LIFESTYLE / Gourmet

FNO神戸で立ち寄りたい、最旬グルメスポット5。

海と山の幸に恵まれ、中華やフレンチ、イタリアン、B級グルメなど、バラエティ豊かな店が揃う美食の街、神戸。9月22日(土)に開催されるFASHION'S NIGHT OUT神戸の前後にぜひ寄りたい、ホットなニューフェイスをラインナップ。小籠包からアイスクリームまで、神戸の旬の味を堪能しよう。

Harlow ICE CREAM アメリカを感じる、味わいリッチなアイスクリーム。

アイスクリームは、カップとワッフルコーンから選択。シングル ¥580、ダブル ¥880

重厚感のある木の扉に、ポップなストライプのテント。潮風を感じる神戸港のほど近くにぽつんと佇むこちらは、昨年11月にオープンしたクラフトアイスクリームの専門店「ハーロウ アイスクリーム(Harlow ICE CREAM)」。アイスクリームをこよなく愛する店主・西田景子さんが、旅先のアメリカで出合ったクラフトアイスクリームのおいしさに魅了されて開いたショップだ。

フレーバーは、定番6種、期間限定2種、乳製品不使用2種の全10種類。西田さんと創作鉄板焼店を営むご主人とホテル出身のパティシエの3人で研究を重ねているという。「メインとなるミルクは北海道産の良質なものを使い、素材を生かしながら、食感を楽しめるようなアイスクリームを作っています」と西田さん。

兵庫県赤穂の塩で作ったアイスクリームに、オリーブオイルとクリームチーズを固めたキューブが入った「塩&クリームチーズ」をはじめ、自家製ジャムを合わせたり、シャーベットを混ぜてマーブルにしたりと、いずれも職人技を感じさせ、一度食べると病みつきになりそうな味わい。アメリカ・ポートランドをイメージした店内でひと休みするもよし、テイクアウトして近くの公園を散歩するもよし。思い思いにリッチな風味のアイスクリームを楽しんで。

ハーロウ アイスクリーム(Harlow ICE CREAM)
神戸市中央区新港町17-3
Tel./078-585-5388
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜
www.harlow-icecream.com

〈写真左から〉乳製品不使用の「ミックスベリー」「塩&クリームチーズ」「チョコレート&ブラウニー」「レモン&ホワイトチョコクッキー」
毎朝手焼きしているという自家製ワッフルコーンは、バターたっぷりで甘さ控えめ。サクサク最後までおいしくいただける。
元スタイリストの西田さんのセンスが光る、アメリカ・ポートランド風の店内。ドアや照明、雑貨などの多くはアメリカから取り寄せた。
繁華街から離れた静かなロケーション。アイスクリームのほか、ガトーショコラ、キャロットケーキなどの焼き菓子やコーヒーも。

楽関記 本場仕込みの名物・小籠包と、滋味深い鹵水料理に舌鼓。

薄くてややもっちりした皮とプリッとした歯触りの豚肉と相性抜群。小籠包5個入り ¥680

昨年6月に開店し、たちまち地元で愛される人気店となった神戸中華の新星「楽関記」。看板メニューは、注文を受けてから手作りの薄皮で包む小籠包。熱々をほおばれば、口の中にジュワッと凝縮された旨味が弾けるよう。

「自家製の発酵調味料を使用し、あっさりしたコクと、爽やかな旨味が残る味を目指しました」。そう語るのは出張で訪れた上海で小籠包に魅せられ、会社員から転身した店主の城野肇さん。発祥の地である蘇州で修行し、帰国後、1年半を費やして完成させた自慢の逸品だ。

香港出身のシェフによる一品料理も豊富に並ぶなか、もうひとつの名物となっているのが鹵水(ろすい)料理。鹵水とは、数種の中華スパイスを約1週間炊いて調味料を加えたタレのこと。そのタレで煮込んだ鴨や牛、豚、鶏は飴色に輝き、奥深いスパイスの風味とほんのりした甘みが広がる滋味深い味わいだ。

夜、充実の品揃えを誇る紹興酒や老酒などの黄酒とともに多彩な料理をいただくか、天然の鮮魚をふっくら蒸した「清蒸」(ちんじょん)や「鹵肉飯」(ルーローファン)などの人気メニューに、追加料金で小籠包3個をつけられるランチセットを狙うか。勢いある神戸中華を満喫して。

楽関記
神戸市中央区北長狭通3-6-5
Tel./078-334-7172
営業時間/11:30~14:00(LO)、17:30〜21:00(LO)
定休日/火曜、第3水曜(ただし祝日の場合は別日に振替)
rakkanki.com

スパイスの香味とプルプルの食感が印象的な「鹵水猪脚(豚足)」小 ¥480、大 ¥960
ふっくら蒸した天然魚に特製海鮮醤油をかけた「清蒸」は、シンプルながら味わい深い一品。時価
鹵水料理や生ザーサイ、キクラゲとクコの実の冷製など、人気料理10品が美しく並ぶお得なメニュー。前菜盛り合わせ1人前 ¥1,380〜
目の前で料理が仕上がるライブ感を楽しめるカウンター席。地下にはテーブル席20席が広がる。
JR元町駅より徒歩2分、神戸市営地下鉄旧居留地・大丸前駅より徒歩7分。目印は、黄色にライトアップされた小籠包のイラスト。

Caprino 自然派ワインとフレンチ惣菜を気軽に楽しめるワインスタンド。

〈フード左から〉ジャガイモとツブ貝のサラダ ¥600、レンズ豆、キャロットラペ 各¥400 〈ワイン左から〉イタリアの「ゼロ・インフィニート」 ¥1,200、南アフリカの「ベイビー・バンディート」 ¥1,000、イタリアの「チェラスオーロ」 ¥1,100

三宮、元町エリアで3軒のイタリアンを展開するグループの最新アドレス。自然派ワインをメインとする常時25種類ほどのグラスワインを、フランスの郷土料理とともにカジュアルに楽しめるワインスタンドで、連夜賑わいを見せている。

「さまざまな世代の方に気軽にワインに楽しんでもらいたい」というソムリエ資格を持つ店長・後藤瀬奈さんが、同じくソムリエールのスタッフとともに、ゲストの好みを聞きながら、ワインをセレクトしてくれる。ワインは優しいテイストのものが多く、フランス、イタリアなどのヨーロッパを中心に、日本、南アフリカ、オーストリアなども取り扱う。ワインはグラス¥800から、シャンパンはグラス¥1,300からという手頃な価格も魅力的だ。

フードメニューは、お酒のおつまみに最適な小皿料理から、ボリューム満点のメイン料理まで。シンプル、かつ丁寧に作られた、スタンダードなフランスの郷土料理を提供する。しっかりと食事を楽しむのはもちろん、食事の前後にふらっと立ち寄ることもできる懐の深い1軒だ。

Caprino(カプリノ)
神戸市中央区北長狭通3-2-14 1F
Tel./078-335-6546
営業時間/平日16:00~25:00(23:30 フードLO)、土日祝14:00~25:00(23:30 フードLO)
定休日/木曜(変更あり)

イベリコ豚のコンフィは、表面はカリカリ、中はしっとり。肉の旨みを吸った白いんげん豆も絶品。イベリコ豚のコンフィ ¥2,600
店内の壁には、ワインボトルとグラスがずらりと並ぶ。カウンターエリアは柔らかな空気が流れ、男女問わず、ひとりでもふらりと訪れられる心地いい雰囲気。
通路奥には、キッチンとテーブル席が。腕を振るうのはフランスや国内のフレンチレストランで修行した池耕太郎さん。
場所は、神戸元町駅北側の飲食店が立ち並ぶエリア。

EAT LOCAL KOBE FARMSTAND 神戸発のヘルシーな食を届ける、朝市の常設ショップ&カフェ。

優しい味わいに癒される、日替わり定食。この日は、翡翠ナス、オクラ、人参葉、レンコンの天ぷらに、カボチャの胡麻煮、ニラ玉スープ。神戸野菜のランチ ¥900

「神戸に暮らし、ローカルを食べる」をコンセプトに掲げ、2015年にスタートした土曜の朝市「イート ローカル 神戸 ファーマーズマーケット(EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET)」。緑溢れる東遊園地で、神戸市各地から集まったさまざまな農家や生産者と会話を楽しみながら買い物できるとあって、週末の定番イベントとして定着している。

その常設ショップ「イート ローカル 神戸 ファームスタンド(EAT LOCAL KOBE FARMSTAND)」が、今年3月、北野エリアに誕生した。神戸産の新鮮な野菜やフルーツのほか、朝市では取り扱いが難しかった海産物や牧場の製品までを幅広くラインナップ。なかでも、チーズやミルクが人気の裏六甲の弓削牧場から届くハチミツ、自然栽培の農業を営むNIU FARMのごはんのおともや発酵食などは、神戸土産にもぴったりだ。

キッチンでは、旬の野菜をふんだんに使った定食や、ケーキ、スコーンなどを毎日手作り。食材をできる限りすべて使って調理し、店内のフードロスをゼロに近づけるのがキッチンの使命だという。スタッフは、農業や地産地消に関心を抱く若手が中心。神戸のローカルフードの豊かさを、リアルに身近に感じられる注目店だ。

EAT LOCAL KOBE FARMSTAND(イート ローカル 神戸 ファームスタンド)
神戸市中央区山本通1-7-15
Tel./なし
営業時間/9:00~18:00(17:30 LO)
定休日/年末年始
eatlocalkobe.org

ランチの定食には、生野菜より栄養価が高いと言われる自家製ぬか漬けが数種添えられる。
農産物から卵、乳製品、調味料など、神戸市内や近郊から集まったローカルフードが並ぶ、ショップコーナー。
店内は、木を基調とした落ち着いた雰囲気。カフェでは、キッチン直送のできたて料理やスイーツをいただける。
北野坂を登ると右手に見える、白いヴィンテージマンションの1Fに位置する。

Compartir Valor レトロな赤煉瓦が目印。老舗洋菓子店の新ブランドが誕生。

一番人気は、アールグレイのムースショコラにフランボワーズのジュレを閉じ込めた「アールグレイ ショコラ」 ¥400

卵黄たっぷりのスポンジに、甘さ控えめの生クリームとイチゴを合わせたシンプルな「ざくろ」は、神戸スイーツを代表するケーキ。その生みの親で、1946年創業の「元町ケーキ」から、昨年6月に新ブランド「コンパルティール ヴァロール(Compartir Valor)」が登場した。

ロケーションは、地下鉄海岸線みなと元町駅の上。クラシックな赤煉瓦のファサードは、1908年に日本で最初の建築家として知られる、辰野金五博士の設計により建てられた旧第一銀行神戸支店の外壁を残したものだ。

「長年この街で親しまれてきた『元町ケーキ』の昔ながらの安心感をベースにしながらも、新しいこと、クリエイティブなことに挑戦していきたい」と、3代目の大西達也シェフ。ショーケースに常時約10種類並ぶのは、ムースやクリームがメインの見目麗しいケーキたち。アプリコットとチョコ、タイベリーとトロピカルクリームと紅茶など、味や香りを重ねた奥行きのある上品な味わいが特徴だ。この秋からは、タブレットやボンボンショコラなど、チョコレートにも注力している。

話題のコーヒー抽出マシン「スチームパンク」で淹れた、雑味のないクリアなコーヒーも自慢。優雅な午後のひと時を過ごしに出かけたい。

Compartir Valor(コンパルティール ヴァロール)
神戸市中央区栄町通4-4-8
Tel./078-599-7521
営業時間/10:00~19:00
定休日/水曜

ショーケースには優しい食感と豊かな香りが広がるケーキが並ぶ。写真中央は、神戸を代表するパティシエの集まり「ORIGINE KOBE」で、年2回テーマに基づいて提案するコレクションから。「オンクチューンズ」 ¥520
店内は、正面にショーケースと、その隣にコーヒーカウンターがあり、奥がカフェスペースになっている。
天候のいい日は、開放的なオープンテラスもおすすめ。
黒と白を基調とした、モダンなインテリアのショップ。店の前にはさまざまな植物が置かれ、リラックスした雰囲気。
東京駅と同じ、赤煉瓦に御影石の白いアクセントを取り入れた、「辰野式」の外壁。南側と西側だけが残された。

Photos: Kunihiro Fukumori(Caprino, EAT LOCAL KOBE FARMSTAND, and Compartir Valor) Coordination & Text: Natsuko Konagaya Editor: Yukiko Kaigo