長距離王キプリオスが一転の引退! 先日の跛行で古傷が悪化か
2025年05月28日 12:20
欧州長距離戦線に君臨するキプリオスの引退が、同馬を所有するクールモアの公式SNSで現地27日に発表された。投稿では健康状態こそ良好なものの、つなぎの部分に相当する古傷の環骨瘤が悪化したことを理由に挙げている。
今年で7歳のキプリオスの通算成績は21戦17勝。前走までの9連勝の他に2022年の6連勝があり、ロイヤルアスコット開催の英ゴールドカップとグッドウッドカップ、愛セントレジャー、カドラン賞を各2勝してG1レースは計8勝した。その一方、2023年には球節を傷めてシーズンの大半を棒に振り、一時は復帰を危ぶまれる事態に見舞われたこともある。
キプリオスは今月16日の愛G3レヴモスステークスのレース後に跛行するも、翌日には問題なく数日の経過観察で済むとの見解がクールモアより発表されていた。
同馬を管理するA.オブライエン調教師は英メディア『PA news agency』に対し「彼はあらゆる面で完ぺきだが、昨日は少し高ぶる感じになり、一切のリスクを取れなかった」「彼が負ったケガからカムバックできる馬は世界のどこにもいないのではないかな」と、当初の診断より深刻な状態だったことを説明している。
なお、オブライエン師はキプリオスの最も思い出深い勝利について2022年に20馬身差で圧勝したカドラン賞を挙げ、「1周してきたから、彼は自分がどこへいくべきか分かっていて帰りたがっていた。ほとんどを二速ギアで走っていたのに、他の馬たちがついていけずに脱落していき、先頭に立たされて淋しくなってしまったんだ。あのカドラン賞はちょっと違ったよ」と振り返っている。