンドコーヒーはマイルドな味わいで、ふわふわのかぼちゃシフォンと仲よくお口のなかで溶けていきます。ダッチ珈琲は香り高くて、驚くほど美味しかったです。とっても濃厚で香り高くて、ほかにはあまりない味わいなのでコーヒー好きの方にオススメです。

 厚切りのはちみつトーストも食感よく、コーヒーと相性よくいただけました。

野口英世青春館にある喫茶店「會津壹番館」
蔵造りの建物で素敵な店内
本日のシフォンケーキセット(この日はかぼちゃ)
磐梯山の湧水を使ったダッチ珈琲
厚切りのはちみつトースト

夜は常連客に混ざって、地元の居酒屋でしっぽり

 しっかり休憩を取ったところで夕食の前に温浴施設へ向かい、汗を流してすっきり。しっかりお腹を空かせたところで、温浴施設の近くにある「居酒屋ときわ」へ伺いました。地元のお店ならではの雰囲気たっぷりで常連客が多いのかと思いきや、県外からの出張などで訪れているお客さんもちらほら。

 マスターが適度にお客さんに話しかけてくださり、常連さんも居心地がよさそうでしたし、初めて訪れた私たちのような旅人にもとても優しい雰囲気のお店でした。

 ここで、お刺身の盛り合わせ、ニラ玉、焼き鳥、もずく酢、秋刀魚の塩焼きなどの居酒屋メニューをいただきました。

居酒屋ときわ
もずく酢
お刺身盛り合わせ
秋刀魚の塩焼き
ニラ玉
焼き鳥

かやぶき屋根の街並みの残る大内宿へ

 翌日は少し距離があるので迷っていた「大内宿」(おおうちじゅく)に朝から行くことにしました。遠いとはいえ、会津若松からクルマで約50分ほど。山道を走りながらのドライブはとても気持ちよかったです。

 到着した大内宿は、まるで時代劇のセットのように素敵な場所でした。まるでタイムスリップしたかのように、かやぶき屋根の古民家がずらりと並び、情緒あふれる光景に思わずため息が出ます。江戸時代の参勤交代の際の宿場町で、今ではほとんどの古民家が飲食店やお土産屋さんになっています。

 まずは「よろずや」でいももちとお餅のセットをいただくことにしました。縁側でいただくいももちとお餅はとっても美味しい! なんだか「着物でも着てくればよかったなぁ」という気持ちになります。タイムスリップして自分が町娘にでもなったような気分です。

大内宿、よろづや
縁側の席が気持ちよい
醤油と油が香ばしい、いももち
青豆のきな粉とあんこのお餅
高台から見た大内宿

 そのあと少し散策して、いろんなお土産屋さんを見たあと、お腹も少し空いてきたのでお昼ご飯はおそばの「三澤屋」でいただくことにしました。やっぱり名物のネギそば(高遠そば)、そして天ぷらの盛り合わせ、ニシンの山椒漬を注文。お通しに出てきたかやくご飯からすでにとっても美味しくて感動。

 ネギでおそばを引っかけて食べるスタイルも食べやすく、やはり楽しいです。おそばとサクサクで新鮮なお野菜の天ぷらは最高の組み合わせでした。

 たまたま、また縁側の席だったので外の風を感じながら美味しくいただけました。春や秋の縁側席は本当に気持ちがよく、まさにこの日は行楽日和でした。

大内宿、三澤屋
かやくご飯
ニシンの山椒漬
高遠そば(通称ネギそば)
野菜の天ぷら

会津名物のボリュームたっぷり、ソースカツ丼を食らう

 そしてお腹いっぱいになったところで、大内宿をあとにし伊佐須美神社を参拝しました。しっかり御朱印もいただき、そこまでお腹は空いていませんでしたが「名物のソースカツ丼は絶対に食べたい!」ということで、再び会津若松方面へ戻り「お食事処むらい」へ行きました。

 せっかくなので、ヒレカツとロースカツ、両方のソースカツ丼を頼んでみることに。旦那さんはさっぱりしたヒレカツを、私はロースカツをチョイス。これがまたロースカツのインパクトといったら! ロースも脂身が少なく、しっかりとお肉のジューシーさを感じられます。

 こんなに分厚いのにお肉がものすごく柔らかいので、どんな下処理や揚げ方をしているのか気になるほど。これが熟練の技なんでしょうね。

 ヒレカツももちろんサクッと柔らかく、ロースとはまた違う柔らかい肉質を楽しめました。それにしても本当にすごいボリュームです。さすがに食べきれなかったので、持ち帰り用の容器を購入し帰りのクルマのなかで楽しむことにしました。持ち帰りの配慮もうれしいサービスです。

食事処むらい
ヒレロースカツ丼
ロースソースカツ丼

レトロな建築の多い七日町で町歩き

 その後、会津若松駅近くの七日町を散策することにしました。七日町は昔の町並みが残るレトロな通りで、その象徴のような「昭和なつかし館」を訪問。なかには昭和の雑貨がぎっしり展示されていました。購入できるものもあり、2階には懐かしい音楽が流れていて、昭和の雰囲気をたっぷり感じられます。

 私が普段やっている音楽もかなり古いものなので、流れている曲のほとんどを知っていました。旦那さんも古いものが好きなので、2人で楽しく昭和の懐かしさを満喫しました。

昭和なつかし館
雑貨の一部など購入できる品物も
なつかしの家電たち、今見てもデザインが素敵

 そして、私が会津若松名物の絵ろうそくが欲しかったので専門店の「絵ろうそく店ほしばん」へ。さすが専門店だけあって、さまざまな種類のろうそくが並び、絵付けもとても美しかったです。

 こちらでは昔ながらの和ろうそくを使用しているそうで、燃焼時間も長く楽しめるんですって。私は燭台を持っていないので長いろうそくは買わず、水に浮かべて使えるかわいい丸ろうそくを購入しました。お風呂に入るときなどのリラックスタイムに使おうと思います。

絵ろうそく店ほしばん
購入した丸ろうそく

 七日町をそこそこ歩いたところで、少し休憩しようということでカフェ「太郎焼本舗」へ入りました。入ってから知ったのですが、こちらのお店は地元のミュージシャンがライブ活動も行なっているそうで、店内にはピアノもあり、ミュージシャン心をくすぐるようなお店です。

 お腹がそこまで空いていなかったので、このときはいわゆる大判焼きの太郎焼は持ち帰りにして帰りのクルマのなかで食べることにしました。店内では会津の美味しい水を-9℃で凍らせた氷を使った信玄ミルクかき氷を注文しました。氷がサクサクでどんどん食べ進んでしまいます。

 旦那さんは紅茶、私はハーブティーを一緒に。この日は日中は暖かったとはいえ秋になり、かき氷だけだと体が冷えてしまうので温かい飲み物を一緒にいただきました。飲み物がホットになると季節の移り変わりを実感します。

カフェ太郎焼本舗
ピアノがあり、地元ミュージシャンの演奏が入ることも
信玄ミルクかき氷(黒蜜、きな粉、ミルク、白玉)
ハーブティー(トゥルシー茶)

食べまくっているけど、最後に外せない喜多方ラーメンを

 しっかり休憩をとったあと、「太郎焼本舗」をあとにして、少し地元の食材も買いたいということでスーパーに立ち寄りました。すると旦那さんが「やっぱり喜多方ラーメンがどうしても食べたい」と言い出し、最後に喜多方ラーメンの「来夢」へ行くことに。

 私はあまりお腹は空いていなかったのですが2人で入店して何も頼まないのもわるいと思い正油ラーメンを注文したら、縮れ麺に正油味のスープがさっぱりしていて完食してしまいました。どれだけ食べるのか自分で恐ろしくなります。

喜多方ラーメンのチェーン、来夢(らいむ)
シンプルな正油ラーメン

 そしてお腹もいっぱいになったところで、東京へ帰路につきました。帰りのクルマのなかで太郎焼もいただき、クリームとあんこがぎっしり詰まっていてとっても美味しかったです。

 今まで新選組や白虎隊など、歴史のある会津若松に興味はあったものの、なかなか旅行で訪れる機会がありませんでした。今回実際に行ってみて、東北ならではの空気や城下町の名残、そしてレトロな町並みなど、懐かしい雰囲気が好きな人にはたまらない観光地だと感じました。

 自然もあり、食事も美味しくて思い切って行って本当によかったです。これから雪の季節も景色が美しくなりそうで、また違った魅力を楽しめそうですね。冬の東北は寒さも厳しいですが、その分冬らしい風景を味わえる旅先だと思います。これからの季節の旅行に、ぜひお勧めしたい場所です。

琴音

シャンソン、JAZZなどをメインに歌うボーカリスト。たまにアルトサックスも吹きます。1986年10月10日生まれ。趣味・特技は、ライブなどで訪れた日本各地の美味しい食べ物を探すこと。思い立ってふらっと一人旅をすることもしばしば。
ブログは https://kotone1010.com/