続き的な何か
「それで?あんたスレッタとはどうなのよ」
「どうとは?」
会議も終わり部屋を出ようとする所を呼び止め、ミオリネ・レンブランは、睨み付けるようにして此方を見る。
「とぼけないで。昨日も、一緒に出かけたらしいじゃない。あの子、嬉しそうに話してたわよ」
「誘われたから、一緒に食事をしただけだよ。それ以外に何もない」
「どうだか」
「別に信じてもらわなくても結構だけど、誓って彼女に手を出すようなことはしてないよ」
「まあ、いいわ。うちの花婿を傷つけないって約束するなら、食事くらい許してあげる」
「浮気か?ミオリネ・レンブラン。旦那が泣くぞ」
「何言ってるの。どれだけ時が経とうとも、私の花婿はあの子だけよ。……待ち合わせにも向かえに来させない奴になんて渡すわけないでしょう」
「……」
カツカツと、ヒールの音を鳴らして立ち去る彼女の背を見送る。一体、どこまで知っているんだか。
結婚して少しは大人しくなるかと思ったが、守るものの増えた彼女はさらに苛烈さを増すばかりだ。
廊下を歩いていると、胸元で端末が震える。とりだし、向けた画面には件の彼女の名前が表示されている。先程の会話を思い出しながら、端末へ耳を傾けた。