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頼れるハイランダーの監督官 – Telegraph
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頼れるハイランダーの監督官

頼れるハイランダーの監督官

VerdictDay13日目

—エリドゥ管制塔、仮設指令室—

“…………”

頭の中で、黒服に言われた言葉が何度も反芻する。

黒服『貴方/貴女に彼女の何がわかるのですか?』

私はサンちゃんを知らない。この短期間で、それをイヤと言う程突きつけられて来た。

黒服『貴方/貴女は彼女のことを何一つ知らない』

………わかってるよそんなこと。

ゼル『もぅ~ちょっとサンって人間を知った方がいいな、先生』

わかってるよ。でもどうしたらいいの?私は自分で、サンちゃんに信頼されてると思ってた。でも、サンちゃんは自分を曝け出してはくれなくて………。思春期の女の子だもん、隠した自分はあったっていい。でも………

“傷付くなぁ……” ボソッ

ハナコ「えっ?先生、何か仰いました?」

“え?………ううん、何も”

ユキノ「大丈夫か?」

カヤ「疲れているのなら、休んでいてもいいのですよ?」

“ありがとう。でも、大丈夫だよ。みんなが一生懸命頑張ってるのに、大人である私が休んでる訳にはいからないからね”

ヒナ「………大丈夫ならいいのだけれど」

“ごめんごめん。それで、何の話だったっけ?”

ヒマリ「救助要請者を救出するにあたり、山海経自治区に侵入するにはどうしたらよいか。という話です」

“あぁ、そうだったね。ありがとう”

チヒロ「話を戻すけど、空中からの侵入は不可能。陸路も、車輌でいくつもの自治区を跨いで行くのはあまり賛成できないかな。その分だけ、ヴァーディクターズに見つかる確率が上昇する」

カヤ「ですので、ハイランダーの鉄道を利用するのはどうでしょう。山海経近く、択里自治区までは列車が通っているそうですし。……ネットに流れている情報ですので、確証はありませんが………ハイランダーは、ヴァーディクターズに協力するべきではないとする保守派と、むしろ協力していくべきとする過激派で割れており、現在シャーレとヴァーディクターズに対して中立の立場を取っているそうです」

ユキノ「それに、ハイランダーは一般市民と切っても切り離せない関係だ。列車はいままで通りのダイヤで運行しているようだし、銃器さえうまく隠せれば、私たちでも利用できるハズだ」

ヒマリ「そういうことですので先生?ハイランダーの生徒さんにお知り合いはいらっしゃいませんか?」

“…………どういうことなの……”

チヒロ「先生のツテで、臨時列車を出させたいってことでしょ?貸し切りで」

“いるにはいるけど……”

ヒマリ「でしたらすぐにでも。貸し切り列車の方が、周りに気を遣わなくて済むでしょう。二つの意味で」

カヤ「先生。その人物は信頼できますか?」

“できるよ。人となりを知ってるから”

人となりを知っている?どの口が言うのだろう。私はサンちゃんのことを知っているつもりで知らなかったし、“ルキが誰なのか”も知らないというのに。

ハナコ「早速で申し訳ありませんが、そのハイランダーの生徒にコンタクトを取れますか?」

“ちょっと待ってね………………すぐ会おうって”

チヒロ「何て送ったの……」

“え?『会える?』って”

チヒロ(危機感……)

チヒロ「はぁ……どこで会うの?」

“ミレニアム近郊のバーモンド分校区だって”

ユキノ「では私が同行しよう」

ヒナ「私も……」ガタッ

ユキノ「貴女は少し休んでおけ。いついかなる時も完璧なパフォーマンスを発揮するには、十分な休息も必要だ」

ヒナ「…………わかった」

“じゃ、行って来るね”

 

 

 

 

—バーモンド分校区—

コツッ…コツッ…コツッ…

ユキノ「……この辺か?」

“うん”

??「せ~んせ~い!!」

??「お待たせ~」

“あっ!ヒカリ!ノゾミ!”

ヒカリ「やっほーせんせー。ヒマしてたー」

ノゾミ「あはは!どうしたの?突然会いたいって」

ヒカリ「そっちのキツネさんはー?」

ユキノ「七度(しちど)ユキノだ。私のことはあまり気にしないでくれ」

ノゾミ「ん~?うん、わかった」

“ごめんね二人とも、急に呼び出しちゃって”

ノゾミ「いいのいいの!ヒカリも言ってたけど、今日はちょっとヒマしてたから」

ヒカリ「何の用で呼んだのー?」

“ちょっと聞きたいことがあって……”

ノゾミ・ヒカリ「「???」」

 

 

 

“ってことなんだけど……”

ヒカリ「なるほどー……」

ノゾミ「ん~……」

“やっぱり難しいかな?”

ノゾミ「できなくはないと思うけど、その区画私たちの担当の区画じゃなくて……。聞いてみないとわかんないかな」

“そっか……”

ヒカリ「でも期待していいよー。その区画担当してる人、ちょーいい人ー」

“そうなんだ?”

ノゾミ「私たちその人のこと好きだよ、個人的には」

“個人的に?”

ヒカリ「組織上の対立―。その人、管理室の人ー。でも唯一の納期の味方ー」

ノゾミ「その人ホントに凄い良い人でさ~!仕事上手いし部下に優しいし、悪い評判一つも聞いたことないよ?」

“凄い子なんだね……。私は会ったことないよね?”

ヒカリ「ないと思うー」

ノゾミ「多分ね!」

“だよね。因みに、部下に優しいってどう優しいの?”

アオバの環境を知っているだけに、少し気になってしまった。

ノゾミ「んー?部下にはお昼は各自好きなの食べていいって言ってくれるし、文房具や報告書なんかに使う紙の費用捻出してくれるし。私たち……というか現場には、催促来ても間に合うくらい長めに工期取ってくれるし」

ヒカリ「好かれる理由はあってもー、嫌われる理由は持ってないかんぺき~な人―」

“へぇ~、なんか泣けてくるよ”

ノゾミ「え~?どうして先生が泣くのさー!」

ヒカリ「変なのー」

“ごめんごめん、気にしないでね”

ノゾミ「まぁ!さっきの貸し切り列車の件、私たちからその人に話してみるよ!」

ヒカリ「期待しててー」

“うん、ありがとう!二人とも!”

ヒカリ「じゃ、またねー」

ノゾミ「久々に会えて嬉しかったよ~先生!パヒャヒャッ!」

“うん、またね”

タッタッタッ!

ユキノ「………移動については問題なさそうだな」

“そうだね”

ユキノ「次は救出任務に出る編成についてだな」

“そうだね、一旦エリドゥに戻ろうか”

ユキノ「あぁ」

 

 

 

 

 

—ハイランダーアビドス列車—

??「はい。切符確認しますよー」

ベル「どうぞ!」

パチッ

??「はい。ありがとうございます、ベルさん」

ナデナデ

ベル「~♪」

??「イレニアさん、切符確認しますよ」

イレニア「……………」ポケ~

??「イレニアさ~ん」

イレニア「あっ!は、はい…!」

パチッ

??「はい、確認しました」

イレニア「……………」

??「……………イレニアさん」

イレニア「?」

??「イレニアさん、ちょっとお話しませんか?」

イレニア「はなし……?」

??「はい。大事な人について、です」

イレニア「…………っ!」

??「イレニアさん、今って辛いですか?」

イレニア「…………とても」

??「………………」

イレニア「辛いです。辛いですよそりゃあ!!一緒にいたいだけなのに、どんどん離れて行く……!ウチが何したって言うんですか!?ウチは何か悪いことをしたんですか!?全部………全部みんなのためだったのに……!!」ギリィ

??「貴女の『家族』は、また会いに来ると仰ったんですよね?」

イレニア「………はい」

??「なら、その時に全て打ち明けましょう、イレニアさんの気持ち全部。イレニアさんのよくないところは態度で好意を示そうとするところです。今度はいっそ、全部言葉にしましょう」

イレニア「………そうしてみます。客観的な意見、ありがとうございます」

??「報われることを祈っていますよ、イレニアさん」

ピピピ!ピピピ!ピピピ!

??「………失礼」

ピッ

??「どうしました?CCCのノゾミさん」

ノゾミ『あっ!ちょっと意地悪な言い方―!』

??「あははっ。申し訳ありません」クスクス

??「………それで、どうかしたんですか?」

ノゾミ『ちょっとお願いしたいことがあるんだけど……いい?』

??「言ってみて下さい。その後判断します」

ノゾミ『流石~わかってるじゃ~ん!』

??「聞くだけです。それで?」

ノゾミ『実は、賓客を乗せてミレニアム自治区バーモンド分校区から択里自治区まで貸し切りの臨時列車を出して欲しいんだけど………どう?』

??「…………賓客というのは?」

ノゾミ『シャーレの先生!』

??「!」

ノゾミ『もしもーし?』

??「…………聞こえてますよ。深夜でしたら、問題ないかと」

ノゾミ『よかったー!ありがとオキナ監督官!今度お礼するね!パヒャヒャッ!』

プツッ

オキナ「……………」

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